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花や虫たち

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花の写真 時々花と虫たち
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2023年6月の記事一覧

向日葵と漁火の季節

 公園の花壇に植えられた向日葵が、夏を先取りするかのように咲き始めた。先月芽を出したばかりなのに、いつの間にか成長し、あっけらかんと太陽に向かって花びらを広げている。以前は人の背丈を超えるのが当たり前だった。最近は品種改良されて小さいものが主流になってしまったようだ。 人の顔ほどもある大きな向日葵が蝉しぐれに囲まれながら、ギラギラの空を見上げて豪快に笑っている姿の方が夏らしいと思うのだが…。 名前の「日に向かう葵」は、葉の形が双葉葵に似ているところから名付けられたという説と

高塔山に花光る

 北九州市若松区にある高塔山公園は、標高124メートルの山頂附近に拡がる市民の憩いの場である。 中世には大庭隠岐守景種が築いた山城があったと伝えられている。展望台からは北九州中心街や関門海峡、若戸大橋、皿倉山、響灘などを望むことができ、特に夜景は皿倉山から見た「新日本三大夜景」に劣らず美しい。 この時期、18ヘクタールの敷地内は約150種類74,300株の紫陽花で埋め尽くされる。県内でも有数のあじさいスポットとして人気だ。6月11日㈰と18日㈰には、3年ぶりに「若松あじさい

夜宮の花菖蒲

 梅雨になると必ず見たくなるのが紫陽花と花菖蒲。1年前にも写真を投稿した同じ夜宮公園の菖蒲園へ訪れた。今年は梅雨の晴れ間の朝と、曇り空からやがて本降りとなった朝の2回。 天候によって花の表情が微妙に違ってくるのが分かり興味深い。若い頃初めて見た時の感動は45年以上経った今もそのまま。それから毎年のように見てきたが、むしろより深く味わえるようになった気もする。 ハナショウブの品種は絞りや覆輪などの組み合わせを含めると、何と5,000種もあるそうだ。ルーツは戦国時代もしくは江戸

梅雨の朝

 梅雨に入ってから、北九州は連日の雨模様。 夜中に大雨となったり、日中急に日差しが強くなったりと、目まぐるしく天候と気温が変動する。 北九州に移り住んで1年10ヶ月。毎月1日は福津市にある宮地嶽神社の「ついたち参り」に出かけることが恒例となった。地元北九州で会社を経営している義姉が数十年も続けているこの参拝に毎回同行することにしているからだ。 月初めにこの神社では午前零時に、号鼓と共に「ついたち参り一番祈祷祭」が斎行され、季節のものをあしらった限定授与品を授与する。 午前零