見出し画像

DIA-1 GRAND PRIX とはなんだったのか

はじめに

 レースの主催、本当にお疲れさまでした。突然、DIA-1GRAND PRIX開催の告知があったかと思えば、エントリーが開始されて、その週末にはレースのスタートが切られたわけですが、この企画は一体誰が仕掛けているのか?そもそも一体コレはどういった企画だったのか?と憶測が飛び交う中、主催の方に、直接お話を聞く機会を作っていただきました。

アルジェル・セルマン(以下マン) 先に言っておきますと、主催は2名で運営しておりました。私、セルマンと相棒セヤナです。もちろん二人ともダイアクロン:リブートの虜で、どちらかといえば「ズブ沼」のユーザーということだけお伝えしておきます。

画像1

▲アルジェル・セルマン氏

ナイルトン・セヤナ(以下セヤ) 実は、この企画、7/13(月)の深夜に発表したのですが、思いついたのは、7/10(金)だったんですよ。実質の準備期間は3日間ぐらいでした。

画像2

▲ナイルトン・セヤナ氏

マン その頃、ダイアクロンユーザーの間では、DA-52 ヴァースライザー1号が発売され、なぜかミニ四駆風のマシンに仕立てる遊びが流行っておりました。「これでレースが出来たら面白いな」が一番最初の発想です。

 なるほど。マシンのイメージありきの企画だった、というわけですね。

セヤ そうなんです。Twitterのダイアクロンユーザー間では、イベント的なブンドドが散発的に行われていたのは知っていたので、きっとみんな乗ってきてくれると思っていました。それからは一気に企画内容を固めて、発表に至った感じですね。

ダイアクロンとは
ダイアクロン公式(https://www.takaratomy.co.jp/products/diaclone/)](https://www.takaratomy.co.jp/products/diaclone/)
 1980年、「ダイアクロン」は タカラ(現タカラトミー)オリジナルキャラクターSF玩具シリーズとして誕生した。
 シリーズ名の“ダイアクロン” は“<ダイヤ>のように固い友情と団結を持ち、 <サイクロン> のように力強い仲間たち”という 意味を込めて造られた名称である。
 「変身サイボーグ1号」、「ミクロマン」等と同様に独自のSF的イメージが広がる世界と“正義 VS. 悪”のシンプルなストーリーを軸として 1/60スケール(約3cm)のフィギュア “ダイアクロン隊員”が乗り込む同スケールの ロボット・基地・ビークル等の“アイテム群を展開 、変形合体ロボット遊び、フィギュア遊び 、ジオラマ的な基地遊び 等 バラエティーに富んだ 男児玩具の人気要素が詰め込まれている。
 後期は統一スケールを廃し リアルな実車がロボットに変形する「カーロボット」等のリアル&ロボットシリーズを展開、後の「トランスフォーマートランスフォーマー」シリーズの中核を成すアイテムを数多く生み出したシリーズとしても知られている。
 そして誕生から35年目の2015年 、「ダイアクロン再起動!」の宣言と共に新たなダイアクロンリブートとして、現在(2020.07)までに54商品を数えるシリーズとして成長を続けている。
#ダイアクロン #タカラトミー

ブンドドでレースをするには

 実際の準備とは何をしたのでしょうか。

マン まずはどのようにレース風に見立てるかということを考えました。コースをスゴロク盤、参加者をコマに見立てて、サイコロで進ませようとなったんですが、それだけじゃ面白くない。各マシン毎に自由にステータスを振って、サイコロの目に対応したステータスを行動出来る数としました。それによって個性が生まれますから。

セヤ まさにTRPG的な面白さが生まれましたね。レギュレーションとして「20」という数字をサイコロの目に振り分けてもらうんですが、これがまた極端なマシンが結構集まっちゃって。コースの盤面は32マスですから、極振り(一つの目に20を振る)すると、下手すりゃ2回でゴールしますから。それはそれで面白いけれどね。それと、最大数を必殺技として設定出来るとしました。盛り上がり要素ですね。

マン 次に、参加者を把握しないとまずいだろうから、実際のF-1などのモータースポーツを模して、エントリーからやろうとなって。そうすると参加者が全て見える状態で進めていけるのでラクなのではと思いましたね。今までのブンドドイベントを見てきている立場でしたが、参加者がそれぞれのタイミングで遊びだすので、把握するのがたいへんだなーと思いながら眺めていたもので。

 エントリーという形で参加者把握はうまくいったというわけですね。

セヤ ところが、そうはなかなかいかなくて。なにせ思っていたよりもエントリーが多すぎた。ポッと出の新規アカウントの始めるイベントに、こんなにも参加してくれるのか!?って(笑)

マン ほんとうにね、ありがたいことです。最終的に84名のエントリーをいただきました。実は、エントリー期限を一日短くしたんですよ。初日から20名を超えるエントリーをいただいて、「あ、これはえらいことになるぞ」と思いました。

セナ でも、それでエントリー出来なかったという方も現れて、本当に申し訳ないなって思いました。思いつきの企画なので、もっと練ればよかった点ではありますね。

マン 本当はブロック分けなんてなくて、一発でレースしようと思っていたんですが、いかんせんエントリーが多くなってしまって、同着ゴールが多くなっちゃうぞ、ということで、断腸の思いでブロック分けさせてもらいました。

セヤ 最終的に8ブロックに分けたのですが、色々な作業が8倍に膨れ上がってしまって、主催側としてはめちゃめちゃ大変になってしまいました。それでも「参加者にわかりやすく」が狙いでしたので頑張りました。

マン それと、今回の一番重要な狙いなんですけれど、ダイアクロンのバトルブンドドって、期間中に写真やお話を更新していくのですが、ものすごくカロリーを使うんですよ。ですので、ハードルが高くなっちゃってるユーザーもいるんじゃないかなと思っていて。

 それは感じることがありますね。自分なんかが参加していいのかな?って。

セヤ まさにその感覚です。参加のハードルを下げたかったわけです。今回のこのレースイベントは、エントリーさえしちゃえば、全てこちらで最後まで把握してやりますので、最悪一回もツイートしなくても勝敗が勝手に出てくるようにしました。参加する側もお気軽じゃないですか?平日とか仕事の時間とか、それぞれツイート出来る時間が違いますから。もっと気軽に参加できるイベントがあってもいいんじゃないかって思って。

マン 一人で遊ぶよりみんなでワイワイしたほうが楽しいと思うんです。時間や創作のスキルがないからと参加しないなんて寂しいじゃないですか。組んだマシンの写真を1枚撮って、20ポイントを自由に振り分け、必殺技名をつけたければつける。それだけでイベントに参加できるって良いんじゃない?と。84台もエントリーしてくれたので大成功だったのではないかなと思っています。(笑)

エントリーマシンについて

 エントリーは多種多様なマシンビジュアルが揃ったようですが?

マン いやー、本当はね。先に述べたミニ四駆的なダイアクロンが大半を占めると考えていたのに、蓋をあけてみれば、ゲテモノ(失礼)マシン大集合でミニ四駆的な正統派はごく少数という(笑)誰かが書いていましたが、まさにチキチキマシン猛レースでしたね。

セヤ 今回、一応ダイアクロンのブンドドイベントという位置づけだったので、レギュレーションとして「ダイアクロン」であることを掲げていたのだけれど、全く無視するユーザーもいて、ちょっと困惑しました。文章読まないなぁ(笑)って。

マン 書き方も悪かったのかな?(笑)って。最終的には改良をお願いして、しっかりダイアクロンメカで落ち着きましたけどね(笑)。

コースについて

 コースはどのように考案されたのでしょうか?

セヤ コースは当初12ターン、36マスを考えていました。それで自分たちでテストランをやってみたんですが、誰もゴールしないという結果になってしまって、それで32マスに落ち着きました。このテストランは、いわゆる通常に数字を割り振ったマシンで行ったので、極振りマシンは想定してなかったんですよね。

画像3

▲使用されたマップ

マン イベントマスは、「進む」を3つと「戻る」を2つを設定しましたが、最初は「戻る」も3つありました。誰もゴールできないもんだから、ひとつ削除しました。配置は適当!(笑)

 最後の戻るマスは凶悪でしたね。

セヤ いやー30マスのワルダロスギガンターはいい仕事をしてくれました。まさにゴール前の壁として立ちはだかってくれて。準備段階から二人の間では「魔の27」になるぞ、と言っていましたし。24マスの3マス進む、で27。30マスの3マス戻る、で27。どうしても27マスに行っちゃうんですよ。スペックを3以上に割り振っている数字が少ないほど、抜けるのは困難なんですよね。実際、27にマシンが団子状態になって、主催としては「してやったり」でした。

マン しかし、毎回27にハマるもんですから、いよいよ文句も出始めて焦ったりもしました。ごめんなさい。

サイコロについて

 サイコロは本当にちゃんと振っていたんですか?

マン 誰もが疑問に思うサイコロの目ですが、これマジでリアルに振っているんですよ。不正一切なし(笑)。リアルタイムで振っていたわけではないんですが、ブロックが8つになったおかげで96回振って、振り直しとか調整とかはしていません。戻るマスにハマっている隊員に申し訳なくて申し訳なくて・・・。

セヤ コースの画像を作りながら「ほんとごめん。マジごめん。」って言いながら作ってましたね・・・。

参加者の管理について

 参加者の動きはすべて把握されていたんですか?

マン もちろん。実はエントリーを締め切ってから、エクセルにスペック数値やサイコロの出目も入力して管理していました。早い段階でサイコロは振り終えていましたので、レース開始前に結果は出ていたんですよね。

 え?すでに勝敗が分かっていた、と?

セヤ そうです。それでもね、レース直前までスペック変更を受け付けちゃったもんだから、その修正が間に合わなくて、前のスペックのままスタートしちゃったマシンがあって、これもミスのひとつです。ごめんなさい。

投稿画像について

 とても凝って編集された画像を投稿されていますよね?

セヤ そうですね。まずは告知画像を作って案内したわけですが、思いの外コレが楽しくってエスカレートしていきました。エントリーしてくださった参加者に向けてエントリーリストと、それぞれのエントリーカードを作成しました。84枚はたいへんでしたが、ものすごく好評で報われた気がしましたね。

 あれ、ものすごくいいですよね。参加している気分にさせるというか。

マン 自分の写真に、スペックまで載っていて、まさにTRPGそのものをやっているようでしょ?おぼろげにダイアクロンという素材を使って、カードゲーム的なことが出来たら面白いとは考えていましたが、まさかレースで実現することになるとは(笑)

 次にすごいなと思ったのが毎回のマップ表示です。

セヤ みんなの現在位置をわかりやすく提示したいと思い作成したのがマップでした。8グループ分作るわけですが、これがものすごく大変でした。サイコロと同じ96枚作るんですから。各参加者の動きはエクセルで管理していたのですが、その文字列をビジュアルで表現しなくちゃならない。慣れないのもあって、間違いが多くあり、参加者にはご迷惑をお掛けしました。それというものお互いのチェック不足が原因だったんですが。

マン なにせ序盤は余裕がなくて、ミスを連発してしまいました。本当はクールにサラッと進めて行きたかったのですがね。でも、参加者の温かい言葉には救われました。ミスしていても「大丈夫、頑張って!」との声援が励みになりました。数件、「アキヤさん、執筆もたいへんでしょうから、イベントはほどほどに」みたいな声も掛けていただきましたが、ちゃんと言っておきますが、我々はアキヤ氏とは全く関係ございませんので、その声援はご本人にお届けください(笑)

画像4

▲使用されたエクセルの進捗表

いざレースをスタートして

 レースがスタートすると、毎日2回定時にツイートするわけですよね?

マン そう。9:00と21:00ですね。御存知の通り、Twitterでは新機能としてツイート予約が出来るようになったんですよ。ああ、これしかないなって。

セヤ グッドタイミングで機能追加されたよね。

 なるほど。事前にツイートを予約投稿していたんですね。

マン あらかじめサイコロ画像とマップ画像は作ってありましたので、それをどんどん予約していきました。平日は仕事がありますので、リアルタイムでは対応できないですからね。うまく機能してくれてよかったです。

セヤ 最初は盛り上がらなかったときのために、我々もブンドド画像あげようかと悩みましたが、それは杞憂に終わりましたね。みんな、すごい熱量でレースを追っかけてくれるようになりました。フラッグを作ってくれる方、応援で屋台を出してくれる方などなど、本当にありがとうございます。実際のレースさながらに盛り上げていただきました。

マン 盛り上げるために、総括ツイートもしましたね。主催として1日の現状を報告する意味合いが強かったと思います。

 トラブルはあったのでしょうか?

マン 先程も言ったとおり、マップの表記ミスの連発ですよ。ちょうど初日の2回目と次の日の3回目で連発しちゃって。土日だったことにかなり救われました。平日だったら対応できてませんね。

セヤ でも序盤のそれぐらいで、大きなミスは無かったのではないかなと思います。あとはちょこちょこツイートに誤字脱字があるのはご愛嬌ということで(笑)

ツイートでのトラブルとは

 そういえば、ツイートのトラブルもあったとか。

マン そうそう。今回は新規アカウントで始めたじゃないですか。作ったばかりのアカウントで、新しいハッシュタグ( #DIA1GP など)を入れてツイートしたわけですけれども、タイムラインに全然出てこない。

 出てこなかった?

セヤ どうやら新規アカウントの投稿は、システムに反映されるのに数日かかるとかで、検索しても出ないってなって焦りましたね。それでもダイアクロンのリアル隊員たちは優しいですからリツイートなんかで広めていただきました。さすがですよね。

マン それと、もうひとつ。エントリーしてくださった方にカードを配布したじゃないですか。そのとき、ひとりひとり、84人分リプライで送っていたんですが、全て同じ文面でやっていたんですよ。すると、アカウント規制(BOT認定)されてしまって(笑)変なダイレクト広告と判断されてしまったんでしょうね。これ、相当焦りましたよ。いつ解除されるの?開催出来るのかって。

レース全体を通じて

 レース全体を通じていかがでしたか?

マン まず想定よりも早くゴールするマシンが現れたことと、ゴール出来なかったマシンが出てしまったことが気になりましたね。我々が仕込んだトラップとはいえ、同じマスに相当ハマっていた方もいらっしゃったので。とは言うものの、事前にマップも公開していますし、そのあたりはスペックを決めるときに予想できるかな?とは思ってはいたんですが、魔の27が意地悪すぎたかなって(苦笑)

セヤ やっぱり、みんなで楽しくワイワイできたことが一番楽しかったですよ。一部ではバトルなんかもやっていたようだし、実況なんかも出ていたので、もう仕掛けた側としてはありがたいというか感無量です。

マン 最後は救済として、幻の13回目としてビッグパワードGVとワルダロスギガンターに強制的にゴールまで運んでいただきました。あははは。悪ふざけが過ぎましたでしょうか?

セヤ しっかりレース後のフォローとしてランキングリザルトも発表しました。これでしっかり締めだよってこともあるけど、やっぱり順位を表記したものって嬉しいじゃないですか。色々なことをやってみて、みんなから「イベント参加して良かった」って言ってもらえたら嬉しいなと思って作ってみました。

画像5

▲使用されたリザルト画像(エキシビジョン)

エキシビションレースについて

 エキシビジョンレースを開催した経緯についてお伺いします。

セヤ レース最終日に、チャンピオンシップも期待していますって投稿を見かけたんですよ。あれ、まだやっていいのかなって。バトルブンドド企画(バルバ・ギザン攻略戦というイベント)があるのも分かっていましたが、この熱量を冷ましたくないのもあって、連続して開催しました。ただし、一回の投稿で2回分のサイコロを表示して時短を図りました。

マン レース自体は、各ブロックで1位のマシンを集めて、エントリーしたときのスペックのままで開催ということにしました。本レースでは、各ブロックでサイコロの目が違いましたから、どのマシンが一番速かったというのは一概に言えなかったので。

 なぜ決勝レースではなく、エキシビジョンレースなのでしょうか?

マン ただ、最初から発表していなかった、ということに尽きます。決勝ありきで臨んでないでしょ、みんな。このレースはおまけなんですよ。だからエキシビジョン。

次回開催は企画されていますか?

 さて、これだけ注目されたDIA-1GRAND PRIXですが、次回開催はあるのでしょうか?

マン 構想はすでにあるんですが・・・。いつ開催するかはよく反省してからやりたいと思っています。ちょうどレース後に発売になったトライランブラーなんてレース向きだと思いますので、それでの参加者が増えればいいなと。

セヤ 今回のレース、企画段階では、3レース戦って獲得ポイントで総合優勝を決めるという、まさにモータースポーツのそれだったんです。でも、初回だし何が起こるかわからないから1レースだけってことで動き出したんですよね。次回は、そのあたりも盛り込んだり、ただ進む戻るだけじゃないギミックが・・・なんてなれば楽しいですよね。

 それは期待してもいいってことですよね。今回はありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?