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6月3日 The “Score” in Information-Based Organizations 情報型組織の楽譜

今日は #6月3日
#ドラッカー #365の金言  からスタートしましょう。

本日のテーマは、 
#The “Score” in Information-Based Organizations
#情報型組織の楽譜

本日の金言は

病院ではあらゆる専門家がカルテという共通の楽譜を手にする。

 情報型組織に必要な条件は何か。オーケストラにおいて、1人の指揮者のもとで100人の音楽家が演奏できるのは、全員が楽譜を持っているからである。病院では、あらゆる専門家が患者の治療という共通の任務についている。カルテが楽譜の役を果たし、レントゲン技師、栄養士、理学療法士、その他全員にとるべき行動を教える。換言するならば、情報型組織には、具体的な行動に翻訳できる明確で単純な共通の目標が必用である。
 情報型組織の主役は専門家であって、仕事の仕方に口出しをすることはできない。指揮者の中には、フレンチ・ホルンの奏者に手本を示すどころか、音さえ出せる者がいない。しかし指揮者は、オーケストラ全体の演奏において、フレンチ・ホルンの技術と知識をいかに生かすかを知っている。これこそ情報型組織のリーダーが見習うべきモデルである。
 したがって、情報型組織は、期待する成果を明確に表現した目標を中心に組織しなければならない。さらには、期待と成果についてのフィードバックを中心に組織しなければならない。

(『新しい現実』)

ACTION POINT
#あなたの組織の活動について
#成果を期待にフィードバックしてください

 本日のテキストは、1989年発刊の『新しい現実』 14章 情報化組織 307~309ページより。

 2022年の現在、すでに被雇用者の中心は、肉体労働者や事務労働者から、知識労働者が中心になっているといいます。

 20年前の2002年1月、製造業雇用者は、1210万人(全体の19.3%)でした。 (資料: https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/zuhyou/lt01-c30.xlsx より)それが、2021年度は999万人(16.7%)と200万人も減少しています。

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/chart/html/g0005.html より

 卸売・小売業989万人、医療・福祉852万人、サービス業405万人など、すでに製造業以外のサービス業を合わせた第三次産業の雇用人数の方が多くなっています。

 そんな知識労働者であり、専門家である彼らとの仕事には、100年前の軍隊式の指示命令指揮系統には馴染みません。

 逆に、専門家である彼らが業務を進めるのに必要なことを組織に要求するのです。要求される業務内容は、映画「ミッション・インポッシブル」のような高度な業務もあれば、シンプルなものもあるでしょう。OJTで育成を必要とされる新卒人材とは立場は異なります。
 ただし、業務遂行に必要な資料などは組織側が手当するのが通例です。指示命令は、プロである彼らにしてみれば、パワハラ同然という認識が必要です。

 今の現場では業務手順書と職務記述書を「共通の楽譜」として業務遂行を求められます。プロは職責範囲を逸脱せず、手順通りに、そして、時間内に仕事をこなす。それが専門家であるプロです。ちょっとした笑顔とユーモアを添えて。

 ですから、こうしたプロをどう使うか、が組織リーダーに必要な能力となります。組織リーダーの意思決定は、単なる「勘」やその場しのぎの財務的決定から、戦略的前提条件の起こりうる確率を考慮に入れた真の意思決定に代わらざるを得ません。
 戦略が不可欠となり、意思決定そのものが、戦略と、戦略立案の前提である組織ビジョンの見直しを迫る、フィードバックのループの中で、ビジョン達成に向かって実施するシステムです。

 情報化組織は全て、企業体、個々の部門、個々の専門家のあげるべき成果に対する経営管理陣の期待を中心に組織されなければならない。
 そのような期待を明確に表現した目標を中心に組織されなければならない。
 さらに、情報化組織は、期待と成果についての体系的なフィードバックを中心に、組織されなければならない。そのように組織されてはじめて、組織内の専門家たちの自己規律も、可能となってくる。

同書、309ページ

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