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中日ドラゴンズ2022ドラフト予想

1.今シーズンの中日ドラゴンズ

 今シーズンの中日ドラゴンズは生え抜きのスーパースターである立浪和義氏が監督に就任し、10年ぶりのクライマックスシリーズ進出・11年ぶりのリーグ優勝を目指したシーズンでした。オープン戦から高卒3年目の岡林勇希選手や石川昂弥選手、2年目の髙橋宏斗投手など若手を積極的に起用しており、昨年とは違うぞという気概をみせていました。しかし開幕前に主力の高橋周平選手が離脱し開幕に間に合わず、期待の若手である岡林選手はオープン戦終盤に試合中に指の靭帯を痛めるなど怪我人が続出(岡林選手は開幕から強行出場しその後レギュラーに定着)し、苦難の船出となりました。その後も開幕早々ソフトバンクに移籍した又吉克樹投手の代わりに人的保証でドラゴンズに来た岩嵜翔投手が怪我で離脱すると、4月末に大島洋平選手が死球で離脱、GW明けには新型コロナウイルス陽性で主力が大量離脱し、交流戦では期待の大砲・石川昂弥選手が試合中の走塁で右足の靭帯を痛めて今シーズン絶望と、昨年には無かった主力選手の続々の離脱が響き交流戦が終わる頃には最下位に沈み、結局浮上するきっかけが掴めないままセ・リーグ最下位でシーズンを終えました。
 それでも3年目の岡林選手は開幕前の怪我が完治しない中レギュラーを掴むと、7月以降は打撃面で改善が見られ成績が急上昇すると後半戦は1番に定着し安打を積み重ね、最終的にはDeNAの佐野恵太選手と並び161安打を放ちセ・リーグの最多安打に輝きました。またプロ入り後から始めた外野守備にも大いなる成長が見られ、俊足を生かした守備範囲はリーグ屈指のものとなり、セ・リーグ右翼手部門ではリーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを数値化したUZRで26.7という驚異的な数値を叩きだし、他を寄せ付けない圧倒的な数値を残しました。2年目の髙橋宏斗投手は開幕からローテーションに入ると初勝利を含み4月で2勝と上々のスタートを切りました。序盤は中10日の間隔を空けながらの先発登板となり、制球力が発展途上だったこともあり5イニング100球で降板する試合も多く、また援護点が少なく勝ち星を中々伸ばせず前半戦は4月の2勝止まりでした。しかし後半戦開幕投手に指名されると、その試合で8回途中までノーヒットノーランを継続する好投で3勝目を挙げると、そこから本領発揮をします。後半戦はほとんどの試合で6回以上を投げ奪三振も10近く奪うなど明らかに前半戦とは違う姿を見せ、後半は4勝防御率1点台をマークします。そして規定投球回を投げていないにも関わらず134奪三振を記録し、奪三振率10.35はセ・リーグ規定投球回到達者の誰よりも高い数値でした。そしてもう1人、2年目の土田龍空選手も忘れてはいけません。近年のレギュラーである選手会長の京田陽太選手が開幕から不振に苦しみ、GWには試合中に強制帰還させられるなど例年以上に精彩を欠いており前半戦は遊撃手の固定にチームも悩みました。しかし後半戦から土田選手を抜擢すると土田選手の持ち味である華麗な守備とシュアな打撃、そして若さあるガッツあるプレーでチームを鼓舞するなどチームに大きな影響を与えて一気にレギュラー獲得に繋がりました。そして1番のホットな話題であったのは4年目の根尾昂選手の投手転向です。シーズン中の野手→投手の転向はほぼ前例が無く、賛否両論が飛び交う中根尾投手はそのポテンシャルを生かしていきなり150キロ超えを連発するなど早速投手として順応します。シーズン最終戦には来季を見据えてプロ初先発をし、3イニングを無失点に抑えました。現在行われているフェニックス・リーグでも先発で結果を残しており、上記の3選手に加え根尾投手の活躍にも来季期待されています。
 その一方で球団のレジェンドである45歳の福留孝介選手が引退し、長年球団のスター選手としてチームを引っ張ってきた平田良介選手が来季構想外となり退団。また今季主に左翼で出場しホームランや殊勲打でチームを引っ張ってきたアリエル・マルティネス選手の退団に加え、育成選手として再契約する選手も含めて10人超の戦力外通告を行い支配下選手はドラフト会議前日で57人とかなり枠が空いてる状況となっています。この状況のストーブリーグ突入は来季に向けて大型の補強の機運が高まっており、その第1弾となるドラフト会議は非常に重要な戦力補強となります。

2.戦力分析


表1 2022年選手分布表

 赤字となっているのが今シーズン限りで引退・退団が決まっている選手、青字は戦力外となり来季は育成選手契約に行こうする選手となっています。ベテランの福留選手や平田選手から中堅の選手、助っ人外国人と幅広く退団する選手がおり、全体的にバランス良く補強する必要があると考えます。
 まず投手陣。左のエースの大野雄大投手や右のエース柳裕也投手、今シーズン初の2桁勝利を挙げた小笠原慎之介投手や2年目で飛躍の髙橋宏斗投手を軸に先発投手陣は非常に良く頑張りました。5番手の松葉貴大投手も貴重な存在であり、チームが苦しい時に救ってくれた中堅選手も今オフFA権取得でCランクという価値もありFA宣言する可能性が出ています。そして今シーズン苦しめられたのは6番手投手でした。開幕当初は勝野昌慶投手が頑張っていたものの勝ち星に恵まれず4月末に故障で離脱、昨季の開幕投手の福谷浩司投手はここ2年とは違い打ち込まれるシーンが目立ち1勝に終わり、先発転向した岡田俊哉投手や鈴木博志投手、ファームでは好成績を残している岡野祐一郎投手も精彩を欠いており、最後の最後まで6番手を支える投手は現れませんでした。根尾投手の来季先発転向構想が出てるものの投手本格転向2年目ということもあり、来季の戦力としては不透明。今シーズン中に支配下登録を勝ち取った上田洸太朗投手や来季の活躍が期待される福島章大投手の支配下復帰の期待もあり投手の頭数はいるものの、確固たる6番手固定のためにも先発完投型の即戦力投手の補強は必須かと思われます。また6年目の藤嶋健人投手の先発転向も噂されており、今季ブレークした清水達也投手・最優秀中継ぎのY・ロドリゲス投手・セーブ王のR.マルティネス投手に負担を掛けないためにもリリーフ陣を厚くするのも来季への課題です。ドラフトで投手は2~3人は確保の必要があると考えられ、先発で1枚・リリーフで1枚は最低でも必要と思われます。また左右のバランスも現状取れているものの、20代前半の左腕投手は支配下では上田投手のみという現状もあるので1枚は左腕の指名が好まれます。
 そして野手陣。立浪氏が監督就任時に「打つ方はなんとかする」と公言し、打撃コーチに2度の本塁打王に輝いた球団OBの中村紀洋氏を打撃コーチとして招集し秋季キャンプから精力的に指導。ドラフトでは上武大学のブライト健太選手、駒澤大学の鵜飼航丞選手を上位で獲得するなど前年リーグワーストだった打撃陣のテコ入れを図りましたが、シーズンが始まると主力や期待の若手を中心に故障者が続出するなどベストメンバーが揃わず、シーズン途中に1軍の中村紀コーチと2軍の波留敏夫コーチの両打撃コーチを入れ替えるもその効果は無く、球団ワーストの26度の完封負けを喫し今年もリーグワーストの打撃陣となってしまいました。特に酷い指標はここ数年定位置化しているチーム本塁打数リーグワースト62本はあまりにも少なすぎる。バンテリンドームを本拠地にしており、パークファクターの面からも不利な部分はあるもののそれにしても少ないと思われます。東京ヤクルトの村上宗隆選手の本塁打が56本に対しドラゴンズの合計本塁打が62本とわずか6本差の屈辱なのをもう少しチーム内でどうか共有していただきたい。チームトップが助っ人外国人のD.ビシエドの13本なのも寂しい限りである。チームの日本人は誰一人2桁本塁打を記録しておらず、特に左打者は開幕から不振を極めていた京田陽太選手の3本なのもちょっと異常ではあります。この部分をFAで埋めるのか、助っ人外国人で埋めるのか、それともドラフトで埋めるのか、非常に注目すべき点であります。また昨年はドラフトで大学生外野手を3人、それも全員右打者という非常にアンバランスな指名をしたことや、ここ数年で左打ちの外野手が尽く退団していることもあり、注目すべきは左打者の補強だと思われます。
 以上を踏まえた上でドラゴンズの指名選手予想を行います。

3.指名選手予想



表2 中日ドラゴンズ指名予想

 今月に入ってから戦力分布の見直し、ドラフト候補のチェックを繰り返し市場の確認をする中でドラゴンズが1位で指名するべきは即戦力投手という結論を導き出しました。そして立浪監督がシーズン終了後積極的にアマチュア野球の現場に顔を出し、マスコミにドラフト情報を大量に流してある種のプロパガンダ作戦を行っていたため、最後の最後まで指名予想が難しい年となりました。私の中では立浪監督の出す情報は全てブラフであり、名前の挙がらない有力選手が1位なんじゃないかという見立てをしていたので、私は立教大学の荘司康誠投手がドラゴンズの1位だと思っていました。荘司投手は3年生までは怪我等もありリーグ戦での登板機会が少なかったものの、4年生の春に覚醒し一気に世代No.1投手に登り詰めた投手です。大学JAPANにも選ばれた選手でこの1年での成長率が凄まじいと聞いていましたが、実際見たことあったのはネットの動画のみでしたので世代No.1の実力がとても気になり先日六大学野球を観戦して荘司投手を実際ネット裏から見ていました。ドラフト1位候補の蛭間拓哉選手が4番に座る強力な早稲田打線を6回まで1安打の投球は素晴らしいに一言でした。同点の7回には自身のホームランで一時勝ち越すなど投打に及ぶ活躍で、1試合だけでしたがドラフト1位選手として相応しいスター性を兼ね備えていました。コンスタントにストライクが取れる投球スタイルでゲームメイク能力が高く、常時140後半を記録し決め球の際に放つ150キロ超えのストレートは長身から投げ下ろす角度があり非常に質が高く、スプリットのキレも良く奪三振も取れる投手なのでマウンド傾斜が高くパークファクター的にピッチャーズパークと呼ばれるバンテリンドームを本拠地とするドラゴンズなら1年目から活躍が期待出来る投手だと思いました。何よりマウンド上での立ち振る舞いがかっこよくドラゴンズファンとして荘司投手にドラゴンズのユニフォームの袖を通して欲しい気持ちが強く、私はこの1週間1位予想に荘司投手を予想していました。しかし前日となり東北楽天が荘司投手を1位指名公言を発表すると、19日にドラゴンズのスカウト会議が行われ1位指名を沖縄大学の仲地礼亜投手で行くことを表明しました。この時点でドラゴンズに荘司投手が来ることは無くなってしまいましたので、私の予想は1位から外れてしましました。荘司投手に惚れ込んでいたので少し残念な気持ちはありますが、ドラゴンズが1位指名公言をして沖縄大学の仲地投手には少し興味を持っていました。指名されれば沖縄県内の大学から初の指名となる仲地投手は大学選手権で注目を浴びる存在となり、ドラフトが近くなるにつれて彼の登板試合に各球団のスカウトが集結するほど注目度も高く、最初は隠し玉的存在だったのがいつの間にか上位指名候補となりました。スペックとしては150キロのストレートにゲームメイク能力の高い先発向けの投手であり、動画を少し見た程度ではありますが東北楽天の則本昂大投手のようになる可能性を秘めた投手に思えました。ドラゴンズの課題の1つにローテの6枚目の固定があり、来年仲地投手が割って入る可能性は大いにあると考えられます。また10月初頭のリーグ戦に落合英二ヘッドコーチと大塚晶則投手コーチの1軍首脳2人で仲地投手を視察しており、現場サイドからもGOが出たことで1位指名に踏み切ったということもあり、とても期待が持てます。現在9球団が1位指名を公言しており、ここまで被りも無いため残り3球団の動向次第ですが恐らく単独指名が濃厚となります。しかしドラフト当日まで何があるかは分かりませんので、一応外れ1位指名候補もここでは検討してみます。現在日本ハムが日本体育大学の矢澤宏太投手、東北楽天が立教大学の荘司投手、埼玉西武が早稲田大学の蛭間選手、福岡ソフトバンクが愛知・誉高校のイヒネ・イツア選手、オリックスが白鴎大学の曽谷龍平投手、中日が沖縄大学の仲地投手、広島が苫小牧中央高校の斉藤優汰投手、巨人が高松商業高校の浅野翔吾選手、東京ヤクルトが東芝と吉村貢司郎投手を公言しており、仲地投手が抽選で外れた場合上記の選手は指名出来ません。そこで外れ1位として名前が挙がりそうなのは富士大学の金村尚真投手だと思われます。3年春にリーグ戦で完全試合を達成してその名が全国に知れ渡ると、コンスタントに投げ続けてリーグ戦通算防御率0点台を記録している東北の剛腕です。コントロールが良く変化球もキレがあり、奪三振も多い非常に優秀な投手です。大学生相手に指標の高い数値を残しておりネットでは指標最強投手と呼ばれていますが、過去に青山学院大学の高市俊投手が東都1部で無双後プロ入りするもプロの壁にぶち当たる例があったので、ドラフト候補としてこれといった特徴が余り無く「勝てる投手」「指標の高い投手」という肩書きが先行している投手の評価がとても難しいと考えています。それでもプロ側は金村投手を高く評価しており、外れ1位で獲得に走る球団はあるかと思われます。
 2位では内野手の獲得を仄めかしてるドラゴンズですが、報道先行では天理大学の友杉篤輝選手の情報が多いような気がします。しかし1位指名の時といいこれはブラフだと考えます。よく思い返してみるとドラゴンズのドラフト情報で1番最初に上位候補で名前が挙がったのは日本航空石川高校の内藤鵬選手でした。上記にも書いたようにドラゴンズ打撃陣は致命的な長打力不足という背景もあり、長打力のある選手の獲得は待望といえます。しかし昨年のドラフトで獲得した鵜飼選手は確実性はまだ荒削りながら期待以上の長打力を発揮しており、前十字靭帯損傷から復帰を目指している石川選手もいるので、同じような内藤選手を獲得するのはナンセンスではないかと考える人もいると思います。しかし長打力を売りにするスラッガータイプの選手は毎年ポンポン出てくるとは限らず、内藤選手自身中学まで愛知で過ごしている背景もありウェーバー14番目となるタイミングで内藤選手が獲得出来るのであれば是非獲得に動いて欲しいと思います。また来季で来日8年目の助っ人・D.ビシエド選手はコンスタントに数字は残すものの長打力の面では年々減少傾向の数字が出ており、来季35歳となるビシエド選手も先が長いとは言えないため内藤選手と石川選手で一三塁を任せる将来的なプランも組めるのでポジション問題は解決出来ます。現時点では予定が無いものの将来的にはホームランテラスを設置する可能性もあります。その日が来ることを信じて今からスラッガーを獲得することに障壁はないかと考えます。
 3位には地元・トヨタ自動車の長谷部銀次投手の指名を進言します。中京大中京高校時代から評判高い投手で慶應義塾大学時代にも現ヤクルトの木澤尚文投手と共にチームを牽引した投手で4年生時にプロ志望届を提出していれば指名された投手だと思います。丁度2年前はコロナ直撃の年ということもあり、各選手進路については慎重に検討をしていたこともあり長谷部投手のように有力ながらも社会人野球に進む選手は少なからずいたと思います。そんな長谷部投手も2年経ち今年が解禁年となり、本人のプロ志望も高いと聞いています。トヨタ自動車には同じく解禁年の吉野光樹投手を軸に先発投手が豊富なため、長谷部投手は主にリリーフでの登板が多いものの都市対抗などの大きな大会でもしっかり実績を残している長谷部投手にリリーフ左腕を欲している球団は獲得に動くと思われます。その中でもドラゴンズはその有力候補の最右翼に位置付けされていると思い、特に今年は福敬登投手以外の左腕リリーバーが1軍に居なかった背景もあり即戦力左腕リリーバーはどうしても補強したいピースであり、タイトルホルダーのロドリゲスR.マルティネスの両投手で外国人枠を2枠使っているため助っ人外国人で左腕リリーバーを供給する訳にはいかないため、どうしても日本人が欲しいと思われます。そうなると今年の市場では長谷部投手が適任ではないかと考えます。
 4位では明治大学の村松開人選手を進言します。この村松選手は立浪監督からの評価が高いのかドラフト会議が近づくにつれて日に日に報道の数が多くなっている気がします。村松選手は静岡高校の下級生時代から有名な選手であり、明治大学に進学後も頭角を現していました。しかし主将となった4年春で故障し春のリーグ戦を棒に振ってしまったため、ドラフト解禁年にややアピール不足なのかなと思っていましたが、秋はかなりハイペースでヒットを打っており最後の最後に良いアピールをしていると思います。俊足・好打で二塁打・三塁打の多い選手で守備も二遊間を両方守れる選手ですが、明治大学には2年生に宗山塁選手という2年後のドラフト1位候補のショートストップがいるため現在はセカンドを守っており、それがドラゴンズ的にはいい感じフィットしているのではないかと思われます。ショートには2年目の土田選手が出てきたこともあり向こう5年以上安泰なのに対しセカンドは来季恐らく阿部寿樹選手が戻ると考えられますが、阿部選手も来季は34歳のシーズンとなり先も長くないためここでセカンドを補強するのはグッドタイミングではないかと思われます。
 5位にはJR西日本の石黒佑弥投手を進言します。ドラゴンズの5位というのは近年地元枠として機能しており、16年の藤嶋投手(東邦高校)や19年の岡林選手(三重・菰野高校)などこの5位から大成した選手も多くいます。その中で今年の地元枠は石黒投手ではないかと考えています。石黒投手は愛知の星城高校出身で3年夏にはセンバツ優勝投手の石川昂弥選手や高校日本代表の熊田任洋選手(現・早稲田大3年)を擁する東邦高校と2回戦で当たり、コールド勝ちで大金星を挙げた時のエースであり、その頃から愛知県内では評判高い投手でした。レベルの高い社会人野球に進んでも頭角を現しており、解禁年となる今年の指名も大いにあると考えられます。スペックとしてはストレートは150キロに届かないためもう少しスピードが欲しい所ではありましたが、今年1年で伸びて今では151キロを計測する投手となり、ドラフト戦線に名を連ねる投手になりました。また、相手に立ち向かう気合いのある姿勢は戦う顔をしており、闘将の血を引き継ぐ立浪監督も好みだと思われる投手に成長すると思います。高卒社会人特有の若さを生かして即戦力と育成の両面でいい感じに育って欲しいです。
 6位には九州国際大付属高校の黒田義信選手を進言します。黒田選手に関しては昨年の神宮大会、今年春のセンバツと夏の選手権の計3度現地で見ており、何といっても魅力は超が付くレベルの俊足であり今年見てきた高校生では1番早いんじゃないかと思いました。特にセンバツ初戦のクラーク国際高校戦では延長10回のサヨナラ勝ちのホームを踏んでいるのですが、打者の佐倉侠志朗選手(現2年)のフライは少し浅めでレフトの返球も悪くなかったのですが、それでもホームに生還出来るのは黒田選手の俊足ありでのサヨナラだったのかなと思います。センバツ出場選手であのフライで犠飛になるのは恐らく黒田選手だけなのかなと思うレベルでした。そして全国大会では日の目を浴びることは無かったものの長打力も兼ね備えてる選手であり、その点で高校日本代表に選ばれたのかなと思われます。ドラゴンズは左打ちの外野手の絶対数が少なく、大島選手も来季38歳ということもあり岡林選手の台頭に慢心することなく次の世代の選手も獲得すべきなのかなと思います。
 例年なら6人で指名を終えるドラゴンズですが、今年は戦力外等で支配下枠が大きく空くためドラフトでは久しぶりに7人の指名があるのではないかと考えます。その中でも捕手の絶対数が少ないことを少し気にしています。今シーズン開幕時には7人の捕手登録があったものの山下斐紹選手は戦力外となり、アリエル・マルティネス選手は退団と2選手が去り郡司裕也選手は今シーズンより本格的に外野手に挑戦し、ファームでもマスクを被る回数はほぼありません。そうなると実質捕手は5人、正捕手木下拓哉選手に4年目のホープ石橋康太選手が来季も1軍マスクを被ることが予想されます。ファームでは来季2年目の味谷大誠選手が実践を積み、実質コーチ兼務のような大野奨太選手がバックアップで控えており、残すは少し故障がちな桂依央利選手の5人となります。1軍2人に2軍3人の構図に見えますが実際桂選手が怪我してしまった場合大野選手が1軍合流したらファームは味谷選手しか捕手がいない状況となります。かと言って1軍捕手2枚体制は近代野球においては厳しい職場環境であると言えます。ほぼほぼマスクを被らない郡司選手にスクランブル用で捕手のストックをして計算していると考えているのであれば郡司選手に失礼ですし、来季勝負を賭ける郡司選手に余計なことを考えさせないためにも来季は外野一本で勝負して欲しいです。そうなると捕手の補強は急務、それも高校生というよりは即戦力に近い大学生の方に魅力を感じます。しかしこの順位で名城大学の野口泰司選手や桐蔭横浜大学の吉田賢吾選手が残っているとは考えづらいです。そこで私が進言するのは近畿大学工学部の石伊雄太選手です。中央球界ではあまり名が通ってはいないですが、ディフェンス面での期待値が高く、特に肩は非常に魅力的です。正捕手の木下拓選手、打撃の思い切りがいい石橋選手と組み合わせるのに守備型捕手の石伊選手はとてもアジャストすると思われます。即戦力として考えるなら石伊選手が理想的です。

4.まとめ

 今年のドラゴンズは育成よりも勝利を求める人選でのドラフト会議になると思います。立浪監督も2年目の来季は勝負を賭ける年であり、1年掛けて戦力を見極めを行い選手の入れ替えも激しいためドラフトでもあっと驚く指名があると思います。今回私なりの指名選手を予想してみましたが、この中で1位の仲地投手以外全く当たる自信がありません。それもドラフトの醍醐味だと思います。明日のドラフト会議、ドラゴンズファンとして非常に楽しみにしています。


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