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ドイツ 国際結婚手続き手順 書類準備編 2024年版



Ⅰ 国際結婚に至った経緯


ドイツでの国際結婚手続きを
紹介する前に私たちが結婚に
至った経緯を少しお話したいと思います。

結婚という人生の節目
私の場合、それは突然でした。

ドイツ人彼とは、出会って半年
ドイツ国内で遠距離でした。

お互い、30代前半ということもあり
いずれ結婚出来たらいいよねという
話をする程度で具体的にいつという
話はしていませんでした。

なぜなら、
私はドイツで就職が決まり、
就労許可(就労ビザ)をもらい、
仕事を教えていただいている矢先、
会社存続の危機が発生し、
試用期間内での解雇を
通達されてしまったからです。

ドイツ滞在を続けるために
残された道は2択でした。

① 早急にビザサポートをしてくれる
  雇用先に転職する
② 他のビザへの切り替え

本当に突然のことだったので
彼と相談しました。

彼は「語学学生ビザに切り替えても
どうせ1年後にまたビザのことで
悩むくらいなら、配偶者ビザを
検討するのはどうだろう」と
言ってくれました。

ありがたい提案でしたが、
心中はとても複雑でした。

とはいえ、悩んでいる暇はありません。

というのも、
就労許可は滞在許可に紐づけされており、
雇用契約が切れてしまったら、
滞在許可の残りがある場合でも
滞在は出来ません。

私の試用期間が5月末日で終わってしまうため、
この日までに外人局に配偶者ビザ申請に
必要な書類を提出しなけれなりません。

この日までにビザをもらっておかなければ
ならないというわけではなく、
あくまで必要書類を外人局に提出できていればOKです。
これは、他のビザ申請でも同じです。

通常、試用期間中の解雇通達は
解雇日の2週間前に行われますが、
私の場合はイースターの連休が
終わった直後でした。

これは、雇用主の配慮で
約2か月間の時間をいただけました。
そこからまず上記の流れで結婚を決め、
書類の準備とりかかりました。


Ⅱ 書類準備(日本から取り寄せ)


私はすでに1年以上、
ドイツに滞在しており、
婚姻手続きは『ドイツ式』を選択しました。

その場合、まず日本から必要書類を
取り寄せる必要があります。
この日本での書類の手続きを
身内に行ってもらったのですが…

その際に、
委任状を準備しなければなりません。
日本の市役所の方に「委任状は直筆で」と
言われたので、
委任状をドイツから送るところから始めました。

(1) 市役所で取得する書類

・戸籍謄本(Familienregister) 2通
 戸籍全部事項証明書
(家族全員が記載された証明)
 入手先:日本の役場
 1通目:ドイツの戸籍課に提出用
     (アポスティーユ必須)
 2通目:ドイツでの婚姻手続きが完了後、
     ドイツから日本へ送る用
     (取得後、PDFデータを取っておく)

・婚姻要件具備証明書(Ehefähigkeitszeugnis) 1通 
 日本国民が日本の法律による婚姻要件を
 備えているという証明書で結婚相手の名前を
 記載してもらう
 入手先:地域の法務局、または役所
 日本語では「独身証明書」と同じであると
 在ドイツ大使館・領事館の方に
 教えていただいたり、色々なWebサイトにも
 記載されていますが、内容は全く別物
 
市役所でも入手できるため、何に使うか
 説明すると対応してもらえる場合もある
 入手に必要な書類:
  ①申請者の戸籍謄本 
 (②身分証書 ③印鑑)
  ④相手方のパスポートコピー
  ⑤相手方パスポートの内容翻訳(自分で)

・住民票(Meldebesheinigung) 1通
 
ドイツの戸籍課に提出用
 (ドイツでの居住地域の戸籍課によっては
 必要ないと言われる場合もある)
 *すでにドイツに滞在している場合
  日本を出国する前に転出届を出しているので
  この場合は住民除籍票を取得する

・委任状 1通 
 
1通で上記3点の必要書類にチェックをいれる

※市役所で書類取得時の注意点
ⅰ.  発行日付が記載されている
  (発行日より3か月以内のもの)
ⅱ. 発行機関(発行者名)が記載されていること
ⅲ. 公印が押されていること
  署名のみまたは個人の印鑑のみが
  押印されている文書✖
この点に不備とアポスティーユが取得不可


(2) 外務省でアポスティーユ取得する書類

戸籍謄本・婚姻要件具備証明書住民票の準備が
できたら、次は上記の書類に必須の
アポスティーユ取得の手続きを外務省で行います。
郵送での申請の可能で、取得に料金はかかりません。

アポスティーユとは…
ハーグ条約に基づき、書類に外務省の
付箋(=アポスティーユ)を付け、
書類を外務省が証明すること。
アポスティーユを取得すると
日本にある大使館・(総)領事館の領事認証が
あるものと同等のものとして、
提出先国で使用することができる。

・アポスティーユ申請書兼委任状 1通
 
外務省のサイトから申請書を入手
 委任状が不要の場合もあるので、
 外務省のサイトで確認  

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000608.html

 申請書兼委任状記入の注意点
 ⅰ. 申請に出す書類の部数を記入
 ⅱ. アポスティーユが必要な書類の部数を記入
 (様式の指定はないので、付箋でOK)
 *私の場合、市役所の委任状を日本へ送る際に
  アポスティーユ用の申請書兼委任状も
  手書きで同封しました。

・市役所で取得した書類
 (戸籍謄本1通目・婚姻要件具備証明書1通・
  住民票1通)
 
2通目の戸籍謄本は、ドイツの役所に
 提出するものではないので、
 アポスティーユ申請に出しません。

・申請時に返信用封筒同封
 (レターパックライト外務省推奨)
 郵送申請の場合
 
返送用のレターパックライトに住所・宛名を
 記入し、追跡番号を差し出し時に控えておく

・身分証明書
 窓口申請の場合は必要

※アポスティーユ申請時の注意点
 役所で入手した書類のホチキスを外したり、
 加筆を行った文書は受けつけてもらえません。
 

申請書類に不備がなく、追加的な確認が
必要でなければ、原則受領した3開庁日後
証明済み書類を郵便で返却されます。
書類に不備があった場合には、申請書兼委任状に
記載の電話番号に連絡があるため、日本国内で
連絡がつく番号を記入した方がいいです。

☆ワンポイントアドバイス
 アポスティーユ済みの書類が外務省から
 返信されたら、ドイツにEMSで送って
 もらう前に一度開封し、書類をPDF化し、
 データを送ってもらうのがおすすめです。

 そうすることで
 原本がドイツに到着する前にPDFデータで
 在ドイツ大使館・領事館に戸籍謄本をもとに
 出生証明の申請依頼ができたり、公証翻訳士が
 翻訳作業を始めることができます。


Ⅲ 公証翻訳士に翻訳依頼


日本で取得した書類をドイツの戸籍課に
提出する前に書類の翻訳を行う必要があります。

翻訳をするのは誰でもいいわけではありません。
ドイツで住民登録をしている
地域の役所にもよりますが、
ドイツ連邦共和国が認めた公証翻訳士
の資格を持つ翻訳士が
翻訳した書類のみ受理されます。

因みに自分で翻訳した場合、
ドイツ在大使館・領事館に提出すれば、
翻訳を訂正してくれますが、
この翻訳をドイツの役所に提出しても
受理されない場合があるので、
費用はかかりますが、
公証翻訳士に依頼するのが確実です。

Ⅱの書類を準備している間に
書類の翻訳依頼ができる交渉翻訳人を探し、
翻訳の依頼をしておきます。

以下のサイトでドイツ国内の公証翻訳士を
探すことができます。


検索結果のリストにお名前が
表示されている方を2,3人選び、
メールで依頼をします。
このリストにお名前がある方でも、
メールを送っても返信がない場合もあるので、
数名に依頼することをオススメします。

ドイツ語の公証翻訳士は、日本にもいらっしゃいます。
すでにドイツ国内にお住まい方は、
ドイツにいらっしゃる公証翻訳士に依頼するのが
いいかもしれません。

翻訳作業は本来、原本の書類が公証翻訳士の方の
手元に到着してから始まりますが、
場合によっては、PDFデータなどを参考に
翻訳作業を始めてくださる方もいらっしゃます。

ですので、
日本で書類の入手をしている間に
公証翻訳士を見つけておき、
事前にPDF化したデータで翻訳依頼を
しておくとスムーズです。


翻訳が必要な書類

・アポスティーユ取得済みの戸籍謄本 1通目
・アポスティーユ取得済みの婚姻要件具備
 証明書 1通
・アポスティーユ取得済みの住民票 1通
・(返信用封筒)

料金:文字数によって異なりますが、
   相場は100~150€
日数:1週間~2週間

アポスティーユ取得済みの原本が届いたら、
公証翻訳士の方に書留で送付します。

※アポスティーユ取得と翻訳依頼時の注意点
 アポスティーユ取得から翻訳依頼の順番は
 大事です。
 翻訳済みの書類には、公証翻訳士の翻訳認証が
 押印されてしまうため、アポスティーユ申請を
 受け付けてもらえません。
 必ず、アポスティーユ取得→翻訳作業の順番で
 行います。


Ⅳ 在ドイツ日本大使館・領事館で出生証明書の取得


アポスティーユが取得出できたら、
次にすることは在ドイツ日本大使館・領事館で
出生証明書(Geburtsbescheinigung)を
取得します。

出生証明書は、ドイツでの居住地の戸籍課に
提出しなければならない書類の1つです。

出生証明書の取得は、
在ドイツ日本大使館・領事館の窓口・郵送
もしくはメールにて依頼することできます。

出生証明書の取得に必要な書類

・有効な日本国旅券
・戸籍謄本(半年以内に取得したもの) 2通目

・証明書発給申請書(A4サイズで印刷) 1通
 
在ドイツ日本大使館のサイトから申請書を入手

https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_shomei.html#04shussei

・戸籍記載内容(出生)訳文
 (A4サイズで印刷) 1通
 
戸籍謄本を元にローマ字で記入する

申請方法:窓口・郵送・メール添付
     郵送の場合、パスポートと戸籍謄本は
     コピーでOK

手数料:8€(現金のみ)
日数:申請日の翌日から数えて4開館日以降
交付方法:窓口にて本人・代理人の受け取り必須
受領時の持ち物:パスポート・身分証明書・
        戸籍謄本2通目(原本)

申請は、窓口・郵送・メールでできますが、
受領は、本人か代理人が大使館・領事館の
窓口に行き、パスポート・身分証明書・
戸籍謄本の原本を提示しなければなりません。

☆ワンポイントアドバイス
 出生証明書申請のタイミングは、
 日本から書類を郵送してもらうタイミングで
 管轄の大使館や領事館へメールで
 行っておくと良いです。

 日本からEMSでの郵送であれば、
 たいてい1週間以内に書類が届きます。
 書類の受領は、申請日の翌日から数えて
 4開館日以降に可能なので、
 日本から書類を郵送してもらうタイミングで
 メール申請しておけば、翌週には
 申請した大使館・領事館の窓口での受領が
 可能になり、ロスなく書類の準備ができます。

さらにこの時点で、
Ⅲ翻訳作業とⅣ出生証明書の取得を
同時に行っていることになります。
ですので、戸籍謄本を2通以上取得しておくと
2つの作業が同時に進められます。

ただし…
アポスティーユ済みの戸籍謄本1通目の翻訳

公証翻訳士の方に送り、翻訳をしてもらうので、
公証翻訳士宛に同封する書類を間違わないように
気を付けなければなりません。

アポスティーユがない戸籍謄本2通目は、
大使館・領事館の窓口で出生証明書の受領時にも
使用します。


Ⅴ まとめ 実際にかかった日数


参考までに実際にかかった日数を
書いておきます。

4月4日(木) 日本へ委任状を送付

4月11日(木) 日本へ委任状到着

4月12日(金) ①役所で役所で必要書類の取得
         ②外務省にアポスティーユ
          必要書類郵送

4月20日(土) ①アポスティーユ済み書類が
          日本の自宅に到着
         ②アポスティーユ済み書類を
          ドイツへ郵送
         ③アポスティーユ済みのPDFを
          公証翻訳士に送信

4月23日(火) 新住所で転入手続き

4月25日(木) 在独日本領事館に
         出生証明書依頼(メール)

4月26日(金) アポスティーユ済み書類が
         ドイツに到着
         公証翻訳士にアポスティーユ
         済み書類郵送

5月2日(木) 在独日本領事館で出生書類の
        受領(直接)

5月3日(金) 公証翻訳士からの翻訳書類到着


ここまでで種類の準備は全て整いました。
次回は、書類提出編をお届けします!

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