困難を乗り越える方法
今から十年ほど前のこと、私は家庭内のことや生活の事で色んな悩みがありました。
よくある些細なことから頭を抱える事まで…
その頃私が勤めていた職場は、家族経営の農作物を扱う農園でした。
天気や気温に左右される作物を育てる大変さを経験し、何度も手を掛けた小さな実が成長する姿に一喜一憂し、出来上がったものがお客様に届いた後には必ず笑顔が帰ってくる。
自然の中で畑の土を踏み、新鮮な空気を体いっぱい吸い混み、流れる汗を風が拭ってくれる。
それは今まで体感したことの無い開放感と充実した仕事であり職場環境でした。
ある日の休憩中の話です。
水分補給をしながら、いつものたわいの無い会話をしている時、私は家庭内の不満や愚痴をこぼしました。
休憩時は、私たちパート従業員数名と還暦を過ぎたオーナーの奥さんも一緒に過ごします。
その話を聞いた奥さんが私に向かって言いました。
「色んな大変な事もあるけど、それは今、自分にあたわった(与えられた)ことだから、それを受け止め文句を言わずちゃんとやりなさい」と。
その言葉は私の心に深く刺さり体の中にストンと落ちた感覚でした。
オーナー夫婦は今から50年前、この農園を借金からスタートし大変な苦労を積み重ね、今では遠方のお客様からも注文が耐えないほどの農作物を作り続けています。
命をかけて仕事に取り組み、たくさんの人から喜ばれるものを作っている自信と誇りを持ち続け、七十歳を超えた今もなお探究心を忘れず現役で仕事をしている、私の尊敬する人達でもあります。
〜愚痴を言ったところで何も変わらない、それより今の状況から逃げずしっかり受け止め、前を向いていけば必ず良くなる〜
それ以来、私は愚痴を言うのを辞めました。
そのうち自然と笑顔も増え体も健康になり、抱えていた悩みもほとんど気にならなくなりました。
それからというものの、家庭内では怒りのような負の感情も無くなり夫婦喧嘩も全くしなくなっていました。
スピリチュアルな話しにも感じますが本当に風邪すらひかない強い体になり、体の弱かった事を心配していた私の親が一番驚いていました。
「与わったこと」
今でも時々心の中で唱えます
※あたわる、という言い方は方言かもしれません 与えられる、授かる、という意味あいです。
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