マガジンのカバー画像

花や虫たち

80
花の写真 時々花と虫たち
運営しているクリエイター

#みんなでつくる秋アルバム

秋薔薇と「ばら色の人生」

 秋薔薇のシーズン到来である。今年も晴れた朝と、雨の朝の2回、市内にある同じバラ園に出かけた。天候によって印象が大きく異なるところが花写真の面白さ。明るい陽射しの下では彩り豊かに輝き、雨に濡れると艶めかしく光る。 春薔薇に較べるとやや小ぶりに見え、花数も少ない。しかし、その分一つ一つの花の存在感が浮き出て、より輪郭がくっきりしてくる。夏に向かう薔薇は期待に胸を膨らませるように盛大に咲くが、冬に向かう薔薇は過去を懐かしむようにひっそり咲いているように見える。 薔薇と言えば、シ

秋時雨

ラベンダーさんが素敵な句を愚生の写真に添えて詠んでくださいました! ラベンダーさん、ありがとうございます。  ラベンダーさんの俳句は美しい。 時雨に「秋」を付け加えただけの「秋時雨」。 しかしその二音が加わるだけで、言葉の響きの奥ゆかしさが深まったように感じる。 その「あき」という響きの背景には、人それぞれに今まで体験してきた「秋の美しさ」という膨大な記憶の数々が脳裏にあり、その二音を耳にした途端、その印象の総和のようなものがエッセンスとして意識上に浮上してくる

10月の光と影

 すっかり秋の気配に包まれた今日この頃、紅葉がぼちぼち見え始めるようになった。最近の朝晩の冷え込みと日中の暖かさが色づきを促進させることだろう。気温の寒暖差が大きいと紅葉の色が濃くなるようだ。 最近の北九州ではこの3つの条件が重なっているように感じる。 となると美しい紅葉が期待できるかもしれない。 10月の光は夏と冬の中間色。 市内でも白い光に包まれた光景があちらこちらで見られた。 紅葉前のほんのりとまだ暖かく、麗らかな光と影の世界だ。

秋さうび

(文1600字 写真50枚)  いつも素敵な俳句を投稿されているラベンダーさん。先日の句に使われた10月の季語「秋さうび(そうび)」とは「秋薔薇」の音読みのこと。俳句や短歌を嗜むということがない愚生にとっては、noteを通じて出会った方々の作品が日本語の美しさを教えてくれる貴重な機会となっている。 元の写真が別物に、曖昧なものから輪郭のあるものへ、無意識的なものから意識的なものへと変容した。日本語の美しい響きを詠まれる方の深い感性にはいつも驚かされる。日本人の美意識の守り