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12月21日 The Whistle-Blower 内部告発の二面性

おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言  から人生と経営を深めていきましょう。

本日 #12月21日  のテーマは #The_Whistle -Blower 

#内部告発の二面性

#内部告発には二面性がある

 今日の組織倫理についての議論は、内部告発の義務と、上司や組織からの保護に多大の関心を払っている。まことに立派に聞こえる。たしかに、間違った行為を公にし、その是正をはかることは、たとえ義務ではないにしても一つの権利である。ましてや法をおかしているときは当然である。しかし、相互依存の倫理に照らすならば、内部告発の倫理的な扱いは急に難しくなる。
 上司や組織の行為が法律に反し、あるいは常規を逸しており、黙っているわけにはいかないという場合はある。重罪の場合は報告しないことが共犯となり、刑事責任を問われる。しかし、重罪でない場合はどうか。
 内部告発を奨励することは、上司と部下の信頼の絆を弱める。部下としても、自分たちを保護するはずの上司の意欲や能力に信頼をおけなくなる。
(『すでに起こった未来』Ⅳ部 社会的機関としての企業 156ページより))

ACTION POINT

#現実の問題として内部告発の奨励は上司と部下の絆にどのような影響を与えるでしょうか

内部告発を認めれば、上司と部下との信頼は崩れ、組織内に緊張が走り、一体感ある組織にはなれなくなるという。確かにその通りである。上司は部下が裏切るか疑心暗鬼になるし、部下も安心して上司に相談できない。相談したところで、裏切られるのではないか、と不安感を持ったままとなる。

まるで、戦国大名と家臣達の緊張感走る関係である。上様は自分を信頼しているのかいないのか、あいつが裏切るかもしれない。いや、自分の部下が誰かと通じており、下剋上を計っているのでは?など、落ち着かない状況となる・・・

しかし、それは「ちっぽけな正義感」なのだろうか?

雪印もミートホープも不正をして、それを告発した下請け企業は裏切り者扱いされた。業界も行政も、誰もこの下請け企業を「社会的正義を貫いた義の人・企業」「勇気あるもの」とは認めず、むしろ、業界から排除する、そんな対応を取られて、ひどい目に遭わされているように思われる。

西谷倉庫さんは、雪印の不正を明らかにした「義の人」にように感じられる。しかし、現実は、仲間から、業界から、取引を次々に断られ苦境に。その後の営業努力で7割まで回復したものの、やはり農薬まみれの中国野菜の出荷を拒否して、取引が断られ経営は苦境に。ミートホープの常務は行政に情報を揉み消され、やむなく会社を辞めざるを得なくなった。

ドラッカーは

内部告発の体制、密告者の体制が広がれば、上司と部下との信頼の絆を弱める。部下としても、自分たちを保護する上司の意欲や能力に対して信頼を置けなくなる。部下はもはや部下ではなく、潜在的な敵となり、政治的な密告者となる。内部告発が奨励されると、相互信頼も相互依存関係も倫理も存在し得ない。 

という。しかし、社会的正義の方が重要ではないか。

内部告発は悪なのか?

金儲け優先、不正も致し方ない、金がなければどうにもならないことも現実である。しかし、組織ぐるみの不正行為は内部告発されなければ、第3者は知りようがない。

いかなる組織においても、エクゼクティブは模範を示す。彼らが、組織の中にいる人間のための基調を定め、精神をつくり、価値を決定する。換言するならば、彼らは正しく、あるいは間違って人を導く。彼らには、この2つのいずれかの道しかない。(『すでに起こった未来』 Ⅳ部 社会的機関としての企業 150ページより)

もちろん、責任あるエクゼクティブは皆、模範となってほしい。

今日の提言の一節には、上司や組織の行為が〜という第二パラグラフの前に削除されている重要な一文がある。それは、

相互依存の倫理に照らすならば、内部告発は倫理的な扱いが難しくなる。

企業倫理

内部告発の体制、すなわち、密告者の体制のもとにおいては、相互信頼も相互依存関係も倫理も存在し得ないからである。しかし、その毛沢東も、政治の絶対主義を否定した儒教を抑圧し、その書物を焼いた紀元前3世紀の法家、すなわち、史上最初の全体主義者を範としたに過ぎない。(『すでに起こった未来』 Ⅳ部 社会的機関としての企業 156ページより)

紀元前3世紀の法家=韓非子のことであり、彼の政策を国家戦略に採用したのが、秦であり、その支配者=史上最初の全体主義者=始皇帝のことだろう。

そして、始皇帝が実は良い王だった、とアニメ「キングダム」を通じて、中共は歴史ロンダリングをしているという。なぜなら、中共は全体主義を是とし、中共に全ての国家が従う絶対主義を推し進めているからです。

ドラッカーは70年間、個を大事にしつつ、個に報いることをのできる活力ある社会を実現するための道具が企業である、と説いてきた。企業は、単なるビジネスのためのものではない。真の民主主義の担い手である、と説いた。

米中激突の中、企業経営にも人権や民主主義といった価値観が問われている。

今日を変えていこう。愛を込めて。


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