訪問歯科診療で「苦しい」と言われたらどうしますか?

皆さんは訪問歯科診療で患者さんから「苦しい」とか「息苦しい」と言われたこと、ないでしょうか?

歯科衛生士として皆さんはどうしていますか?

この場で、「どうアクションするか」答えられない方は以下の内容を参考にしていただければと思います。

(ちなみに私の経験上「2ヶ月に1人くらい」は訪問診療において低酸素を疑う患者さんに出くわします)

苦しいと言われたらまず

「パルスオキシメーターによる酸素飽和度、脈拍の測定」と、「呼吸音の聴診」を行いましょう。(本当はもっと細かいところや、大事なこともありますがわかりやすくこの2点を今回は説明します)

まず、パルスオキシメーターによる確認について。普段のその患者さんの「基準値」はどれくらいかによりますが、普段の数値の下限と比べて、ー3%以上低いようであれば早急(2時間以内)にドクターコール(受診)しましょう。普段96パーセント以上の方が、90%未満を示す(基準値より−5パーセント以下)ようであれば救急を呼んでください。パルスオキシメーターで90パーセントを切る場合、「低酸素血症」です。低酸素血症は放置すると体の臓器が酸素欠乏を起こしうまく働かなくなります。そしてこの低酸素を招く疾患は多くあります。「私は歯科だから全身のことは」と言って知らんぷりせずにせめて、「低酸素血症は致命的、ドクターコール」と覚えましょう。それだけでも救える命はあります。

そして、2つ目の呼吸音の聴診について。

低酸素血症になると、その原因によって呼吸音が変化します。詳細はご自身で勉強していただければと思いますが、聴診が少しできるだけで、ぐぐっと患者さんの状態のイメージが掴めてきます。ぜひ、聴診器を購入して、勉強してください。

まとめ

「苦しい」には理由があります。「うつ」を代表とした心因性のものでないなら、「なぜ?」苦しいのか。「どれくらい?」苦しいのか。「やばい」苦しさなのか。をアセスメント(評価)しましょう。 病的な低酸素血症は自然によくなることはありません。




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