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ノルアドレナリン・トランスポーター(MIBG)

いわゆるMIBG心筋シンチの備忘禄★

PDやDLB(レビー小体病)に反応

PD早期像、後期像ともに80~90%の患者でMIBG集積が低下する。

H/M比(MIBGを定量的に判定する方法)はHoelon-YahrのStageと負の相関を示すことが多い。
姿勢反射優位型が振戦優位型に比べより低下する。

H-Y分類Ⅰ/Ⅱ度の軽症例ではMIBGが正常のことがあるのでPDを否定してはならない。
この際平均2年でMIBGは優位に低下する。



パーキソニズムにおける MIBG心筋シンチ

罹病期間・年齢との関連:罹病期間に相関性はない。
   高齢発症のほうがH/M比が優位に低下する。


自律神経機能検査との関連:
起立性低血圧を有する例は有さない例よりH/M比が低いことが多い。
一般的には各種自律神経機能検査に比べその異常検出率は高い。


心機能:H/M比低下例であっても安静時、非負荷時の心エコー図では明らかな心機能低下例は認められず、臨床上問題となるような不整脈は認められなかった。
近年血圧の上昇度とH/M比が優位な負の相関を認めた。

パーキソニズムにおけるMIBG心筋シンチ

PDと鑑別すべき疾患

家族性PD
遺伝子の突然変異で発症するPDでPDの5%~10%に認められる。これまでPARK1から16までの16の遺伝子座(PARK1と4は同じ)と11の遺伝子が確認されている。
PARK2,8はMIBGが正常のことが多いので、レボドパ反応性パーキンソニズム患者で臨床経過が長いにもかかわらずMIBGの集積が正常の場合は遺伝歴があきらかでなくともPARK2,8の可能性を考慮する必要性がある。


PDとMSA


MSAの自律神経症状の首座は、脳・脊髄であるのに対し、PDは脳に加え、節後性交感神経障害があるため、優位に低下する。
進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、ET、血管性パーキソニズムはほとんどが正常例
レビー小体生成≒節後交感神経障害



★参考文献等

最新 脳SPECT/PETの臨床 第三版   

株式会社 メジカルビュー社   編集 西村恒彦
編集協力 畑澤 順 松田 博史

日本メジフィックス 医療関係者専用情報

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