見出し画像

魂は「あるんです。」 タツコン超 参加中(エントリーNo.58)

愛知でおこなわれているアートコンペに出展しています。

【タツコン超】2023/12/9-23(会期中無休)ギャラリー龍屋(愛知県尾張旭市)

200名の作家による200作が並ぶアートコンペ「タツコン超」。
作品の売上と投票により番付順位が決まります。
ただいま全作品展示&投票受付をおこなっています。(上リンクから)
投票は作家(作品)4件必ずお書きください。
通販および遠隔投票は12/22(金)18時までです。

わたくし、よりきりは、龍屋さんのアートコンペへの参加は昨年9月の「オトナノタツコン」以来、暮れの元気なメインの「タツコン」への参加はこれが最初で最後となります。

作品
「あるんです。」直径270mm(250mm+髷)
石粉粘土、アクリル絵の具、キャンバス

「あるんです。」2023

ちょんまげを結ったおすもうさんが髪を乱して稽古に励んでおります。
この作品を描いたきっかけは、ことし見ていたある本場所にありました。

おすもうさんの序列は番付に記されます。たとえばコンペの順位は200人が出ていたとして、1位から200位まで顕になることはありませんが(3桁におるのかなあと思いつつ自分はたゆたっております)、番付には一番下の序列まで細やかに記されます。勝ちが多ければ上がりますし、負けが多かったり場所に出られなかったりしたら下がります。
いろいろな事情で、かつての番付よりも下の位置ですもうを取ることがあります。その相撲の中で、力が入らず敗れたおすもうさんに対し、「やる気あるのか」「覇気がない」というようなことばを、わりとリアルタイムで聞くようなことがありました。それは、見る者がどう捉えたらよいのだろうか、という難しい局面でもありました。

ちょうどタツコン超のテーマが「魂」と発表された頃、その魂をどこに寄せれば良いのだろうかと考えたときに、シンプルに、「気持ちを表情にあらわし、勝負が決まったあとも残っている」とされた同じおすもうさんの表情に、しっかり乗せて描いてみようと思ったのでした。

ことしの3月頃から、半立体での作品づくりに取り組んでいて、今回はそれで描くことにしました。取り組みやすいサイズでもありました。まず、描くための土台をかため、そこへ色や動きをつけていく。土台や塗りが乾くのを待つ時間は少なからずあり、手を動かす時間以上に、作品と向き合う時間の方が長かったような印象があります。制作の主な時期にちょうど九州場所が開催されており、その内容に一喜一憂しながらの制作でもありました。

絵の中にいるおすもうさんの中にも、そのおすもうさんの稽古をともにする方々の中にも、その部屋で受け継がれているものごとひとつひとつの中にも(食べものの味ももちろん)、髷を結う床山さんの技術にも、髷に遣われる元結(髪を結ぶこよりのようなもの)や櫛や鬢付け油にも、着物を着て内外で品格を求められつつ同じ空間で生活していることにも……
そしてそれを見る、描く側にも、魂は「あるんです。」と。
だんだん深く、迫力を出しつつ、表現を続けていけたらと思っています。

わたくし、ギャラリー龍屋さんでのアートコンペは、殆どの場合、年齢制限があってでられません。投票(主に遠隔)はしているのですが、其の際には必ずアンケートで「作家として参加したい」に○をつけています。(マルゼンスキーではないので、大外からでも出たいと言ったとて存在感はないかもしれませんが…)
今回は其の種の制限がなく、参加できたことにとても感謝しております。あらゆることを吸収し、これからの活動への道筋をつけていける機会にしたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?