紫陽花の様な人。
彼女には、本当に申し訳ないことをしたと思っている。
俺は彼女を守るつもりでいたのに、手を離してしまった。
朝露で光っている紫陽花の葉が彼女と居た日々を思い出させる……。
あの頃は……楽しかったな。
今でも思い出す。
彼女と共に朝日を眺め、笑い合った日々。
紫陽花の葉についた、朝露を「綺麗だ」と笑った彼女を……一生守りたいと思った……。
でも、俺と彼女は歳が離れていて……。
親の反対などあり……俺は親の勧めの相手と結婚した。
……俺の家の庭に咲いていた、紫色の紫陽花。
まるで、彼女の様に綺麗だった。
ずっと笑っていられると信じていた。
俺はもう、その庭を見ることは無いけれど……。
きっと紫陽花は、今でも咲き誇っていることだろう。
……彼女は……元気だろうか……。
新しい人と上手くやっているだろうか……。
そんなことばかりが頭を過る。
忘れてしまえたら、楽になるのだろうけど。
俺の一番愛した人だから……。
俺は忘れない。
ずっと、この先も……。
君が一番、俺の愛した人です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?