青き日に、一礼。
拝啓、お母様。
本日こちらは見事な晴天でした。
あなたに手紙を書くのは初めてで……少し緊張しております。
あなたと何気ない日常を過ごした日々。
他愛も無い会話で笑い合ったり……。
全て、今は綺麗な思い出です。
あなたと離れてから、毎日寂しくて泣き出しそうな時もあります。
あ、そうだ。
そちらの天気は如何ですか?
こちらは先も書いた様に見事な晴天で、大きな入道雲と熱い太陽が燦燦としております。
もしかしたら……そちらでも私が飛び立つのが見られるかも知れません。
私はあなたのことを、お母さん……と呼んだことが無かったですね。
今だから、呼ばせて頂きます。
お母さん、お母さん、お母さん。
本当は顔を見て呼びたかったのですが、手紙という形になってしまって申し訳ありません。
……嗚呼、お母さん、恋しいです。
あなただけは無事に生き延びて下さい。
死んだりしては私が許しませんよ?
私は一足先にあちらに向かいますが……あなたは末永く生きて下さいね。
お母さん、さようなら。
享年18、竹内 拓斗(たけうち たくと)。
青き日に、一礼。
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