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3月12日 企業の2つの機能

続きです

#ドラッカー #365の金言 #3月12日 #企業の2つの機能 #企業には2つの機能がある #マーケティングとイノベーションである

このNoteは、「ドラッカー365の金言」に記された1日1テーマに対して、自分の感想や想い、そして、私自身の実践について書いたNOTEです。本文そのものを全て引用することはありませんので、ドラッカー博士の論文をお読みになりたい方はぜひ本書をご購入されることをお勧めします。

https://amzn.to/3qUQZtj

“汝の時間を知れ“ ドラッカー

上記は本書の扉の次のページに記されていたメッセージです。これは「時間は無限ではないから集中せよ」という意味かも知れません。ドラッカーの65年以上にわたる著作集を読み続けるほどの時間がない方のために、本書がある、という意味かも知れませんね。

編者のマチャレロ教授は

“最後にACTION POINTとして取るべき行動を示唆した。ここでお願いしたいことは、読者ご自身が「すでに起こった未来」を探すことである。新たなトレンドを見出したならば、ドラッカー学校の伝統に従い、自ら行動していただきたい。“

と記して、本書を実践する書、として欲しいと述べています。


著作権等の関係から、日々のドラッカー論文(つまり、本書の本文)を全文引用することはしませんので、ご関心の方はぜひお手元にお持ちになることをお勧めします。


今日のテーマ:企業の2つの機能


今日のアクションポイント: #あなたの製品は顧客のどのようなニーズを満たしているかを考えてください #それは顧客のニーズをどの程度満たしていますか


今日は有名な「あの」フレーズが出てきた日です。

企業の目的として有効な定義はただ1つである。顧客の創造である。
目的が顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在する。マーケティングとイノベーションである。この2つの機能こそ、まさに起業家的機能である。

この「顧客の創造」「マーケティング」「イノベーション」という言葉だけが踊ると、「企業の目的」自体を見失ってしまうことになりかねない。

自分もマーケッターだから、ついつい「客を集める」「増収」といったマーケティング目標の面にばかり走りすぎてしまう。だが、それはマーケティング目標であって、組織の目的ではない(ってことを、ここ数年間で散々学んできた)。

例えば、イギリスの小売業「マークス&スペンサー」は、1ペニー(2円?)で購入できる商品を揃えたバラエティストアをチェーン店展開して1915年に成功を収めていた。要するに、「100均ショップ」の先駆けだ。でも、後から模倣された企業がたくさん出てきたこともあり、徐々に苦境に立たされていく。

そこで、サイモン・マークスが1924年米視察旅行に出かけ、シアーズ・ローバック社を注意深く研究して打ち出した新規軸がプライベートブランド商品の開発。

ブルーカラーの勤労者の人たちにも手に届く価格帯で、良質な衣料を提供するようになったことで1920年代、同社は飛躍的に成長した。ドラッカーも「マネジメント」の中で紹介している。

サイモン・マークスが1924年にアメリカ旅行に出かけ、途中でシアーズ・ローバック社を注意深く研究して帰国した後で、彼らの企業の目的と使命について考え直そうと決めた。そして彼らは、マークス・アンド・スペンサー社の事業は、「小売業」ではないと決めた。それは「社会革命」であると決めた。マークス・アンド・スペンサー社が、その事業をイギリスの19世紀的な階級構造を破壊することであると定義し直した。その意味は、中流の下の勤労階級にも、質の割には買い徳な高級商品を買えるようにするためであった。(「マネジメント」上巻 154頁より)

「革命」という目的が決まれば、そこから、何に重点を置くべきか、が決まってくる。商品を衣料品に絞る、と決定を下した。

すると、マーケティング目標も決まってくる。

顧客が誰か、誰であるべきか=中流の下の勤労階級、と見えてくる。彼らに対して、何をすべきか、どんな価格設定が良いか、どんな店舗が、いつ必要になるのか、どんな市場に進出すべきかを決めることができるようになった。

さらに、イノベーション目標も定まる。

当時、同社が必要な衣料品と織物はまだなかった。そこで、品質管理研究所を立ち上げ、研究・デザイン・開発センターまで築き上げた。そして、新しい繊維、染料、製法、混織等々を開発した。デザイン、トレンドも開発した。最後に製造メーカーを外部に求めた。

その他にも、社内資源の調達、育成、生産性、社会的責任など様々な分野の目標が定まった。

サイモン・マークスら経営者が、会社の事業は何か、という定義づけに取り組んだことから、そこから何が生まれるのか分かっていた。そして、各分野のスタッフたちも何をすべきかが分かっていた、という。

マークス・アンド・スペンサー物語は、「われわれの事業はなんで“ある“か。また、どう“あるべき“か」を、十分に検討することが何よりも重要なことを改めて確認させてくれる。それだけでなく、この物語は、定義だけでは不十分なことも示している。企業について、またその目的と使命についての基本的な定義は、目標にまで翻訳されて具体化されねばならない。さもないと定義は、たんなる洞察、よき意図の表明か、素晴らしい警句に終わってしまって、達成されなくなる。(「マネジメント」上巻 160頁)


自分も含めて、多くの企業は、自社の目的と使命を後付けで考えるだけで終わってしまい、各部門への目標レベルまで落とし込めていない。

特に、今回のような緊急事態によって企業の存続が掛かっているような経営環境の大きな変化時では、対処に追われ、商材を追いかけるばかりで、本質的な質問=「われわれの事業はなんで“ある“か。また、どう“あるべき“か」を、十分に検討することなく、「売れるものを」「お客さんから支持されるサービスを」と追いかけてしまいがちだ。

前年比3割しか売り上げがいかない、といったような破壊的状況に見舞われている企業も少なくない今だからこそ、今一度、立ち止まって、本質的な質問=「われわれの事業はなんで“ある“か。また、どう“あるべき“か」を問い直し、企業の使命を遂行すべきに向かいたい。

時代のトレンドを知り、トレンドに乗ることも大事だが、「企業の目的」から発想することです。

目標は「運任せ」ではない。目標は「方向づけ」である。目標は「命令」ではない。目標は「公約、自己関与」である。目標によって「未来が決まる」のではない。目標は未来をつくるために、企業の資源と精力(エネルギー)を動員する手段なのである。(「マネジメント」上巻 165頁より)

今日もやっていきましょう。




追伸、今日のマークス&スペンサーも「企業の目的」を見失ったのか、経営に悩んでいるようです。



こちらもお読みください。今日もやっていきましょう。

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