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花や虫たち

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2022年10月の記事一覧

秋時雨

ラベンダーさんが素敵な句を愚生の写真に添えて詠んでくださいました! ラベンダーさん、ありがとうございます。  ラベンダーさんの俳句は美しい。 時雨に「秋」を付け加えただけの「秋時雨」。 しかしその二音が加わるだけで、言葉の響きの奥ゆかしさが深まったように感じる。 その「あき」という響きの背景には、人それぞれに今まで体験してきた「秋の美しさ」という膨大な記憶の数々が脳裏にあり、その二音を耳にした途端、その印象の総和のようなものがエッセンスとして意識上に浮上してくる

10月の光と影

 すっかり秋の気配に包まれた今日この頃、紅葉がぼちぼち見え始めるようになった。最近の朝晩の冷え込みと日中の暖かさが色づきを促進させることだろう。気温の寒暖差が大きいと紅葉の色が濃くなるようだ。 最近の北九州ではこの3つの条件が重なっているように感じる。 となると美しい紅葉が期待できるかもしれない。 10月の光は夏と冬の中間色。 市内でも白い光に包まれた光景があちらこちらで見られた。 紅葉前のほんのりとまだ暖かく、麗らかな光と影の世界だ。

秋さうび

(文1600字 写真50枚)  いつも素敵な俳句を投稿されているラベンダーさん。先日の句に使われた10月の季語「秋さうび(そうび)」とは「秋薔薇」の音読みのこと。俳句や短歌を嗜むということがない愚生にとっては、noteを通じて出会った方々の作品が日本語の美しさを教えてくれる貴重な機会となっている。 元の写真が別物に、曖昧なものから輪郭のあるものへ、無意識的なものから意識的なものへと変容した。日本語の美しい響きを詠まれる方の深い感性にはいつも驚かされる。日本人の美意識の守り

秋の光に舞う蝶と花

 秋の白い光が降り注ぎ始めた北九州に、渡り蝶アサギマダラが飛来した。 休むことなくフジバカマの上をふわふわと浮かぶように舞い、蜜を吸っては飛び、吸っては飛ぶを繰り返している。人が近づいてもそこから離れようとはしない。これから海を越えて南へと渡る準備をしているのだろう。 か弱そうに見える蝶の中のいったいどこに海を越えて数千キロも飛び続ける強靭なエネルギーが秘められているのか。そしてまたこの小さなフジバカマの花を空から見つけ出すことができるのは、研ぎ澄まされた嗅覚と視覚を持つか

情熱の色彩