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9月21日 “Widow-Maker” Positions 後家づくりの仕事

#9月21日  #“Widow-Maker”_Positions  #後家づくりの仕事

おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言  でやっていきましょう。

今日のテーマは、「後家づくりの仕事」。流石にすごいネーミング(笑)。

1850年ごろ大帆船が全盛であったとき、つまり汽船が登場する直前の頃、どの船会社にもその持ち船の中から「後家づくり」を出すことがあった。「後家づくり」とは、原因ははっきりしないが、舵取りが効かなくなって、死者を出してしまいがちな船のことである。こうした大事故を起こすと、分別のある船主ならば、たとえいくらその船に投資していたとしても、解体してしまったものである。船長とか航海士を亡くしてしまうよりはましだからである。 多くの会社には、はっきりした理由はわからないが、とにかくその職務についた優秀な人が、次から次へと倒れてしまうような職務が見受けられる。それらの職種は合理的で、良く構成されているので、できないはずはないと思われるにも関わらず、実は誰にもできないものらしい。前職では立派にやっていた人が、2人続けて失敗してしまうような職務は、設計し直すべきである。そうすれば、最初の設計のどこが間違っていたか、後思案に過ぎないとはいえ、通常は明らかになるものである。(「マネジメント」1974(昭和49年)版 上巻53ページより)

ということで、8年連続Bクラス、昨年は3位になったものの、今季もBクラスが確定の中日ドラゴンズの監督の職務は、たまたま、落合さんがやった時だけ上手くいっただけで、その後、誰がやっても上手くいかないのですから、他球団とは別に、責任範囲や権限など、もう1度設計し直すべきでは、と思うわけです(笑)。

ここで問題となるのは、職務を人間に合わせた組織を構成すべきか、それとも逆に、人間を職務に合わせた「職能本位」の組織にすべきか、ということです。

ドラッカーによれば、答えはもう出ていて、

職務を人間に合わせなければならないのは、極めて明白である。実際、本当に人間に合い、人間の要求に応え、人間の期待に沿うように職務を設計する必要がある。今後ますます大会社では、職務を人間に合わせ、人間に仕えさせる試みとして「組織計画」がみられるようになろう。(「マネジメント」1974(昭和49年)版 上巻55ページより)

MLBだと、監督がブレーン的な人材を採用したい場合、それまで無かった役職をつけることがあるそうです。たとえば、打撃コーチを1人だけ、ではなく、アシスタント打撃コーチ、とか、テクニカル打撃コーチ、クオリティコントロールコーチなどといった役職などです。ですから、人間本位でチームづくりが進んでいる、というようなことらしいです。

日本では、勝手に役職をつけたり増やしたりできるのは、オーナー企業だけでしょう。いずれにしても、組織の構成は人間の個性とは関係なく、課題中心でなければならないことは明白です。そうでなければ、職務に継続性がなくなり、引き継ぐことができなくなってしまうからです。


経営者は「わが社の最大の管理は人間である」というのが好きである。経営者は、ある組織と他の組織とで本当に違っているのは人間の働きぶりだけである、という自明の断りを繰り返すのが好きである。(中略)しかし、経営者が「人間こそ、我が社の大きな資源である」と口ではいうものの、人間の管理に対する伝統的な諸方式は、資源としての人間に重点を当てているのではなく、問題児、手続、費用として見ている。(「マネジメント」1974(昭和49)年版 上巻 508ページより)

#優秀な人たちが連続して失敗する仕事は後家づくりの仕事である

ACTION POINT
#あなたの組織に後家づくりの仕事はないでしょうか
#組み立てなおすか廃止してください

ドラッカーは結構皮肉も効いてて、そして、まさに、今の経営課題に関わる内容なども、50年近い前の本なのに記されていて、「マネジメント」おもろいです。良かったらぜひ手に取って見ることをお勧めします。今日もやっていきましょう。

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