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トピックス 2020年6月1日 食品衛生法一部改正

2020年6月1日に施行され、2021年5月末日の猶予期間を終えた際には、全ての食品事業者でH A C C P法制化のルールに従い営業を行う必要があります。
今回の食品衛生法一部改正の中で最もインパクトが大きいものが、全ての食品事業者に対するH A C C Pの法制化があります。

H A C C Pは、多くの国で既に採用されている、食品衛生管理システムです。
今回、日本が採用している規格は、コーデックス委員会(世界保健機関W H Oと国際連合食糧農業機関F A Oが結成する)が定めるC O D E X H A C C Pに沿ったH A C C Pになります。

12手順(7原則)をでこの食品衛生管理システムが成り立ちます。

厚生労働省のリンク
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/haccoleafletb_24.pdf

私が現場でいつもお伝えすることは、まず第一に既にみなさんが取り組んでおられる食品衛生管理は“正しい”ということです。
しかしながら、これまで食品衛生管理のシステムに落とし込んだ取り組みをしてこなかった(法制化でもなかったから必要がなかった)ということです。
基本的に、上記のリンクからご覧いただけますように、システムに合わせて、実際に行なっている“工程”を見える化するのがH A C C Pと言っても過言ではありません。

H A C C Pは、即ち食品を提供する人たちが、自分達の食品衛生の管理が正しいことが証明できるツールなのです。特に飲食店舗などでは、12手順(7原則)を一旦考慮した上で、これに沿って弾力的な運用を行なっていい、と定められています。

弾力的とは、様々ありますが、例えば
1) そのまま加熱せず提供する食品
2) 加熱して提供する食品
3) 加熱後に保管して加熱せず提供する食品
4) 加熱後に保管して再加熱して提供する食品
5) 完成品(購入品)を提供する食品
などのグループ分けをして、そのグループに属する商品は一括りに考えることで、簡素化した管理が可能になります。また、弾力的な運用の中には、複雑で混乱を起こす記録活動を日報程度に簡易化して、業務をスムーズに運用することも含まれます。

C O D E X H A C C Pでは、細かい縛りはなく、手順と原則を遵守していれば、それがH A C C Pであるとされています。
基礎をしっかり理解していただければ、簡単である他に、工程管理を見直すことで、これまでの無駄や無理の検証もでき、効率化が図れるスムーズな業務マニュアルとなります。

世界各国では、既に多くの先進国でH A C C Pの義務化をしていますが、その大きな理由は、自分たちの製造・生産する食品が、安全である“証明”を主張する手段として、国際的な規格を早い段階から採用しているからです。
慎ましく真面目な日本人の姿勢は美しくはありますが、食品衛生の世界では、“証明”を求められこれを避けて通れない時代になってきた、という背景が大きく影響して日本もやっとH A C C P法制化に踏み切ったのです。

既に施行されたH A C C Pの法制化に関しても、みなさんがどのように取り組めばいいのか、どのような取り組み事例があるのか、なども今後ご紹介していきます。

記事ご協力 大西 周 先生
一般社団法人日本フードラボ&トレーニング協会 理事
一般社団法人日本HACCPトレーニングセンター 理事
シュウコンサルティング&ワークス


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