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8月1日 多角化の条件 Diversification

おはようございます。今日から8月ですね。いいスタートにしていきましょう。

#ドラッカー #365の金言 #8月1日 #多角化の条件

#Diversification

#強みに集中せよ

このNoteは、「ドラッカー365の金言」に記された1日1テーマに対して、自分の感想や想い、そして、私自身の実践について書いたNOTEです。本文そのものを全て引用することはありませんので、ドラッカー博士の論文をお読みになりたい方はぜひ本書をご購入されることをお勧めします。

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“汝の時間を知れ“ ドラッカー


上記は本書の扉の次のページに記されていたメッセージです。これは「時間は無限ではないから集中せよ」という意味かも知れません。ドラッカーの65年以上にわたる著作集を読み続けるほどの時間がない方のために、本書がある、という意味かも知れませんね。

編者のマチャレロ教授は

“最後にACTION POINTとして取るべき行動を示唆した。ここでお願いしたいことは、読者ご自身が「すでに起こった未来」を探すことである。新たなトレンドを見出したならば、ドラッカー学校の伝統に従い、自ら行動していただきたい。“

と記して、本書を実践する書、として欲しいと述べています。

著作権等の関係から、日々のドラッカー論文(つまり、本書の本文)を全文引用することはしませんので、ご関心の方はぜひお手元にお持ちになることをお勧めします。

今日のACTION POINT

#あなたの組織の事業を見直してください

#集中していますか分散していますか

#もし分散しているならば市場もしくは技術の観点から一体性を保つ方法を工夫してください

感染症によって、これまでの事業が苦境に陥っている。多角化しておけば良かった、これからどう多角化すべきか、と考えている方も少なくないだろう。しかし、ドラッカーは事業の多角化はそんな単純なものではないと論じていた。

多角化した方が企業は一定分野に集中する企業よりも業績が上がりそうだ、という考えは、「神話」にすぎない、とドラッカー氏。

「専門外のことには、でしゃばるな」という格言は正しい、と。そこで、多角化する前に次の2つの問いに答えを出すことが大切だという。

「当社がその使命を果たし、その目標を達成し、引き続き生成発展して反映するためには、”最低限”、どの程度多角化しなければならないのか?」

「“最大限“どの程度の多角化を当社は管理できるのか。“最大限“どの程度の複雑さに当社は耐えうるのか。」

この問いを考慮した上で、多角化を進めながらも統一性を出していくには2つの方法があるとのこと。

There are only two ways in which diversity can be harmonized into unity. A business can be highly diversified and yet have fundamental unity if its business and technologies, its products and product lines, and its activities are embraced within the unity of a common market. And a business can be highly diversified and have fundamental unity if its businesses, its markets, its products and product lines, and its activities are held together in a common technology.  (多様性を調和させて一つにする方法は二つしかない。事業が高度に多様化していても、その事業や技術、製品や製品群、活動が共通の市場という一体感の中に包含されていれば、基本的な統一性を保つことができます。また、事業が高度に多様化していても、その事業や市場、製品や製品群、活動が共通の技術の中でまとまっていれば、基本的な統一性を持つことができます。)(「マネジメント」下巻527ページより)

そして、この両者のうち、成功の見込みが大きいのは、市場における、そして市場を通じての統一性である、という。

ユニリーバもネスレも、多数の国で、多様な包装加工製品を手がけている。だが、両社の製品はことごとく食料品店またはスーパーマーケットを顧客としている。同一の顧客に対して、さまざまな製品を提供する、という方向での多角化、多様化である。

同じ客層に違う製品を売ることは比較的容易であり、時間的にも結果が出やすい。こうした多様化が成功しやすいわけだ。

ただ、今回のような感染症の場合、多様化を進めるにあたっては、このアプローチは取りづらい。感染症によって既存の市場が急激に衰退、失われた今回のようなケースでは、これまでの客層とは異なる客層へとアプローチせざるを得ない。

この場合、技術を軸とした多角化を目指さざるを得ない。共通の技術を全く別種の市場に多角化するのである。

京都のオムロンは、主としてアメリカから得た特許技術を元に、多様化に成功した企業の1つである。

ただし、技術を基盤とした多角化は生やさしいものではない。同様の「技量」「技術」を持つ技術者が多数いる場合は特にそうである。

例えば、飲食業のテイクアウト。これは、店内提供していた調理技術を、持ち帰り用にも転用する、という意味で、技術の多角化、と言える。しかし、同じタイミングで「持ち帰り」が増えたため、採算が合わぬ、と諦めて、給付金狙いに閉店した飲食店も少なくない。

容易に多角化ができない、だからこそ、この感染症によって苦戦する企業が少なくない理由であろう。

さて、今日の結論としては、先が見えない時代だからこそ、共通の市場ないし共通の技術に土台を据えないで多角化を試みれば、必ず失敗するという。市場という軸と技術という軸、この2軸に沿って多角化すること、これが今の感染症が蔓延する世界から抜け出せる「解」に近いのではないか、そんなふうに感じています。今月もやっていきましょう。

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