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日曜日の駄弁9週目

先日、神戸阪急で古本のイベントをやってました。
神戸阪急古書ノ市とかなんとかいう。

手前味噌ですけど、なかなかいい古本イベントだったんじゃないでしょうか。
手前味噌っていうのは、自分も出店者として参加していたからなんですけど。
(寸心堂って古本屋なんです。お見知りおきください。)

ワールドエンズガーデンさんのところに、ちょい古めの外国文学の翻訳がいっぱい並んでたんですよね。
最近、いまさらながらにヌーヴォー・ロマンに関心が集中してたりするので、欲しい本がいっぱいあったんでした。
だけど、自分自身も出店者なので、お客さんに先駆けて他のお店の本を買い漁るというわけにもいかないんです。
お客さま優先ですから。
そうしたら、案の定、欲しかった本がいくつか売れてしまってました。

でも、いま一番関心があるビュトール関係の本は、売れずに残っていたので買わせて頂きました。
『仔猿のような芸術家の肖像』と『ビュトールとの対話』と『段階』と『ミラノ通り』を。
あと、ハニカムブックスさんのところにあった清水徹『読書のユートピア』なんかも。
清水徹さんは、ビュトールの小説を二つ翻訳している人なんです。それで。

本当は他に、サロートなんかも欲しかったです。
『見知らぬ男の肖像』はとくに。
この本の序文をサルトルが書いていて、サロートやその頃の小説の傾向についてアンチ・ロマンだと言っている有名なやつなんです。ヌーヴォー・ロマン史なんかを読むと必ず言及されるやつ。

はじめてこの序文そのものを(立ち読みで)読んだんですけど、ナボコフの名前も出てきて、「わぁ」ってなりました。そうだったのか、と。
この時点(1948年)でナボコフもアンチ・ロマン的な小説を書く人だということが、フランスでも知られていたんだなぁと。

ビュトール関係以外では、ドゥルーズの入門書とか概説書の類いをあった分はあらかた買いました。
なんかね。哲学、現代思想関係の解説本みたいなのが、やたらとあったんです。今回。

他に、レヴィナスのブランショ本と、西脇順三郎の評伝なんかを買いました。

いっぱい欲しい本があったので、いい古本イベントだったなぁっていう、自分勝手な感想でした。
おしまい。

8月に入ると、梅田の阪神百貨店で古本イベントあります!
こちらにも、寸心堂出店してますので、よろしくお願いします。
8月3日(水)から8月8日(月)までです。

今週の一節。

創作者と享受者。――すべて享受者は、樹にとって肝腎なのは果実であったのだ、と考える。ところが、肝腎だったのは種子である。――この点に、すべての創作者と享受者のあいだの相違が存在する。

ニーチェ

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