10月3日 Decision Making 意思決定と妥協
今日のテキストも昨日に引き続き『 #経営者の条件 』 6章 意思決定の原則 2 ディシジョン・プロセスの諸原則 1966年版では、247〜248ページより
今日のテーマ:
#Decision_Making
#意思決定と妥協
今日の金言:
#何が受け入れられやすいかではなく何が正しいかを考えなければならない 。
今日のACTION POINT:
#今直面している意思決定について妥協前の結論を書き出してください 。
ドラッカーは処女作『経済人の終わり〜全体主義はなぜ生まれたか』(1939年)に続く第2作『産業人の未来〜改革の原理としての保守主義』を1942年に発表。
その後、GMの幹部に請われ同社のコンサルティングをおこないました。その際に、当時から名経営者と言われるスローン氏からこう言われて提言レポートを提出。その後、そのレポートを基に第3作『会社とは何か』Concept of the Corporation (1946年)を発表しました。
しかしながら、1946年に発表された本書の提言はGMスローン氏には受け入れられず、逆に、反GM、反企業の書として「禁書」扱いとなってしまいました。
ただ、『会社とは何か』を読んだGMのライバル、フォード社はじめ、世界中の企業、政府機関、研究所、病院、大学で、経営と組織の教科書とされ、必読書になり、体系としてのマネジメントが生まれました。以後、大学に経営学部が生まれ、実学でも、マネジメントが必然となった、という歴史があるわけです。
『経済人の終わり〜全体主義はなぜ生まれたか』(1939年)、『産業人の未来〜改革の原理としての保守主義』(1942年)という2冊からドラッカーを眺めると、そもそもドラッカーは、『会社とは何か』Concept of the Corporation を経営指南書として書こうとしたわけではないことがわかります。
ドラッカーは、2冊の書籍で、現代産業社会が、どうしてナチズムのような野蛮で奇形的な制度を作り出したかを徹底的に掘り下げます。しかも、ナチズムはドイツのみならず、どの産業国にも起こり得た」普遍的な性格を持っているのであって、この普遍的な性格に対して、細心の注意と警戒心を持たぬ限り、新しいナチズム、全体主義、共産主義復活の芽があるわけです。この危険な芽を未然に摘み取ることによって、現代産業社会を再びナチズム全体主義社会たらしめないで、自由で平和な社会として、発展させることができるかどうか。ドラッカーは、それを企業組織、とりわけ、大企業に求めます。
大企業にこそ、ナチズムを防ぐ道とナチズム化の危険の2つを秘めているからこそ、大企業には何が必要かを探究し、その探究結果を『会社とは何か』に込めました。
GMの組織内には、トップダウン型で指示命令で、ある意味、ナチズム的な運営がある一方で、権限委譲がなされている部分もあったわけです。
GMの経営者たちが「会社を大きな幸福な家族のようなものに作り上げてゆきたい」という熱望を語っている面がある一方で、GMと労組幹部との当時の交渉は激しいものだったそうで、ドラッカーが民主的な経営への提言は、当時に経営陣にとっては、逆に共産主義を進める書、反GMの書として受け止められたようでした。
ドラッカーは、妥協を前提として書いたのではなく「正しい」と思ったことを書き、GMは彼の提言を受け入れなかった、ということが事実であり、見解の相違があっただけだと思います。
人生は妥協だらけで、誠実に生きることは容易いことではありません。そのうち、何のためにやっているのか、わからなくなってしまうことも。
言われるままに、流されていると、気づいたら、どこにいるのか、わからなくなってしまいます。自分を見失わないようにしたいものです。
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