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儒教の影響が他国に比べて日本人労働者の質を上げているのではないかしら、と未来工業の故・山田会長がおっしゃっていましたよ、ドラッカーさん 1月14日 The Managerial Attitude マネジメント的視点が鍵

#1月14日  
#The_Managerial_Attitude
#マネジメント的視点が鍵

今日の提言は「 #新しい社会と新しい経営 」(1950年発刊)より。ドラッカー全集 第2巻 5章 #産業秩序の問題#工業社会 #経営者的態度の要求  183~189ページより。

経営者的態度というのは、個人をして自己の職務、仕事、生産物に対して、経営者と同様の見方をさせる、つまり、集団の仕事並びに全体の生産物と関連させて眺めさせる、という態度のことである。

同書、184ページ

アルバイトの人に「経営者(店長)のように考えろ」「経営者目線で考えろ」と経営者または店長が言い、アルバイトの人が「だったら、経営者(店長)と同じ待遇にしてください」、という笑い話がある。

あまりに待遇が低すぎる現在の給与水準を皮肉ったものであるものの、現場で優れた人材として重用され、出世する人は、自分の担当する部分だけでなく、事業全体だったり、業界全体などを見渡せるような、視野が広く、己の仕事が組織全体の中で、さらには顧客にとってどのように位置付けられているのかを見通す力の持ち主です。

そして、彼らは、失敗からも、成功体験からも学ぶことができる人です。「フィードバックを通じた学習」を行い、正しい選択を選び、選択結果に責任を持つ態度を有していることでしょう。いわゆる「仁」や「徳」ある人です。

未来工業・山田会長は・・・

かつて、未来工業の故・山田会長は、「儒教の影響があるうちは大丈夫」と語っておられました。性善説で組織運営を行なってきた日本企業は、米国企業に比べて、従業員へのマネジメントコストが低く済んできました。これは、長年の道徳教育の賜物ではないかと感じています。

道徳教育については、もちろん長所ばかりではなく短所もあります。道徳は、「立場」にふさわしい振る舞いをせよ、という立場主義イデオロギーを「礼」として重視してきたからです。

“経営者的態度“と日本の立場主義組織

ドラッカーの言う “経営者的態度“ は、伝統的な日本企業では難しいことかもしれません。良かれ悪しかれ、日本社会は、特に官公庁や大企業では「立場主義組織」(「ドラッカーと論語」安冨歩氏)、肩書き社会であるからです。

例えば、国会に来ない、と叩かれているガーシー議員ですが、なぜ彼がマスコミから叩かれているか、それは脅迫的な暴露への抗議かもしれませんが、実際のところ、
「「国会議員という立場」であるにも関わらず、国会に出席しない。だから、けしからん」という読売新聞橋本五郎氏。参院選前の党首討論会での立花党首に論破されたことを恨んでか、

嫉妬にも感じられるコメントは、まさにかつての古き日本の「立場主義」的なものの見方です。

読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏は「全くそうですよ」と同意したうえで「国会議員は国民に選ばれた。それを、なんて心得ているのかって話ですよ、しかも私が気に入らないのは立花党首が3月の参議院総務委員会で“デビューできるように手配している”と。デビューできる?来るのは義務じゃないですか。何を言ってるんだって話ですよ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/89904521331e370ad14400b7a191ff3d6999650a より

パンデミックという未曾有の経験を積み、企業もビジネスパーソンたちも「果たすべき貢献は何か」を問い直しています。

ただ出社すればそれで責任を果たしている、そんな意識を持ち合わせる経営者やビジネスパーソンは、体感では少数派に感じます。

リモートワーク時代が到来してすでに3年目。

国会に出れば国会議員の仕事している、という一面的なものの見方は、「「立場」に則って出席しろ、仕事してようがしてまいが、国会に出てきてからだ」という価値観から生じています。

そして、立場主義に反抗する人、しかも、弱そうなものをマスコミは叩きます。自民党なら、立憲なら、批判しないけれど、マスコミ仲間のNHKを叩いている弱小政党ならば、「ならずもの」ガーシーは、すでに「わがまま」と総すかんを食らい、NHK党は支持率を下げています。

日本の組織において成功をおさめるには、自分自身をさておいて、「立場」にふさわしい振る舞いをする必要がある。

「ドラッカーと論語」安冨歩 239ページ

自らをマネジメントする“経営者的態度“

人口減少、戦争、疫病と先が見えない時代のなか、日本企業の長所の1つであった雇用の安定性を担保とした「終身雇用性」が失われる一方で、企業はじめ組織の寿命は30年そこそこです。

しかも、パンデミックの時代においては、あらゆる組織がそれだけの寿命を保つことさえ難しくなっています。

したがって、これからのビジネスパーソンは、現在所属している組織よりも長生きすることもあり、仕事を変えていかざるを得ない。そして、キャリアを変えるにあたり、必要な態度が、経営者のように考え行動する“経営者的態度“ではないかと思います。

すでに、多くの日本企業の従業員は、組織全体の中での立ち位置を理解している人たちであると感じています。病院であれ、製造業であれ、サービス業であれ、県庁など公的機関であれ、配属された部署の中で、自分がどういう役割を担い、任せられ、期待されているかを熟知し、自分だけのパートだけを全うすればそれでよし、と言う意識で仕事に取り組んでいる人よりも、全体を見て経営者的態度で業務遂行に当たることを研修等で理解し、自分が組織から任され担っている仕事に対して誠実に向き合っていると感じます。

このような態度を持っていない場合、自らをマネジメントしなければならなくなる。自らを最も貢献できるところに位置付け、常に成長して行かなければんらないでしょう。今日もやっていきましょう。

#仕事の最前線にマネジメント的視点をもたらすことそれ自体が1つのイノベーションである

 あらゆる生産手段のうち、人的資源ほど効率の悪いものはない。この人的資源の活用に成功したわずかな企業が、生産性と産出量の飛躍的な向上を実現する。人的資源こそ生産手段の主たる機会である。したがって、今日関心を集めている設備や技術のマネジメントではなく、人材のマネジメントこそが最大の関心事でなければならない。
 しかもわれわれは、人的資源の生産性をもたらす鍵が何であるかを知っている。報酬や手法ではない。考え方としてのマネジメント的視点である。仕事と製品をマネジメントの目で見ること、すなわち、それらのものを全体との関連において見ることである。

(『新しい社会と新しい経営』)

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