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12月27日 Integrating the Economic and Social 経済と社会の調和

おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言  から人生と経営を深めて参りましょう。

本日 #12月27日  の題名は

#Integrating_the_Economic_and_Social  (訳:経済と社会の統合)

#経済と社会の調和

#現代の問題は産業の現実を踏まえた機能する社会を手にしていないことにある

 人は、生物的存在として呼吸するための空気を必要とするように、社会的政治的存在として機能するための社会を必要とする。しかし社会を必要とするということは、必ずしも社会を手にしていることを意味するわけではない。
 難破した船のなかでパニックに陥った人々を社会とは呼ばない。集団ではあっても社会ではない。現にパニックは社会の崩壊によってもたらされる。それを克服するには、価値、規律、正統な権力、社会的諸関係を備えた社会を回復させなければならない。
 社会的動物としての人間の生活は、社会なくしてありえない。ありうるはずがない。最近の西欧社会を見るならば、機能する社会なくして社会生活がありうるなどとは到底いえない。(『産業人の未来』1965年版 田代義則訳 第2章 機能的社会とは何か 23ページより)

ACTION POINT
#経済の発展には目ざましいものがあります
#しかし経済を人・社会・政治よりも上位に位置づけてよいかを考えてください

経済を人・社会・政治よりも上位に位置づけてよいか?」と問われれば、「そりゃ良くないだろ?」となりますよね。

なんで?どうすりゃいいの?を考えましょう。

たとえば、経済を人・会社・政治より優先→すなわち、「金儲け第一主義」「利益第一主義」「株主第一主義」となります。

 かつての日本企業は利益を優先させるあまり、労働争議が多発しました。経営者団体と労働者団体の交渉で、生産性運動の推進には労使の協力が不可欠との設立当時の強い思いを反映して「生産性運動三原則」(①雇用の維持拡大、②労使の協力と協議、③成果の公正な分配)が昭和30(1955)年が了承され、以降、高度経済成長へのエンジンになっていきました。

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https://www.jpc-net.jp/movement/assets/pdf/domestic_19550520.pdf

 しかし、1974年のオイルショック以降の低成長、1991年のバブル崩壊以降のデフレ期において、グローバル競争の激化、知識労働者の増加といった変化の中で、人的側面を重視してきた日本型経営も徐々に利益第一の成果主義へと傾斜しつつあるようです。

 また、人体に悪影響を与えるほどの環境汚染が引き起こされ、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなど公害が大きな社会問題になりました。

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数年前から、ソーラーパネルが土砂崩れを引き起こし、環境悪化に拍車をかけていると言われてきました。熱海の土砂崩れは、補助金や利益中心で地域や環境保全、保水といった観点を欠いた短期的な自社利益を優先させる企業の態度が批判されています。

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 長引くデフレ不況の影響からか、短期的な自社利益の最大化・拡大という経済的側面を優先させ、人的側面、社会的・政治的側面を蔑ろにすれば、従業員や家族、地域社会への配慮を欠いた組織と認定され、むしろ、社会から遠ざけられる存在となってしまうのでは、と思います。

 奇しくも、ドラッカー(マチャレロ教授)は、組織の3つの側面に目を向けよ、バランスさせなければならない、と記していました。

 ネクスト・ソサエティでは、トップマネジメントは、組織の3つの側面をバランスさせなければならない。すなわち、経済的側面、人的側面、社会的側面である。 この50年間に、これら3つの側面のそれぞれを強調するモデルが別個に発展した。ドイツで発展した社会市場経済モデルは組織の社会的側面を重視した。日本の会社主義モデルは人的側面を重視した。アメリカの株主主権モデルは経済的側面を重視した。だが、3つのモデルは、いずれも不完全だった。ドイツ型モデルは経済発展と社会的安定をもたらしたが、その代償として、高い失業率と労働市場の硬直性をもたらした。日本型モデルは、約20年にわたって成功を収めたが、今日初めての難局に直面してあえいでいる。アメリカ型の株主主権モデルも危機に直面している。それはいわば好天用のモデルであって、経済が好調な時にしか有効に機能しない。もちろん、組織の社会的側面や人的側面を満足させるには、経済的側面が有効に機能しなければならない。とはいえ、知識労働者(ナレッジ・ワーカー)が働く人たちの中核となったからには、組織は雇用主としても望ましい存在になる必要がある。経済的側面の重視は、株主主導の考えを成立させただけではない。それは今日、社会的側面の重要性を際立たせつつある。(「経営の真髄」第6章 企業モデルが多様化する 102〜103ページより)

今日を変えていこう。愛を込めて。


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