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テイクアウトとデリバリーを始めるときに知っておきたいこと~衛生管理編

梅雨時期になり更に気になるのが食中毒です。
注意点は、
1)調理したものは、冷ましてからパック詰する
充分に加熱されたものは安全に食べることができますが、そのまま放置してしまうと最短2時間で食中毒菌が増加して食中毒になる心配があります。
それを防ぐためには、より早く冷却することで、食中毒菌が活性化する20〜60℃を一気に通過させ冷却することが、食中毒を防ぐためにとても有効な方法です。
煮物は緩慢冷却することで味が染み込む、かもしれませんが、食中毒菌には絶好の環境になってしまいます。もししっかり味を染み込ませたいなら保温鍋などのご活用をおすすめします。

2)もしくは、熱いままでパック詰して、熱いうちに食べてもらう
いうまでもなく、熱いままで早急に喫食してもらえば店舗で食べてもらっているのと変わりありませんね。

3)調理作業する際に調理する人と、調理する環境の洗浄と殺菌を十分に行う(特に食品接触面)
やはり、即時喫食(店舗ですぐ食べる)と、テイクアウト・デリバリーは別物です。食中毒菌が増殖するチャンスがたくさんありますので、まずは食材に菌を付けないことを充分に注意してください。

4)今までお店で提供していたもの=“安全”ではないことを十分に考慮する
お店でこれまで長年にわたり食べてもらって何の問題もなかったものは、お店で管理が行き届き、すぐに召し上がっていただいていたためです。
提供形態が変化すると、危険の可能性が多分にあることを意識してみてください。

5)どのような温度で、どのくらいの時間経ってから、どのように喫食するかをシミレーションする
安全性や品質が、どのように変化するかを、実際に作ってお客様の手に渡り、その後どのようにして移動・保管を経て喫食に至るかを、実際にやってみて食べてみてください。
お店で提供しているものと、同じようにいくものとそうでないものがあることが見えてくるはずです。


6)通常の調理では、滅菌はできておらず、食べても大丈夫なだけ菌数が減少しているだけの状況なので、すぐに食べない場合は菌が増えることを考慮する。
菌は目に見えないのが厄介です。無味無臭の菌もたくさんあります。すぐに食べるという、低リスクの店舗提供と、テイクアウトやデリバリーの違いを理解する上で、一度料理の菌検査を行うことも科学的にリスクを考える上で有効な手段です。
外部機関などで一般生菌数などの検査ですと1〜2千円ほどで検査を受けることができます。

7)生の調理物に関しても十分な保冷などを配慮する(できなければテイクアウトやデリバリーはしない)
長年培ってきた寿司のデリバリー業者さんでも、夏場に上限気温を設けて、デリバリー営業を自粛するなどの措置を取っている懸命な事業者さんもおられるほど、なまものはリスクが高い食品であることは言うまでもありません。
充分なリスク分析を行った上でない限りテイクアウトやデリバリーをすることはおすすめしません。

8)異物が混入する根っこを潰す。特に厨房内には余計なものを置かない。撤去する。
問題の根っこがあるから、問題が起こるのです。
厨房内に、不要なものや異物混入につながるものを持ち込むことを食い止めるために、認められたもの以外を厨房内に持ち込むことは禁止しましょう。
また、どうしても欠損などをしてしまう危険性のあるもの(例えば包丁のこぼれ刃)のリスクがある場合は適正な管理を行います。
包丁の場合は、使用前や作業中・作業終了時に刃のこぼれがないか、目視確認を行い、包丁の管理を行います。そうすることで、異物混入を未然に防ぐことができます。
厨房に、欠けた刃の包丁や、破損した機器や器具はありませんか?管理ができないものは、厨房にあってはいけないということです。
是非一度確認してみてください。


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