記事一覧
システムをシフトするためのデザインとは
間をおかずに出されたもう一つの報告書
英国デザインカウンシルは2021年に『Beyond Zero:システミックデザインアプローチ』(こちらの記事でも紹介しています。)を発表し、システム思考とデザイン思考を融合させ、関係的視点から統合的にアプローチするための方法を示した。そして、間をおかずにもうひとつの報告書を発表した。それが今回紹介する『System-shifting design: An e
複雑な時代を拓くデザイン実践へのアプローチ 〜システミックデザイン
英国デザインカウンシルによる報告書『Beyond Net Zero: A Systemic Design Approach』に関するシンポジウム「複雑な時代を拓くデザイン実践へのアプローチ 〜システミックデザイン シンポジウム」(2023年4月25日 18:30〜20:00)の様子を報告します。
システミックデザインアプローチは、デザイナーやノンデザイナーがより包括的に社会技術的問題へ取り組
フェミニズムとデザイン【3】 from "Design Struggles"
前の記事:フェミニズムとデザイン【2】
DESIGN JUSTICE:デザインの理論と実践のためのインターセクショナルフェミニスト・フレームワークに向けて著者のサーシャ・コスタンザ=チョック(Sasha Costanza-Chock)は、コミュニケーションの研究者、参加型デザイナー、活動家であり、マサチューセッツ工科大学の市民メディアの准教授である。本論文は、「DESIGN JUSTICE」のア
フェミニズムとデザイン【2】 from "Design Struggles"
前の記事:フェミニズムとデザイン【1】
家父長制の中でつくられたもの:女性とデザインの研究(あるいは再研究)について著者のシェリル・バックリー(Cheryl Buckley)はデザイン史家であり、現在はブライトン大学名誉教授である。本論文は、バックリーによる1986年の論文『Made in Patriarchy:女性とデザインに関するフェミニスト的分析に向けて』[9]の議論を振り返り、当時の命題
フェミニズムとデザイン【1】 from "Design Struggles"
はじめにデザインの中心にいるのは誰だろうか。誰がつくるものを決め、誰がそれを評価しているのだろうか。誰が排除されてきたのだろうか。現代のデザインは、主に北半球の白人・男性・シスジェンダー(性自認が生まれたときに割り当てられた性と一致している人)によってつくられてきた。パパネックによれば、デザインは「人間の活動の基礎」[1]である。実際に私たちは、人種や性別を問わずさまざまな場面でデザインしている。
もっとみる根本から変化を起こす「システミックデザインアプローチ」_03
前回の記事では、システミックデザインフレームワークの5つのパートのうち、①オリエンテーションとビジョン設定 ②リーダーシップとストーリーテリング ③つながりと関係性 ④旅の継続について説明した。
前回の記事はこちら
この記事では、中央のダブルダイヤモンドが示す、デザイン活動を紹介する。ダブルダイヤモンドは、2004年にデザインカウンシルで発表され、世界的に知られているデザイン活動のフレームワーク
根本から変化を起こす「システミックデザインアプローチ」_02
前回は、英国のデザインカウンシルが提案するシステミックデザインアプローチの概要について説明した。 システミックデザインの指針となるの6つの原則や4つの役割、デザインプロセス全体に通底する4つの実践思考について述べた。
前回の記事はこちら
この記事では、システミックデザインのデザインプロセスを紹介しよう(原文はこちら:Systemic design approach 2021)。
プロセスには、
根本から変化を起こす「システミックデザインアプローチ」_01
人と自然を含めた関係性のデザイン 問題を成している背景が非常に複雑であり、これまでの単純な因果関係にもとづいて解決を見出すことができないような社会課題、たとえば地球環境問題に代表されるような「厄介な問題 / Wicked problem」に対して、デザインはどのようにアプローチすべきだろうか。そこで重要視されるのが対象と関係している社会的、技術的、経済的な各要素間の関係性であり、関係全体をシステ
もっとみる