DIA-1GPX2021とはなんだったのか
はじめに
--またしても電撃的に発表されたDIA-1GPX2021、まずはお疲れさまでした。このコロナ禍でのゴールデンウィーク、本当に楽しませて頂きました。さて、今回もレースについて主催のお二人にお話をお伺いする機会を設けていただきました(コロナ禍ということでリモートでの取材となりました)。
ムニエル・シューマツハ(以下シュ) よろしくお願いいたします。週末はさば味噌を食べます。
キミ・ナンヤネン(以下ナン) よろしくお願いいたします。あ、前回と名前が変わっておりますが同一人物です。
※特に記載しておりませんが、このイベントは株式会社タカラトミーから発売されているダイアクロンシリーズを使ったイベントです。
本イベントは個人のファン活動の一環であり、株式会社タカラトミーとは一切関係ありません。
--今回も急な開催になりましたね。
シュ そうですね(苦笑)。まずは皆さんにお礼を言わせてください。「DIA-1GP」はイベントとしてかなり好意的に受け止めていただけたようで、第2回開催の要望を以前から多くいただきました。また、急な開催にもかかわらず沢山の方にエントリーしていただき、本当にありがとうございます。
▲シューマツハ氏
ナン 今年(2021年)のエイプリルフールには、第1回の画像をアーカイブというカタチでnoteにアップしていまして、“動くぞ・・・”ってアピールをしたつもりではあったんですが弱かったですね・・・。実は、半年くらい前から、やろうやろうと考えてはいたのですが、ちょうどリアルの仕事が忙しくなってきちゃってて、この時期になってしまいました。昨年、コロナが落ち着いてきて、年度後半に仕事が凝縮されてしまったんだよね。
▲ナンヤネン氏
シュ ですね。いや~ほんと仕事中倒れそうでした(笑)
‐‐コロナと言えば今回の開催は緊急事態宣言が4都市に発表されたタイミングになっちゃいましたね。
ナン ええ。緊急事態宣言が出たことで今年のゴールデンウィークはステイホーム時間も伸びるだろうから、少しでも気晴らしになればと、このタイミングでやるしか!と、半ば強行に発表~エントリー~開催というカタチになりました。相変わらず計画性が無いので、またしても企画は短期間で詰めた感じです(笑)。
エントリーについて
--今回はエントリー期間が3日間と短期間だったようですが。
シュ 前回はエントリーに1週間とったんですが、予想以上のエントリー数をいただきました。あまりに多かったので、1日短縮しちゃうとか対応に追われたもので、今回はバシッと3日間!と決めさせて貰いました。ぶっちゃけエントリー数が多すぎると捌き切れないので、ある程度絞れるかなぁという狙いもありましたね。
▲最初の告知画像
--狙い通り、前回よりは少ない数に収まりましたね。
シュ ですね。でもこの短さでも本当に多数のエントリーをいただきました。3日間で70エントリーですよ?前回は6日間で83エントリーだったので、吃驚しました。エントリー数的には減ってしまって複雑な気持ちもありますが、もっと長くしていたら捌き切れなかっただろうし、ちょうどいい数にまとまったのではないかなぁと。
レギュレーションについて
--レギュレーションの変更もありましたね。
ナン はい。レギュレーションを、「ダイアクロン純正パーツのみ」と制限させていただきました。結果としては、満足してますね。
▲レギュレーション告知画像
シュ 「ダイアクロン」のイベントをしたかった、という思いがありました。アイテムも様々な形状の物が出て、拡張性もどんどん上がっていますから「わざわざ他社製品を使用せずともマシンは組み上げられるのでは?」と考えました。
ナン そうそう。「わー、みんなでダイアクロン遊んだね!」ってなってほしくて。それに、このあとヴァースライザーのコンペティションイベントが他のユーザーから発表されていましたので、組み方の参考というか勉強にもなるのかなと。コンペティションイベントのレギュレーションと同じで他社製パーツもOKにしてもよかったんですが、同じじゃつまんないかな?棲み分けというか違うところがあったほうが面白いかな?とか思っていました。
シュ ワルダー側の参加も正式に認めたりしたね。イベントってダイアクロン側にスポットが当たることのほうが多いじゃないですか。アイテム数的にも。ワルダーしか持っていない人も楽しめたらなって。まぁ敵対関係なのに一緒のレースでるの?ってところは「友好的なワルダー」って苦しい設定にして濁しましたが(笑)。
‐‐1パーツのみの参加は不可というルールもありましたね。
ナン 1パーツのみの参加を不可にしたのは、僕らが参加者のカスタムを見たいからですね(笑)。
シュ 結果、前回よりは正統派なビークルが揃ったなと感じましたね。ただ、やっぱり奇を衒いたいのかレギュレーションの隙を突きたいように見受けられる方もおられて、対処には苦慮しました。他にも、こちらとしては公正に判断しているんだけれども、「これがよくてあれがダメなんてのは贔屓じゃないですか?」等の意見も頂いたりして(苦笑)。ある程度自由にカスタム出来るように、ギチギチに縛っていなかったのですが、細かく聞かれてそれに答えると、「レギュレーションの後出しだ」みたいな印象になってしまったところは反省点ですねぇ。
ナン 本当は問合せがない限り、エントリー機体の成否はエントリー期間終了後発表にして、締め切り時に違反している機体は問答無用で失格にしようと思っていました。でも、せっかくエントリーしてくださったんだし、感謝と敬意を表したいよねと、レギュレーション違反のまま締め切りを過ぎてしまった方には、再エントリー出来るように通知させていただきました。
シュ それでも1件、レギュレーション違反を見逃してしまって、レース中に通知したのは痛恨でした。
ナン こちらのチェックミスなので、そのまま参加して頂きました。黙っていればわからなかったかもしれませんが、気付いてしまったため通知しないわけにもいかず…。盛り上がっていたところに水を差してしまい本当に申し訳なく思っています。もっとちゃんとチェックしないとなと反省しています。
‐‐確かに、前回に比べたら少し厳しいレギュレーションだったかもしれません。
シュ 機体の所持数が少なくてカスタムが思う存分できない方や、普段ダイアクロン以外のパーツでカスタムされている方には戸惑いが多かったかもしれません(汗)。そこは申し訳ない。
‐‐ロボット形態も不可となっていました。
ナン 「これはロボですか?」という質問は多数きました。人によってロボとビークルの境界線は違うと思っていたので、明確にしなかったこちらの落ち度ではありますが、「もしかしたらロボットかな?」と思うなら組み直して欲しい!というのが本音です(苦笑)。
シュ 誰がどう見てもビークルだよ!ってのを見たかったんです(笑)。次からはそういう「思い」も明確に伝えるべきかなと思いましたね。
--今回は、最近ダイアクロンを買った新規隊員の参加も、多く見られましたね。あまり機体がそろっていなくてカスタムに苦慮された方も多かったと思います。
シュ 新規隊員さん、多かったですね。やっぱりバトルコンボイV-MAXから入った人が多かったのかなと。コンボイの名はやっぱすごいですね。って、話がそれました。すみません。えーと、「みんなのカスタムが見たい」というのは本音なのですが、「気軽に参加できるイベントを作りたい」という思いも強くありまして・・・。
ナン 今回、レギュレーション的にはボレットコアに何か1つパーツを付けるだけで参加できるんですよ。なのでほんとは入隊したばかりの方にも気軽に楽しんでもらえるんです。これもきちんと発信しないとダメかなと反省しています。
内部システムについて
‐-今回は、新しいシステムをつくられたようですね?
シュ 前回、計算ミスが多くて一部の方に不快な思いをさせてしまいました。なので今回は「DIA-1GP自動計算システム」をエクセルで作成しました。
▲DIA-1GP自動計算システムのプロトタイプ(回数や数字が違います)
--DIA-1GP自動計算システムというのは?
シュ 前回は毎サイコロ・マシンごとに手計算していたので、間違いも出たりしていましたが、関数を使ってすべて自動化しました。おかげで計算ミスはなくなりました。
ナン あ、マップの記載は手作業なので、そこではミスりました。すみません。
シュ エントリーを締め切ってブロック分けして、各参加機体のパラメータを入力、サイコロの目を入力するところまでは手動なんですけど、それ以降は自動的に最後まで計算してくれるようにしたんです。
ナン エントリーカードも、パラメータを入れたら自動生成するシステムにしました。前は、全て手作業で地獄を見たもので(笑)。
--システマチックに進化してますね。
シュ 前回はマップの記載ミスも多かったので、ちゃんとチェックしような!って言い合って進めました。ですが、ミスが起きたのは本当にごめんなさい。
ナン まぁシステムのおかげで、マップ製作もスタート時には半分できていて、6回目の発表ぐらいにはすべて揃っていました。
コースについて
--コースについてお聞きします。発表時はあえてフラットなコースのみが開示されていましたが、いざ本番では宇宙が舞台でびっくりしました。
▲コース画像
シュ もともとコースはどうするか悩んでいたんですけれど、どうせならスケールの大きなモノにしたかったので、ダイアクロンの年表に出てくる太陽系(ギガゾーン)を舞台にすることにしました。みんな前回のことを考えながら、オンロードやオフロードを想定して機体を組んだと思うんですよね。そこでいきなり宇宙を当日発表!サプライズ。
ナン 太陽系って(笑)。当たり前ですけどめちゃめちゃ距離のあるコースになるんですよね。必ず「どうやってそんな移動するんだ?」って突っ込みはあるよなと思っていて、なんとか理由を付けられないものか思案しました。そこでエンジンを配布して亜空間ワープしながら移動にしようと決めました。サイコロの目に反応して亜空間ワープするっていう。メタ的なところでいうと、このイベントは放っておいても勝手に進んでいくので、その理由付けになっています。
シュ エンジンの名前が、「HSWS」って言って、正式名称は「亜空間ワープ装置(Hyper Space Warp System)」なんですが、ほんとうの意味は「ひじょうに すごい ワープ しちゃう」です。
都合の良い言い訳って感じです。それらしい設定をIntroductionとして発表しました。
‐‐ひじょうにすごい(笑)。雑ですね(笑)。
▲実際に投稿された、それらしい設定
シュ あとで公式サイトの年表を見てみたら、この距離を移動するための“超速宇宙航行用フリーゾンドライブ”なるものの記載があって、ありゃ?しくじったな、とはなりましたが、ええい!こちらはワルダーの技術を使った亜空間ワープ方式だ!ということにしました。最終的に暴走しますし。
ナン 設定が無理やりすぎるよ(笑)
コースの構成について
--今回のコースは35マスですね。
※全34マスと発表していましたが、ゴールマスを含めると35マスでした。
▲最初に発表されたコース画像
シュ そうそう。前回は思ったよりも早くゴールする機体があって、それで調整しました。逆にゴールできない機体もあるかもとは思いましたが、早く終わるよりはいいか・・・と。バランスが難しいし、サイコロの「時の運」に左右されますしね。
ナン イベントマスも若干増やしました。本当のすごろくのように一回休みとか○○に戻るとか、バンバン入れたかったのですが、複雑になりすぎるのでボツになりました。そういったイベント満載のレースも今後考えてみたいですね(笑)。
シュ 進行について補足すると、前回はサイコロが12回でしたが、今回は14回です。3マス増えたり、5マス戻るなどキツめのトラップも入れましたので、サイコロも増えています。意地悪なマスですけれど、本音は全員完走してほしいんですよ?(笑)
ナン それでも7台完走できませんでした・・・。なかなかに難しいなと感じましたね。まぁ、全体の10%なので普通のマラソン競技よりも完走率は低めですね(苦笑)。
シュ 今回は意図的に、偶数や奇数だけでは進みにくかったり、同じ数字だけでは引っ掛かるようにイベントマスを設定しました。スペックの割り振りでかなり左右されたのではないでしょうか。なるべく尖りすぎな機体が早めにゴール出来ない構造を狙いました。でも尖ったスペックは許すという罠を仕掛けてみたつもりです。うまくいったかは怪しいのですけど(笑)。
ナン 今回は事前にどこがトラップマスなのかは発表していませんでしたので、スペック割り振りも自分を信じて調整になるんですよ。そこも楽しい要素だったのでは、と思います。
--木星や暗黒宙域の戻るには泣かされた方も多そうです。
ナン なかなかのデッドヒートを繰り広げてくれて、楽しかったのではないでしょうか(笑)。
レース展開について
--さて、一番最初にゴールしたのは8回目のサイコロでした。
▲実際のレース画像 8回目・グループGの様子
シュ 想定よりもはやくゴールされてしまった印象です。先ほども話した通り、結構いろいろ考えてコースも凝ったのに・・・。
ナン まぁサイコロ次第ですからね。逆にいつまで経っても一切動いてない人もいて、心の中で謝り倒してました。本当にごめんなさい。ただスペック割もピーキーに振りすぎたマシンだったので、そういうこともあり得るなってところです。
シュ 結局、少し良い数字と奇数・偶数が平均的なスペックのほうが、着実に進めるようにはなっていたね。14回あればゴール出来るって感じで。
ナン あ、ちゃんと言っておきますけど、サイコロの振り直しはしていませんからね!7ブロックで14回ずつ振るとなるとそれだけで大変なので…。
シュ 70台も揃うと同じようなスペックも出てくるので、その部分だけはブロック分け時にバラけさせました。同じ組に同じスペックのマシンがあったらつまんないでしょ(笑)。
ナン ちなみに、毎回更新するマップの画像ですが、前回はゴールした番号を考慮しておらず欄外に並べちゃったので、今回はリザルトの枠をあらかじめ作っていたんです。コースが見やすくなったと感じてくれている人がいればいいんですけど。
エキシビジョンレースについて
--そして恒例エキシビジョンですね。
▲エキシビジョンレース発表画像
ナン いやー、今回はリアルも忙しいしやめようか?って話にはなっていたんですけれども、結構わくわくされている方もおられて、「やるかー!」ってなりました。この決定はレースも後半になってからだったね。
シュ そうそう。で、急遽コースマップを作成したりね。EXの1ブロックのみなのでパパっと作れちゃうくらいには慣れていましたけど。
ナン 余談ですが、今回のレース企画で作った画像は、告知なども含めると219枚です。相変わらずアホな物量ですね。
--それを数日でやってのける運営さん、お疲れ様です。
シュ ありがとうございます(笑)。で、それをすべてTwitterの予約機能に放り込むんですが、常に数十ツイートが予約に入っているという感じでした。
ナン エキシビジョンは、さすがにブロック優勝マシンだけあって、デッドヒートが繰り広げられていて面白かったと思います。
レース全体を通じて
--レースの全体についてご感想をいただけますか。
シュ 今回は、急に開催した割には、かなり余裕を持って運営できました。それも自動化システムとツイート予約のおかげですね。
ナン おかげで更新時間になっても焦ることはなくなったね。ゆっくり静観できました。すこしマップのミスや、リザルトの表記ミスがあったのですが、前回に比べるとわずかな数で・・・ミスのあった参加者には大変申し訳なかったですが・・・ホッとしました。
シュ 見てくれている方々が、更新のたびに一喜一憂してくれていて、うれしくなりましたね。「こういうイベントもいいよね」といった発言もありました。励みになります。他のイベントと違って、だいぶ受け身にはなると思うんだけれど、それも楽しんでくれていて良かったです。
ナン こんな風に手軽に参加できるイベントが増えるといいなと思います。
シュ いやいや、運営側の製作負担は半端ないので、それを苦に思わない人とスキルを持ち合わせてないと、余程じゃないと真似は出来ないんでは・・・。
ナン あー・・・判断を他人に委ねないというか、開催期間からルールに至るまで、全部こっちで決めて何から何までやってやるという意地もいるかも・・・。自己犠牲あふれる人が主催には向いているのかな(笑)。
シュ 私たちがドМみたいじゃないか(苦笑)。他のブンドドイベントに比べて特殊という感覚もあり、結構好評でもあるのでは?と思っているので、うまく続けていきたいな(笑)。
次のレースはあるのか?
--では最後に、次の開催についてお聞かせください。
シュ 一応、最後のツイートに「また次回お会いしましょう!」って書いてますので、間違いなく開催はされると思います。たぶん(笑)。
ナン 時期は・・・まだ未定ですが、構想は練り始めていますよ。今回の第2回大会は開催時期こそ伸び伸びからの急にって感じでしたが、エクセルの自動化など準備は着々と進めていました。次回もまた何か新しい要素を盛り込んで開催したいですよね。
シュ 「ダイアクロンで遊んだな~!」って感覚は大切にしていきたいですね。ダイアクロンリブートは本当に良いシリーズだと感じています。ハイエイジ向けトイなんだけれど、ガシガシ遊べるのにディテールなんかの密度は濃いし、童心に帰れるっていうか触っていて幸福感に包まれるんですよ。この玩具を使って何かしたいって想いはみんな持っていると思いますので、それを具現化するひとつでありたいですね。
--今回はありがとうございました。また、次回も楽しみにしております。
シュ ありがとうございました!
ナン 次回もよろしくお願いいたします!
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