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【ネタバレあり】アナと雪の女王2を観て考えた「剣と魔法」のスキル的対比

この記事では、映画『アナと雪の女王2』(以下FROZEN2)におけるアナ(・クリストフ・アレンデールサイド)の言行が、近年微妙に過小評価されつつある“左脳的スキル”の良さを再考する材料になるんじゃないか?という(かなりメチャクチャな)話をします。いやいやwとか言いながら、笑って読んでくださればこれ幸い。
それでは、よろしくお願いします。

はじめに

・FROZEN2を観ていないと意味が分からないと思います。観てても意味不明な可能性もあります。
・「剣」と「魔法」というのが今回のキーワードですが、字義通りに受け取らず、心の目で見てください。特に「剣」は“魔法じゃないものすべて”くらいのニュアンスで使ってます。
・ここでは、剣と魔法(左脳と右脳、機能と意味、スキルとセンス、具体と抽象、部分と全体、デザインとアート、秀才と天才、等々……)の対比がやりたいだけなので、FROZEN2の作品としての感想や考察からは外れます
・ここで感想を言っておくと、かなり好きです。いじょ。
飛躍多め、解説少なめって感じです。
・FROZEN2を観たのは今のところ2回です。なので、記憶違いとか拾えていない描写とかあったら訂正お願いします。

なぜ「剣と魔法」か

エルサは“魔法”を使う。そして、魔法を使って冒険することそれ自体が、エルサ自身のアイデンティティでもありそう。
なので試しに、アナの強みと行動原理をエルサと対比して“剣”に喩えてみたいと思います。ほら、『剣と魔法のファンタジー』って表現は定番でしょ?

「魔法」人材の特徴

エルサの特徴。こちらの方が圧倒的に分かりやすいので先に基本的な特徴を列挙すると、

・ごく稀少な存在
・どうやっているのかが分からない
自然によって統御されている
想像を超えた結果を引き起こす
・起こる現象は非連続的
未知の状況に踏み込む際に力を発揮する
真実を発見することが重要

典型的な魔法(マジック)のイメージですよね。
コンセプチュアルで、神秘的。
孤高なんだけれども、公共性が高い
もっと言うと、アートっぽいですね。

「剣」人材の特徴

アナ(達)の特徴。
ちなみに、作中でも一度だけ実際に剣を取っていた筈。

誰でもなれる
・訓練によって再現できる
意志によって制御できる
意図した通りの結果を出す
・起こる現象が連続的
状況を把握してからが強い
できることをすることが重要

論理(ロジック)、もしくは技術(テック)って感じ。
プラクティカルで、訓練可能な領域ですよね。
積み上げがあるので、アーキテクトっぽい。

両者の比較

気質や役割の違いを見ていきましょう。

剣は文明、魔法は自然に属する
アナは日常、エルサは非日常に親しむ

魔法は運命的、剣は選択的に行使される
エルサは真実を明かしたが、それを元に新たな未来を示すのはアナの役目だった

剣は残る、魔法は残らない
アナは平和、エルサは自由を得た

ざっくりまとめると、
「剣」は平和を好む人が・状況を掴んでから・問題を乗り越えるために役立つスキル
「魔法」は自由を好む人が・未知の世界に触れて・隠された真実を見つけるためのセンス

ってな感じですよね。

「剣」VS「魔法」論争

じゃあ、剣と魔法のどちらが凄くて偉いのか?
これ(形は違えど)かなりよく耳にする議論だと思うんですよ。
言っちゃえば、正攻法か飛び道具か、みたいな話で。大抵は飛び道具(魔法)の方が強いよね、でも中々いないよね、という結論に着地するまでがセット。
剣には限界があるし、使い途を誤ったら逆効果だから……頑張って魔法使いを目指そう!という議論になるわけです。多くの場合。

そういう二項対立の類型として見るとFROZEN2のアナ&エルサって、かなりフラットに「剣」と「魔法」の関係を描いてると思うんですよ
起承転結で言えば、エルサが輝くのは承・転で、起・結での活躍はアナに譲っている。
これは、センスとスキル、天才と秀才の組み合わせで言えば、おそらくベストパターンの一つでしょう。
もっと言えば、逆境に一人残されたアナの『やろう、できることを』(この日本語訳めっちゃ好き)という宣言は、頭で考えて動くしかない大半の人にとって一筋の光明じゃないか、とさえ思ったわけです。

人が「魔法」を恐れるのは現実も同じ

「魔法の方が特別だ」とか「魔法を使える人は偉大だ」みたいな言説は大体が本当です。でも、そんなこと言われたって「魔法」的なものを着実に、確実に身につけることなんてできませんし、どうしたって「剣」に頼る方が多数派です。
魔法使いはいつでも、特別で強力な少数派。だからこそ、社会が「魔法」に向ける感情は、いつでも強い憧れと、それ以上に強い畏れから成っています。

この恐怖心を克服して、信頼関係を築けたら「剣」を持つ者としてこんなに格好いいことはないなと。そら女王の格だわと。

おわりに

改めて断っておきますが、この記事でした話はFROZEN2の主題と何の関係もありません。多分、同じような話が展開できる「剣」と「魔法」の組み合わせって、他の作品にも沢山いると思います。いたら教えてください。

純粋に大好物なので。
それでは。

“Do the next right thing.”

常に前よりダサい語りを心がけます。