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聞き間違いで本音を言ってしまった。

A:ねぇ、ねぇ、愛している?

B(M):ファミレスで二人、飯を食っている最中にコイツがこんなこと言うもんだから。
B(M):俺は少し恥ずかしい思いをしながらコイツに答える。
B:(小声で)……してる。

A:え?なんて?

B:(先程より少し大きな声で)……いしてる。

A:何?

B:あーもう!!
B:あ・い・し・て・る!!って言ってんだよ!!
B:何回言わせんだ、コノヤロー!!
B(M):そう周りに聞こえるくらい大きな声で怒鳴ると、彼女が困惑した顔で見つめてくる。

A:(困惑気味に)えーっと……。

B:何だよ、不満かよ!
B:(不貞腐れたように早口で)えーえー、どうせ俺なんかが愛してる、なんて言っても信用ないでしょうねぇ。
B:現に俺、彼氏じゃねぇし。
B:いつになったら振り向いてくれるんだかー?
B:俺はお前のことこんなにも愛してんのにさー!
B:いつもデカい態度とってるけど、本当はお前のことずっと抱きしめてみたいし。
B:キスだってしてみたいしぃー。
B:でもまさかお前の方から聞いてくるとはなぁー。
B:何かの罠か?これ。

A:(気まずそうに)あ、あのー……。

B:で、答えは?

A:(気まずそうに)い、いや、あのね?アイスティーいる?って聞いたの……。

B:(凄く間抜けな声で)は?

A:(気まずそうに)告白は……凄く有難いよ?
A:でも……さっきのは……アイスティーいる?って聞いたの……。
A:ゴメンね……なんか勘違いさせちゃって……。

B(M):ボンッ!!と俺の顔から火が吹いたのが分かった。
B(M):少し気まずい空気が流れる。
B(M):俺が一人死にそうにおしぼりで顔を押さえていると、彼女は笑って、

A:まぁ、私も君を愛してるけどね?

B(M):と言った。
B(M):なんだ、両想いじゃないか。
B(M):とんだ恥を掻いたが彼女がにんまりと満足そうに笑うから。
B(M):俺は彼女から受け取ったアイスティーを一口飲むのだった。


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