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11月17日 Limits of Quantification 定量化の限界〜君は「キャズム」を感じられるか?

おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言  より人生と経営を深めていきませう。

本日 #11月17日 のテーマは #Limits_of_Quantification  #定量化の限界 です。

#社会的な事象のなかで真に意味あるものは定量化になじまない

 私が定量化を行なわない最大の理由は、社会的な事象のなかで真に意味のあるものは定量化になじまないからである。
 一九〇〇年あるいは一九〇三年ごろ、ヘンリー・フォードは、当時一般的になっていた常識、すなわち利益最大化のための最善の方策は、独占的な地位のもと生産量を抑え価格を引き上げることであるという常識を知らなかったがゆえに、価格を引き下げ生産量を増やすことによって利益をあげた。この大量生産の発明が経済を変えた。
 しかし、一九一八年あるいは一九二〇年という、すでにフォードが富豪となって何年も経った後でさえ、大量生産の影響を定量化することは不可能だった。もちろん、それは産業に革命をもたらし、自動車工業、国民経済、そして何よりもわれわれの産業観を一変させた。
 世界に変革をもたらす特異なものとは、実は限界的な事象である。統計的に意味あるものとなったときには、もはや未来にかかわる事象ではない。現在にかかわる事象でさえない。過去にかかわる事象になっている。(『すでに起こった未来』1994年日本版 315~316ページ)

ACTION POINT
#10年以来にあなたの組織に重要な影響を与えるであろう
#まだ定量化の段階にいたっていない特異な事象を1つあげてください
#それを機会として利用してください

ドラッカーは

Quantification for most of the phenomena in a social ecology is misleading or at best useless. (社会生態に関わる現象の定量化は人を誤解に招くか、あるいは、全く役に立たない。) (『すでに起こった未来』1994年日本版 315ページ)

と手厳しい。ドラッカーが定量化を行わない最大の理由は、

社会的な現象のなかで意味ある事象は、定量化に馴染まない

という。

スマホ市場の拡大

例えば、スマホの流行、というか、携帯電話からスマホに市場が切り替わったのは、2013年9月のことでした。

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まだ「スマホはそのうち廃れるよ」なんていう声が聞かれる状況で、ガラケー(フィーチャーフォン)がダブルスコアでスマホを圧倒していました。その後、スマホの利用率アップはものすごい勢いで上昇し、ある時点から完全にガラケーと逆転しました。その「クリティカル・マス」は2013年9月ですね。さて、この時期に何があったのかというと・・・・2013年9月iPhone5s発売、NTTドコモでiPhoneの取り扱い開始 (引用: https://marketing-rc.com/article/20160731.html より)

市場を塗り替えた現象は、後からでしか、定量化できない。

したがって、2013年9月、「これはスマホ市場が成長するぞ」と手応えを得ていたのは、iPhoneやアンドロイド端末を扱っていたドコモ店の現場職員たちだったことは明白だ。

この報道が出て、2013年9月20日、iPhone5sの提供開始が始まった時、彼らは、いくつかのはっきりした徴候を観察できた。

最も信頼でき、最も識別しやすい兆候として、産業の急速な成長があげられる。(中略)ある産業が経済成長や人口増加をかなり上回る速さで成長した場合、その産業の構造は、ほぼ間違いなく大きく変化することになる。どんなに遅くとも、産業の規模が2倍になる前に構造が変化する。(「イノベーションと起業家精神 1985年版 137ページより)

そして、経済成長や人口増加をかなり上回る速さで成長したことをはっきりと確認できた。携帯からスマホへ市場の構造の変化を感じることができた。

8年後、コロナ禍の現在、スマホはすっかりインフラ化し、スマホ無しではどうにもならないほどだ。回転寿司の予約やテイクアウトもスマホをベースに考えられてるし、ECやシステムなどのビジネスは広がり続けています。

高市早苗氏の躍進

また、先日の自民党総裁選でも、事前の調査では、本命:河野太郎氏、対抗:岸田文雄氏、女性候補の2人は正直泡沫、と思われていました。

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しかし、いざ総裁選挙戦が始まってみると、高市早苗氏はぐんぐんと存在感を増し、議員票では事前の100票届かない、という予想を大きく上回り、114票と2位の得票となり、女性総理誕生の予感を感じさせました。(以下投票結果)

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 ドラッカーは「こうした「予兆」「徴候」を事前には定量化できない。そして、予期せざる外部の変化が差し出している機会は、常に目の前にある」と記しています。高市氏の躍進には、安倍元総理の支援、保守派と呼ばれる議員が集まった、党内知名度の浸透などさまざまな要因があったんだろうと推察されます。

 こうした「予期せぬ成功・変化・機会」は、認識と現実との乖離などを正しく知覚して、はじめて可能となるという。

 「なぜうまくいったかわからない。だから、調べよう。出かけていって、見て、質問して、聞いてくることにしよう」

 そうしなくてはわからない、ということである。今日もやっていきましょう。

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