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ごじうごにちめ(とらうまんが【じょうほうぼしゅう】)

小学生の頃、三本松にあった地域密着型の食堂へよく連れて行ってもらっていた。
その食堂も今は台湾料理系の店になって食堂の名前自体も忘却してしまったし、そこで何を食べていたのかも思い出せないのも、全てそこで読んだ日野日出志の「蔵六の奇病」のせいだと思っている。僕にとっての所謂トラウマンガというやつだ。

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今では名前も忘れてしまったその食堂での外食は小学生の僕にとって楽しみだったはずだが、ある日その食堂の本棚から手にしてしまった蔵六の奇病は、テレビでのホラー映画放送が楽しみだった僕でも熱にうなされるような衝撃を受けて、それ以来その食堂での食事を拒否するようになった。その食堂でのイメージが蔵六の奇病によって、いや七色の膿によって全てを侵食されたのだ。

また小学生の頃の話になるが、山奥に住んでいた僕にとって白鳥の町に住んでいた母の妹の家で泊まるのが楽しみであった。
実家から自転車で30分ほどとは言え小学生にとって山奥から町に出るというのは越境する感覚で、町に住むおばちゃん家に泊まることはイコール徒歩でジャスコに行けるという山奥の小学生にとってはリゾート地に行くようなものだった。
町のおばちゃんは娘がすでに家を出て県外で暮らしており、旦那さんも長距離トラックの運転手だったため僕が泊まりに来るのを楽しみにしていてくれてもいた。
寝るのは長距離運転手で家を空けがちの旦那さんの部屋で、そこには小学生にとってのワンダーランドでもあった。
そう、エロ本というかエロ漫画がそこら辺に落ちているのだ。
昼間はジャスコのゲーセンで戦場の狼とかをやって夜になるとおっちゃんの部屋でエロ漫画を読み漁る。これ以上シヤワセなことなんかあるはずがない。
一丁前にちんぼを勃起させながらエロ漫画を読んでいると一風変わった漫画に行き着いた。
それが三条友美の作品だったと知るのは高校生くらいになってからであるが、エグ味のある画風のその漫画はエロもあったのだが間違いなくジャンル的にはホラー漫画であった。
その作品が三条友美のものであること以外タイトルはもちろん内容も薄ぼんやりとしか覚えていないけど、カニバリズムがテーマの作品で鮮烈なイメージは残っている。

蔵六の奇病は強烈に記憶に残っているけど、三条友美のその作品がなんであったのかが非常に気になる木。
ネットで調べると「穴の中」という作品が一番イメージに近いんだけど、薄ぼんやりとした記憶の中にあるストーリーとちょっと違う。

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僕の記憶では謎の光線みたいなのが日本全土を覆い、その光線を浴びたものはカニバリズム嗜好になって、たまたまその光線を洞窟で逃れた人が最終的に自分の肉を食うみたいな話だったと思うんだけどなあ。
それに、この「穴の中」という作品は1996年所収みたいで、その頃僕はもう自衛隊に入隊してる頃だ。

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そもそも小学生の頃におっちゃんの部屋で見たものは三条友美のものでなかったかもしれないし、「穴の中」が僕が小学生だった80年代後半から90年にかけての時に発表されたものでただの記憶違いで「穴の中」を見ていたのかもしれないし、今の今までモヤるんですよねえ。

誰かわかる人いませんかね?

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