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【HomaJam 6/30登録締切】『Arcade Idle』という新しいジャンルをかみ砕く

ハイカジ遊んでますか? どうも、浮雲です。

久しぶりにこの始まり方をしたわけですが、今回はまたまた【#ハイつま】ではなく……。

Homa Gameという企業が主催するハイパーカジュアルゲームのコンテスト『HomaJam』についての紹介と、今回のお題である『Arcade Idle』というゲームジャンルについて、Homa Gameのblogを読み解く形でかみ砕いていこうと思います。

『HomaJam』については後程改めて説明しますが、「とりあえず気になるぜ!」という方は以下のリンクからご確認ください。

■この記事のターゲット
主に以下のような方にとって、学びや気づきが得られるものになるよう意識しています!
・ハイパーカジュアルゲームのコンテストに興味のある方
・『HomaJam』の詳細が知りたい方
・『Arcade Idle』というゲームジャンルについて理解を深めたい方

Homa Gameってどんな会社?

Homa Game(以下、Homa)は、2018年に設立されたフランスのスタートアップ企業です。

ハイパーカジュアルゲームがメインなので日本ではあまり知られていないと思いますが、2020年のアプリの総ダウンロード数はワールドワイドで約2億ダウンロードというトップクラスの企業のひとつです。

ちなみに、北米では約3000万ダウンロードと15%ほどのシェア。
日本ではわずか150万ダウンロードなので、ハイパーカジュアルゲームの日本での存在感のなさが際立ちますね。

代表作は『Sky Rolle』というPlatformタイプのゲームで、HomaのHPによると1.5億インストールされているとのことです。

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『HomaJam』とは?

『HomaJam』は、Homaが主催するハイパーカジュアルゲームのコンテストで、今回で3回目の実施となります。
イベントへの参加登録期限は、2021年6月30日までとなっています。

なお、コンテストとは書きましたがイベントタイトル的には「Game Jam」とあるように、応募して終わりというものではありません。
過去のblog記事を読む限りでは、参加者が利用可能なコミュニティが準備されていて「最初の2週間でモック開発」「次の2週間でFacebook上でのCPIテスト」を行うイベントとなっているようです。

さてそんな『HomaJam』ですが、グランプリに輝いたアプリに関しては、Homaから配信されたうえで、25万ドルの最低保証金額があるようです。
加えて賞金が2.5万ドルあるので、実質27.5万ドル。
日本円にして約3000万円相当ですので、結構な金額ですね!

またグランプリ以外にも、幾つかの賞が設定されています。

・Best CPI:最も1インストール当たりのコストが安価だったタイトル

・Best RRD1:最も初日継続率が高かったタイトル

・Best Playtime:最も長時間遊ばれたタイトル

賞金額はいずれも5000ドル(55万円)です。
個人的に良いなと思うのは、「ゲームデザイン」や「メカニクス」に対してではなく、KPIに対して賞が設定されているところです。

実際のビジネスにおいても、ゲームデザインやメカニクスのクオリティはもちろんチェックしたうえで、最終的には市場に出して良い結果が出るかどうかでサービスの継続を判断されます。
なので、理にかなっているというか、これぞハイパーカジュアルゲームという感じのコンテストですね

これ以外にも、イベントのオフィシャルパートナーやHoma Gameのスタッフが選出する賞などもありますので、詳細はHPをご確認ください。

そして、肝心の募集テーマですが……今回は『Arcade Idle』となります。

……『Arcade Idle』って、どんなゲームだ?

『Arcade Idle』ってどんなジャンル?

今回のテーマである『Arcade Idle』ですが、親切なことにHomaのblogでしっかりと説明してくれていました!

聞き覚えがないと思ったらそれもそのはず、見出しにどーんと「新しいハイパーカジュアルジャンル」と書いてあります。

ざっくり説明すると、『Idle(放置)ゲームに、Arcadeゲーム的要素を組み込んだ新しいジャンル』を指しているようです。

Homaは、すでにこのジャンルでいくつかのヒットタイトルを出しています。『HarvestIt』『Craft Island』、そして最新作にあたる『Farm Land 3D』がそれにあたります。

中でも、最も成功している『Craft Island』はワールドワイドで約800万ダウンロードを記録しています。
※なお北米では130万ダウンロード、日本では10万ダウンロード

また、『Farm Land 3D』も今年の3月にリリースされ、3か月で約200万ダウンロード(ワールドワイド)を達成しており、まだまだ伸びると思います。

以下に、これらの『Arcade Idle』ジャンルのゲームについてのHomaのコメントを転載、日本語訳をつけておきます。

In the Hypercasual world, the Idle genre refers to a type of game in which players can progress with minimum or without interaction—resources like money or other goods increase regularly and players can interact to boost and speed-up resource acquisition. This particular type of user experience became more and more popular in the last year and it is about to explode in the next few months with the rise of Arcade Idle. The games mentioned above are all part of this ongoing development, resulting in hybrid games both in gameplay and metrics.
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ハイパーカジュアルの世界では、Idleジャンルは、プレーヤーが最小限の操作で、または操作なしで進行できるタイプのゲームを指します。お金やその他の商品などのリソースは定期的に増加し、プレーヤーはリソースの取得を促進および高速化するために働きかけることができます。この特有のタイプのユーザーエクスペリエンスは、昨年ますます人気が高まり、Arcade Idleの台頭により、今後数か月で爆発的に増加します。上記のゲームはすべてこの進行中の開発の一部であり、ゲームプレイとメトリックの両方でハイブリッドゲームになります。

また、Homaはこの『Arcade Idle』ジャンルのゲームに対して、最初のテストでクリアすべきKPIの目標値も公開していました。

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「CPI」や「RRD1」に関しては、Voodooなどが設定している数値に比べると少し緩めですが、珍しいのは「Playtime D0」が設定されているところかと思います。
これは、Idle(放置)ゲームというジャンルの特性上、ユーザーに他のハイパーカジュアルゲームに比べて長く遊んでもらう必要性が出てくるためだと思われます。

『Arcade Idle』のゲームデザインの特徴とは?

Homaが考える『Arcade Idle』のゲームデザインの特徴は、以下のもののようです。

The goal in this kind of game is to gather resources and sell them to build wealth, to expand a territory, and to have fun while doing it! But unlike general Idle, Arcade Idle incorporates a playable character, and this affects the other elements of the game. Also, there’s often an adventure-like feeling that makes it more appealing.
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Idleゲームの目標は、リソースを収集して販売し、富を築き、領土を拡大し、それを楽しみながら実行することです。ただ、一般的なIdleとは異なり、Arcade Idleはプレイアブルキャラクターが組み込まれており、これがゲームの他の要素に影響を及ぼします。また、冒険のような感覚があり、それによってより魅力的なものになります。

つまり、一般的な『Idle』ゲームでは、ユーザーは何物でもない神様のような存在としてゲームに働きかけるゲームデザインであるのに対して、『Idle Arcade』ではユーザーの分身となるプレイアブルキャラクターがゲーム内に存在し、そのキャラクターを操作して採集や生産、時には戦闘などを行うことで進行するゲームデザインとなっているのが特徴と言えます。

また、特徴的な仕様として、以下のようなものを挙げています。

■カメラ
・クオータービューのような見降ろし型の視点

■操作
・バーチャルパッドによる操作

■キャラクター
・スティックマンやローポリの抽象的なデザイン

■目的
・領土を拡大するするために、リソースを収集したり販売したりする

■マップ
・プレイヤーが別のレベルに移動するときに領域をリセットするレベルベース(Harvest It)
・またはゾーンに基づくオープンワールド(Craft IslandとFarmland)

上記以外にも、ゲームの進行に関わるデザインや、インステ/リワード動画広告について、IAPについてなども詳細に説明されているので、興味を持った方はblog記事で確認していただければと思います。

Homaが考える『Arcade Idel』の可能性と未来とは?

blogの最後では、Homaga考える『Arcade Idle』ゲームの成功のカギについても触れられています。

■シンプルなゲームプレイの仕組み
すぐに面白くするために、Idleのジャンルをハイパーカジュアル化することが最も重要です。ゲームプレイは、プレイしてから数秒以内にプレーヤーによく理解されるはずです。Idleゲームは非常に複雑になる可能性がありますが、Arcade Idelはそうなるべきではありません。

■ゲームの奥行き感
プレイしてから数分以内に、プレーヤーはゲームを何時間も楽しむことができることを理解する必要があります。したがってその点において、Arcade Idleは典型的なHCゲームではありません。

また、Homaとしてはこの『Arcade Idle』というジャンルに大きな期待を寄せており、このジャンルでの優れたゲームを求めて今回の『HomaJam』を開催することに決めたと締めくくられています。

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以上、Homaが主催する『HomaJam』と、今回のテーマである『Arcade Idle』というゲームジャンルについてまとめました。

『Arcade Idle』についての解説を読んでいただければわかると思いますが、ハイパーカジュアルゲームは決して単純なだけのゲームではありません。
特にこの1年くらいの間で、急速に多様化、複雑化が進んでおり、新たなゲームデザインが生まれている魅力的な市場となっています。

今回の『HomaJam』の募集締め切りは6月30日までとなっていますので、興味を持たれた方はぜひチャレンジしてみてください。

それでは、また。

※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!


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