見出し画像

ラーメン一杯4000円

高い! 又、値上げしたのか。
もうこの店しばらく行けないな、いや、
そんな金額払ってここで食べる意味あるのか?
自分が好きだった、ラーメン屋のサイトを見てあぜんとした。

画像1




ラーメンの値段が、一杯25ドルになっている
それが最終的に払う金額ではない。
ここカリフォルニア州の消費税が8%、それに加えて、飲食などのサービス業に対しては、
チップも払わなくてはいけない。日本でいうところのサービスチャージか?

最低でも、15%から20%ぐらいが相場なので、全部足し合わせると、32ドルほどになってしまう。
日本円に換算したら4000円を超える。
この店の特に気に入っていたが
ラーメン一杯に、4000円はちょっと考えてしまう。

この数年の間に、サンフランシスコ周辺では、ラーメンという食べ物は、気軽に食べにいくような物ではなくなってきたと思う。

値上げ以前から、この店は他のラーメン店よりも割高だったのだが
(19$だった)、それには理由があった。

ラーメン屋、RAMEN SHOP は共同経営で、
そのうちの一人、JJ(ジェイジェイ)は北海道で英語教師をしていた。
なぜか、滞在期間の最後の一年は、札幌のラーメン屋で、ラーメンの修行をしたそうだ。

他の二人も、地元のカリフォルニア料理の
有名店、Che panisseで数年の修行経験がある。




このラーメン店、合成調味料を使用しない。
麺も有機小麦を使って、店で作る。
そのほかの食材も、かなり良いものを使用しているので、全てオーガニックだったので、
この辺りの、一般のラーメン店に比べて原価率が前から高かった。

それがラーメンの値段に反映されてしまう。
ここまでいろいろ、良い食材を使い、それに美味かった。
この値段でも、まあいいか。
最後に行った、去年の八月まではそう思っていた。

年が2022年にかわり、アメリカは40年ぶりの、異常なインフレの影響で、ほぼ全ての物が、すごい勢いで値上がりをはじめ、結果として、飲食業界では過去に無かったような、ペースで、食材の高騰に見舞われた。

年初来、野菜、穀物、その他の食材は、3割から、5割も値段が上がった。

2月後半になり、ロシアによるウクライナ侵攻が発生する。
アメリカは、ロシアにとってよりも、自国民をあまり良くない状況に追い込むだけの、(少なくとも現在までは)経済制裁を発動。

その流れで、石油その他の、ほぼ全ての物資が、さらに値上がり。
こんな状況で、レストラン業界はさらに厳しい事態に追い込まれた。
知っている限りの、カフェ、レストランが、
仕方なく、2割から3割の値上げに踏み切った。

自分が行っていた、このブラジリアンスタイルのステーキハウスも値上げした。
去年までランチは29ドルだったのだが,今では41ドルもとる。

ベイエリアの、レストラン、バー、など店舗もレントはただでさえバカ高い。

コロナロックダウン中に、うまく安い所を見つけて入り込んだのも居たようだが、例えば市の中心から離れている、ある中華レストランの家賃、40席に満たない小さな店だが、数年前で、すでにひと月7000ドルだった。

ゲイが多数いることで有名な、カストロ地区にある、中東系の食事を提供するレストラン、ここは50席プラス、小さなバーカウンターで、60人も入れば、満員になるだろう。
ここなどは、月に12000ドル(日本円で160万円ほどか?) 
これで、どうやって利益を出せばいいのかと思う。

10年ほど前までは、ラーメンの平均価格は
12ドル前後だった。
その後、ベイエリアではラーメンが大人気となった。
今まで、ラーメンなんて知らなかった、アジア系以外の人々がラーメンを日常的に食べている。
前職でラーメンを作って出していた時も、ラテン系、インド人など、語弊があるが、
え、ラーメン食べるの?的な人種の常連客がいた。

一風堂という世界展開しているラーメンブランドが、ベイエリアに出店してから又、流れが大きく変わったように感じる。
ラーメン一杯は16ドルが、普通になった。

サンフランシスコで16ドル払ったら、
ハンバーガーなどは有機の野菜、グラスフェッド(牧草だけで育てた健康的な牛)のビーフを使った、本当に美味しいのを食べることが出来るし、ここ数年インド人が異様に増えたことで、本格的インドの軽食が安く食べられる。
ドサなんか12ドルほどだ。
(しかしインド人からしたら異常な値段らしい)

地元福岡ではラーメン一杯ワンコインが、あたり前だった。(ワンコイン=五百円玉)
今でも600円前後だ。
場所がかわれば、値段も変わる。

なんで又食べているだろう、自分。
誘惑に負け、つい例の店に行ってしまった後
そう思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?