見出し画像

『サウスパーク』シーズン24は1時間のコロナスペシャルからスタート


長らく新シーズンの音沙汰がなかった『サウスパーク』に遂に動きがあった。9月30日(現地時間)に『パンデミック・スペシャル』と題された1時間スペシャルが放送されるとのこと。



予告を見る限り、ランディのTegridy Farmsはコロナの外出抑制を受けて大繁盛しているようで、前シーズンの大麻ネタは継続のようだ。

現実世界と時間軸や出来事がリンクしているシリーズ物が、このパンデミックをどう取り扱うかのかと気になっていたが、少なくともサウスパークは真っ向からネタにしてくれるらしい。

フィクションとして、そしてコメディとしてこの選択は正しいように思う。リアルタイムでどんなに笑えない出来事が起きていても、別の視点から世界を描写して笑わせてくれるのが、創作が持つ力の一つだ。


【10/2追記】サウスパークwithコロナ


放送から一夜明けたが、imdbでは8.8とかなりの高評価を得ている。通常シーズンより出来が良かったから、という訳ではおそらくなく、完全にいつものサウスパークとして、求められていたものを提供したからである。

まず、カートマンは学校のオンライン化によるインドア生活に満足している様子(確かにインドア派にとって今の外出しづらい生活はさほど苦ではない)。Zoom越しの学校などカートマンからすればサボり放題の天国だった。



ギャリソン大統領もコロナに恩恵を感じていた。かねてよりの『メキシコ人を全員ハメ○す』公約が、コロナのおかげで何もせずとも達成されそうだからだ。あとは人種の偏りを出すだけ、と言っている。

(現実のトランプ大統領はコロナに感染してしまったが…)


そして今回も主役だったランディは、昨年中国でプーさんを絞め殺した帰りに病気になったこと、そして中国でのミッ○ーとの乱痴気騒ぎを思い出して、自分こそがアメリカでパンデミックを引き起こした張本人ではないかと疑い出す。


「いつものサウスパーク」が「現実の出来事」をネタに笑いを取る。その構図が変わらなかったからこそ、視聴者にはもう戻れない過去への郷愁と、現在の苦しみに対する共感を生む。今回は巻き込まれ役だったスタンの「昔の楽しかった頃を取り戻したかった」というまとめは、サウスパーク史上もっとも胸を打つまとめだったかもしれない。


サウスパークは変わらない。フィクションが非常事の現実を取り入れることで逆説的に伝わるこのメッセージは、出口も見えない今の私達にとって一つの救いだった。


【2/21追記】

3月10日に再び1時間枠でワクチン・スペシャルを放送するとの告知があった。SOUTH PARQに改名している辺り何をネタにする予定なのかそれとなく伝わってくるが、この冬も大荒れだったアメリカをどう表現するのか…。

トランプもといギャリソン大統領があの選挙の結果を受けて、どうなるのかが一番気になるところ。


ワクチン・スペシャルの感想は以下リンクから。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?