手を洗わなかった話

前世紀のおわり頃のことですが、PC販売の営業をやってまして,
とあるレコード会社も担当していました。
ある時、新製品を納品・セットアップをして後日別件で訪問したところ、壁にそのPCを触ってるアイドルのパネルが。
当時は全盛期を過ぎて円熟期に差し掛かってたけど、それでも誰もが知ってるスーパーアイドル。

よく見ると、マウスに手を置いてる。

「こ、これ、このPCですよね?」
「ま、マウス、このマウス触ってたんすか?」
ちょっと興奮気味に問うと「そうですよ」と。

その席に座り、マウスを触って作業をし。
「今日は手ぇ洗わんで寝ますわ」
そのようなことを言っていっておいとましました。

後にも先にも、手を洗わんかったの、その時だけです。

なんでこんな話を書いたかって言うと。

ついったのフォロワさんが、鮎川誠の死に寄せて「握手してもらったことがある」と思い出をつぶやいてて。
握手→手を洗わないってベタな連想から思い出したのです。

鮎川誠。シーナの死からほぼ8年後、鬼籍に入りました。
無骨やけど優しい、かっこいいロックンローラー。
YMOともつながりのある人が、ユキヒロさんの後を追うように。
きっと、向こうでシーナと3人でセッションすることでしょう。

鮎川誠と言えば「はかたんもんラーメン」のCM。
これはYouTube漁れば出てくるので探してみてください。

あとAptivaだったか、チャリンコの荷台に乗せて買ってくるとこから書かれてる『DOS/V ブルース』
Windows3.1で、TCP/IPも実装されておらずTranpetというソフトをインストールして自分で設定するという、そんな頃にインターネットと格闘してロケットウェブを立ち上げたとか、読んで「ロックやなあ」って思いました。
開設からずっとTOPを飾ってるシーナの写真、確か粒状感を出すためにFAXで送ってそれをスキャナで取り込んだんじゃないかな。
そんなこともつぶさに綴られてる、とてもロックな本。
技術面では今に通用するものは皆無だと思いますが、何事にも諦めずに挑戦する、ロックな精神は永久に不滅です。
恐らく絶版で、古本でしか手に入らないと思いますが是非読んで欲しいです。

鮎川誠さん、どうか安らかに。


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