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短歌「君の眼の…」備忘録

"君の眼の我が身我が影寄し来ればいざ魂合ひて対消滅せむ"

「対消滅」を使ってひとつ恋を詠んでみようという試み。
(意訳)あなたの眼が私の身も心も吸い寄せていくので、このまま魂まで一つに結ばれて対消滅し宇宙にかえって行くのでしょう。

「身」:からだ、のほか、命という意味も。
「影」:光。光によって見える人の姿。心に思い浮かべる形や姿。
「寄す」(他動詞サ行四段活用):近寄らせる。寄せる。
「魂合ふ」:おたがいの魂がひとつに結ばれる。
(三省堂『全訳読解古語辞典 第五版』より)

「対消滅」:素粒子の反応で、素粒子とその反粒子とが合体して消滅し、光子または他の素粒子に転化する現象。
(デジタル大辞泉より)

蛇足だが、「寄し来れば」の「よし」は、歌を考えているときに心に浮かんだ人の名前に掛けた。

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