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【ごきげん人研究】014 ドロシー その1

ラーダナータ・スワミの著書 The Journey Withinで紹介されているエピソードを紹介しようと思います。ラーダナータ・スワミはアメリカ生まれの聖者です。この本、内なる旅とでもいうのか、は多分まだ日本語訳できてないと思うんだよねー。

最初のエピソードは、ドロシーさん。中年女性でお金持ち風の出たち。フロリダの空港でのお話し。

ワシントンDC行きの搭乗口。ネイヴィーブルーの制服の若い女性がアナウンスするところからお話しが始まります。

『当機の出発は1時間ほど遅れる見込みです。』

突然ドロシーさんが怒りで顔を真っ赤にして立ち上がり、叫ぶ!

『とんでもないわ! なんてことしてくれるの!

あなたが何をしなきゃいけないとかどのようにするとか関係ないの! あなたは私をあの飛行機に乗せなさい!』

航空会社のアテンダントは答えます。

『私ができることはありません。飛行機の空調システムがダウンしてるんです。』

『私は遅れるわけにはいかないの! どんな状況でもね! わかった!? 議論しないで、何かしなさいよ!』

『落ち着いて頂けなければ、セキュリティーを呼びますよ。』

ドロシーさんはぷりぷり怒りながら、僧服のスワミを見つけました。

『あなた、僧侶?』

『まあ、そんなもんです。』おいおい、なんで私なんだ?

『答えが欲しいの! 神はなぜ私にこんなことするのかしら!?』

『まぁ、お座りなさい。話しをしましょう。』

ドロシーは過去、30歳の旦那と子供たちを一気に無くす悲劇に見舞われ、今は一人で暮らしている。

ビジネスで詐欺なような目にあって、銀行から抵当権実行され自宅から追い出される。

『このスーツケース見て? これが私に残った最後のものよ。』

そして一週間ほど前に、死に至る癌と診断され余命1ヶ月と言い渡される。

なんとかメキシコで治療できるかもしれないという病院を見つけ、その日に受付されなければアウトという状況にあった。ワシントンDCから乗り継ぎでメキシコに行かなければもう間に合わない。

ドロシーは泣き出して、『飛行機は遅れて私の最後の生きるチャンスが無くなりそうよ。私はいい妻でありいい母であろうとしたわ。教会にも通った。チャリティーの寄附もした。誰も故意に傷つけようなんてしなかった。

でも今は誰も私が死のうが生きようが気にしてないわ。神はなぜ、私にこんなことするの?』

次に続く〜

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