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花や虫たち

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花の写真 時々花と虫たち
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#日野江植物公園

言い得て妙

 冬から春へと移りゆくこの時期、景色を春色に染めるのは河津桜や寒緋桜。市内にあるいつもの植物公園に出かけると、一本の河津桜の樹に数十羽のメジロ大集団が群がり、近くに人がいても逃げることなく、一心不乱に蜜を吸っていた。 花壇には色とりどりのクリスマスローズの他、カンザキアヤメ、スイセン、バイカオウレン、ヒマラヤユキノシタ。少し気温も暖かくなってきたせいか、春本番に向けて植物園もにわかに活気づいてきた。 来園者のために休憩室として使われている古い木造家屋の和室には雛人形も飾ら

「春が来たよ」と思わせて

 二十四節気の小寒に入り、これからが寒さの本番。被災された方々にはどうか暖かな環境をできるだけ確保して、御自身の心と体を冷やさぬようお過ごし頂きたいと思う。  北九州の街の景色もすっかり冬枯れ色に包まれている。しかしながら春の訪れの中に夏の気配が隠れているように、秋の訪れの中に冬が潜んでいるように、冬の真只中にあっても、そこにはすでに春の息吹きが見え隠れしている。 先日、冷たい雨が降りしきる朝に、よく出かける市内の植物園に行ってみた。重く垂れこめた雨雲の下は光が乏しい。そ

曼珠沙華の花咲く時

季節は秋彼岸の7日間を迎え、外の景色はすっかり秋の光に輝いている。 お彼岸と言えば「彼岸花」。気温20~25℃で開花時期を迎える。日陰は開花が早く、日当たりのいい所は遅くなるのはそのためだ。 先日の雨の朝、早速市内の植物園に出かけてみた。 最近は異常気象のために、桜や薔薇の開花時期が随分と早まっているが、彼岸花は今年も正確にこの時期に合わせて開花した。 どうやら他の種とは異なった秘密がありそうだ。 日本では別名として「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」があまりにも有名。

梅雨入り前の木漏れ日の花

 日本気象協会によると今年の梅雨入りは例年よりも早く、5月末には九州から関東甲信で続々と梅雨入りとなる予想。また梅雨入り早々に大雨となる恐れもあるとのこと。北陸や東北の梅雨入りは平年並みとなる見込みだ。 となると梅雨入り前の晴れ間はこの日が最後になるかと思い、先日、木漏れ日が美しいこの森に出かけてみた。 深い森の樹々はすっかり生い茂り、木陰には色とりどりの山紫陽花や山野草の花が、爽やかな5月の風に揺れていた。 この公園のすぐ東側には瀬戸内海に通じる周防灘の海が広がる。 気持

春風そよぐ

 暖かな陽射しに誘われ、市内にある植物園へ出かけた。昨年初夏に訪ねて以来のこと。園内は至る所、春の彩り真っ最中だ。 梅も河津桜もすっかり満開。椿も森の木陰で威勢よく咲いている。冬牡丹やクリスマスローズ、バイカオウレンにフクジュソウ。冬を乗り越えた力強さが漲っている。 ここは1952年、個人経営の植物公園「四季の丘」として開園し、40数年間市民に親しまれてきたそうだ。1993年に北九州市が買取った後、約3年の年月をかけ整備並びに改修工事を行い、1996年に「北九州市立白野江植