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5月21日 Productivity of Service Work サービス労働の生産性

おはようございます。昨夜は祝いの席で、久しぶりに呑み過ぎてヘロヘロで帰宅。二日酔いかなぁと思いつつも、そうでなくて、悪酔いしないいいお酒でした。美味しく呑めましたので、またお祝いにいきたいものです。

さて、今日は

#5月21日  

テーマは、

#Productivity_of_Service_Work

#サービス労働の生産性

そして、今日の金言は、

#サービス労働の生産性向上はマネジメントにとって最優先の社会的責任である


 あらゆる先進国において、サービス労働の生産性向上が社会的な課題である。これを実現しないかぎり、先進国は社会的な緊張に直面する。新たな階級闘争に直面するかもしれない。生産性の向上がないかぎり、増加するサービス労働者の経済的社会的地位は確実に下がる。
 実質賃金が長期にわたって生産性の伸びを上回ることはない。もちろんサービス労働者は、その経済貢献度から正当化できる以上の高い賃金を数の力で得ようとするかもしれない。しかし、それはあらゆる者の実質賃金を引き下げ、失業を増大させることによって、社会全体を貧困化させる。
 あるいは、知識労働者の所得が上がる中で、サービス労働者のそれが下がる一方となり、格差が増大して分極化が加速することになるかもしれない。いずれにせよサービス労働者は疎外され、虐げられ、追いやられた階層として自らを見るようになる。
 われわれはサービス労働の生産性向上の方法を知っている。それらは生産的労働である。したがって、われわれが100年間生産性向上について学んできたことをほとんどそのまま適用できる。なすべきことは明らかであり、実行は可能である。緊急度は高い。これこそ、マネジメントにとって最優先の社会的責任である。

(『すでに起こった未来』)

ACTION POINT

#サービス労働の生産性向上について目標を設定してください

#目標の達成に対してはインセンティブを用意してください

 今日のテキストは、『すでに起こった未来』と記されているけれど、サービス労働について記された箇所が見当たらないので、困ってしまった。よくよく調べてみると、米版の『すでに起こった未来』(1993年刊)であって、元々収録されていた31論文から日本版では、13本を選出して編集したものだという(訳者あとがき、325ページより)。

 今日のテキスト該当の論文名は「生産性の新たな課題」で、これは、『未来企業』(1992年刊)の13章(111〜137ページ)として収録された論文です。

 80年代から90年代前半にかけて多数の論文を経済誌などに発表していたドラッカーですが、それらの論文をまとめて1冊の著作として発表するにおいては、トルーマン・タリー・ブックス社のタリー氏が“助産婦“となって、発表された論文から適切な章にして編集され発刊されたとのこと。(『未来企業』序文より)その方式で発刊されたのは、『変貌する経営者の世界』(1982年)、『マネジメント・フロンティア』(1986年)、『未来企業』(1992年)。

 米版の原書から、これらの3冊や『日本ー成功の代償』(1981年)などに既刊に収録・紹介された論文を省き、新たに書き下ろし論文を含んだものが日本版の『すでに起こった未来』(1994年)ということのようです。道理で『すでに起こった未来』をいくら探しても、該当箇所が見当たらなかったわけです。ふう。。。

では、該当する論文「生産性の新たな課題」を見ていきましょう。

 この26ページの論文で言われていることは、

 知識労働やサービス労働の生産性を向上させなければ、先進国は経済の停滞に直面する。従って、知識労働者やサービス労働者という支配的な存在となった人たちの生産性向上は、政府や政治によって為されるのではなく、企業や非営利組織の経営者や管理者が取り組むべき最も大きく難しい課題であり、最優先の社会的責任である。
 過去100年に渡り肉体労働、生産労働の生産性向上について学んだことは、知識労働やサービス労働においても適用できる。
 仕事を定義し直し、自らの仕事に集中し、かつ成果を定義し、従業員を生産性向上のパートナー、生産性向上のアイデアの第一の源泉として、継続的な組織学習を業務に取り込むことによって、生産性向上を実現。その成果として、賃上げを実現し、従業員の自尊心や誇りも高めている。

 生産性の向上は、「より賢く働く」ことによってのみ達成される。(中略)そして、知識労働とサービス労働に関しては、それだけが鍵である。

同書、116〜117ページ

 知識労働やサービス労働の生産性の向上をはかる場合に、まず問うべきは、「何が課題か。何を達成しようとしているか。なぜそれをするのか」でなければならない。

同書、117ページ

 最も手っ取り早く、しかも、おそらく最も効率的にそれらの労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義し直すことである。そして、特に、行なう必要のない仕事をやめることである。

同書、118ページ

 しかし、今多くのところで、生産性向上が賃上げにつながっていないのが日本の現実です。
 あらゆるところで、グローバル競争の中に放り込まれ、海外の低賃金との競争により「100円ショップ」「コンビニ」「インスタント食品」「ファストフード」と競争させられ、社会が疲弊しているのです。

 むしろ、生産性の向上よりもグローバル競争や消費者の値下げ要求が強過ぎるせいか、生産性の向上が利益増や賃上げにはつながらず、むしろデフレ促進の方に進んでしまい、「みんなで貧困化すれば不満は出ない」という洗脳に進んでいるような、そんな気がします。

 本来、ドラッカーが望んできた世界と違う現実となっています。誰もが自分を守らなきゃならない中で、「より賢く働く」をやっていきましょう。愛を込めて。

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