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中学校の美術の授業に講師として登壇させていただきました

先日、岡谷市内の中学校の2年生の美術の授業にて、講師として、デザインのお話をしてきました!

これから「岡谷市のマンホールのデザイン」に挑戦する子どもたちへ、”私のデザインのプロセス”を紹介するといった、私自身も初挑戦な任務。授業の中で、「デザインの組み立てから、相手目線でメッセージを伝えることの大切さについて」を、30人×4クラスに向けて、毎回先生と試行錯誤しながら授業に並走させていただきました。


ご依頼のいきさつ

普段人前で話す機会や、教育現場に関わることもなく、最初に茅野市美からご紹介を繋いでいただいたときは、『できません!!!無理です!!!』と食い気味に言い放っておりましたが…

”いつか、美術で子どもたちと関われたらいいな”

…な〜んて、いつかいつかと思って心の奥底に丁寧に施錠してあった扉を、私の小さな天使と悪魔に『今でしょ?』と指差され、『とりあえずお話聞いてみていいですか…』とドキドキしながら美術科のS先生とお会いしたのがきっかけでした。

最初のお打ち合わせで、先生は『学校という小さなコミュニティしか知らない子ども達に、自分の作品が実生活に落とし込まれる感覚、社会と繋がる楽しさや嬉しさを伝えたいんです』という想いと、『デザインを理解することは難しいけれど、実際に仕事をしている大人と直接会う体験で、色々刺激を受けるはず』というとても先を見据えた考えをお話ししてくださいました。そんな先生の、”美術を通した教育への熱”に首がもげるほど共感して感動して、今回の授業に並走させていただくに至りました。

デザインを伝えるためのデザイン

デザインを伝えるために、
子ども達に伝わるように、わかるように、内容もシンプルに組み立てた方がいいかも。スライドも視覚的に飽きないように、見やすいように。
…など、言葉の選び方から解説の構成までかなり試行錯誤でしたが、これまでのあらゆる経験の伏線回収するような、初心に帰るような、自分にとって力試しな経験でした。

子ども達は、そんな辿々しい私の話に真剣に耳を傾けてくれて、一人一人何かしらのメッセージを受け取ってもらえたようでした。

今回の授業は、研究授業として県内のたくさんの先生方にもご参観いただき、「楽しかった」とのお言葉もかけてもらい、こんな機会をいただき多方面に感謝感謝です。

学校の先生ってすごい

終わってからは振り返り会にもお邪魔し、なんとか任務遂行できたようでほっと一安心 …をしつつ、授業の進め方や子どもの様子を細かく分析する先生方の姿を目の当たりにして、教育現場のPDCAのスピードに驚愕でした。

起業家やベンチャー経営者の集まりかと思うほど、勢いのある会議。教育現場すげえです。マジ。

そんな現場で「デザイナー」という素材として役立ててもらえて、増澤、改めて嬉しかったです。

私が美術・アートに対して思っていること

(教育のプロではないし私の考え方はあてにならないけど、)学校で美術を学ぶって、テストでいい点取るとかいい評価もらうためにではなく、日常生活で「どう物事の間を繋ぎ合わせるか」の考え方を知れる機会になればいいんじゃないかと思っています。

自分が実際美術やデザインを学んできて、そうやって救われてきたから。

デザインを知ると、商業的な意味以外でも、ひとつ心強い武器が持てるようになります。要は、自分を取り囲む周囲とのコミュニケーションの手段です。

世の中にはどうしたってわかりあえない人もたくさんいます。どんなに性善説を信じようとも、生きてきた背景や環境が違えば同じ言語を同じ価値観で話すことは難しい。

でも、なるべく楽しく生きていきたいし、 なるべく安心できる環境を持ちたい。それにはまず”自分を表明していくこと”。そこにデザインという考え方が生きてきます。(マーケティング的な意味合いも含め。)

他者があって自分がいる
だからそこに必然的にコミュニケーションが生まれる。

嫌なことをやめてほしいと伝えることも、
あなたのことが好きですと伝えることも、
助けてくださいと言うことも、
大丈夫ですかと尋ねることも、
生きていくのには絶対に必要です。

伝えることは、自分らしく生きていくための唯一の手段なんだと思います。見栄えよりも先に、何をどう伝えるかが「デザイン」なんだと思います。

まとめ

というわけで久しぶりの今日の投稿は、茅野市美のN田さんが言ってくださった言葉を引用して締めようと思います。

『(デザインの話は)今日聞いて今日役立つものとは限らない。でも何年後かに思い出す時があるかもしれないし、きっとその時わかることがある。』

誰かのそういう力になれたら嬉しいな。デザインを通して今後もそんなメッセンジャーでありたいなと思っている今日この頃です。

給食おいしい!