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展望: 2024 J2 第19節 清水 vs 藤枝

2024 J2前半戦の最終節、かつ、初のナイトゲームとなるホーム藤枝戦について展望を書きます。同じ静岡県勢同士、攻撃的チーム同士の試合になりますね。


藤枝MYFCとの過去の対戦成績は?

藤枝との初対戦は昨季になりますので、過去の通算成績は、昨季の成績と同じく1勝1敗。アウェイの藤枝には私も現地に行きましたが、終盤の大事な試合の中で2-0の敗戦。非常に悔しい試合となりましたね。
まずは昨季の第15節ホーム藤枝戦のハイライトです。

非常い幸先よく、中山のドリブルでの粘りから、こぼれたところを、チアゴサンタナが前半2分に先制。前半14分にPKからカルリの追加点。さらに前半17分にカルリのパスカットから北川が3点目。さらに前半27分に北爪による4点目。前半のうちに試合を決めました。更に後半27分にカルリ―ニョスの追加点。5-0という快勝でした。静岡の大先輩として違いを見せた試合になりました。
ところが、終盤戦でJ1昇格に向けて絶対に負けられない試合であった第37節のアウェイ藤枝戦。

大人数のサポーターをバックに、ベストメンバーで挑んだ清水でしたが、ホーム戦のようにはいきません。前半互角の展開で0-0。後半警戒していたこの2名にゴールを許してしまいます。まずは後半9分。中盤で受けた矢村が、ホナウドを交わすと、ペナルティエリアの外右寄りから、ニアに強烈なシュートで先制。清水の守備陣はこの位置からシュートを打ってくることを予想できていませんでした。さらに、後半25分、相手のロングボールがバウンドして浮く中で、北爪はヘディングによる権田へのバックパスを選択。ところがこのヘディングが弱く、横山がループシュート。これがゴールに吸い込まれてしまい2-0。その後攻めるももGK北村を中心とする守備に阻まれて、まさかの敗戦となりました。

今季の藤枝MYFCはどのようなチームか?

昨季は序盤6位まで浮上しながら、その後下位に低迷。ただ終盤に盛り返して14勝10分18敗の12位でフィニッシュ。昇格初年度としては上出来の成績でJ2に残留を果しました。
今季は、J3時代から4年目となる攻撃的エンタメサッカーを標榜する須藤監督が再任。選手も、シーズン途中で抜けた選手以外だと、10番横山が千葉に移籍した以外は、主力選手が多く残留。札幌から中島を期限付き移籍で、新潟からシマブクロを期限付き移籍で、東京Vから梶川を完全移籍、ルーキーとして静学出身の浅倉を獲得。戦力の底上げに成功しています。
今季の目標は、超攻撃的サッカーによる「J1昇格」。須藤サッカーで勝負の年になります。

藤枝MYFCの今シーズンの戦績は?

今季の第18節までの成績は以下の通り。

藤枝MYFC今季の成績

開幕からスタートダッシュに失敗し、3連敗も含めて11節時点では、2勝2分7敗と降格圏に低迷。ところが12節で水戸との激しい打ち合いを制してからは、ここ7試合では、5勝1分1敗と清水を上回る成績。清水も敗れたA山口以外には負けていません。どれも1点差で勝負強さも伺いしれます。ただ先に先制をされて追いかける展開だった群馬戦を除いては、ボール保持率及びシュート数共にそこまで多くなく、「超攻撃的」を掲げながらも、堅実な戦い方にシフトしているのかもしれません。

第18節終了時点のJ2順位表

順位的には現在10位。PO圏内までは勝ち点6差であり、POに食らいつくためには清水といえど勝ち点3が欲しい状況かと思います。
得点15に対して、失点は24と多め。但しこれは序盤の躓きの際にものであるため、今は守備は安定してきていると考えた方がいいでしょう。

チームスタッツを見てみましょう。

藤枝MYFCのチャンス・被チャンスポイント

どれも中位の成績で、このスタッツからは攻撃的チームという印象はもてないですね。攻撃関連のスタッツを見ていきましょう。

藤枝MYFCの攻撃関連のスタッツ

パスおよびドリブルはそれぞれ4位、5位。ボール保持率も5位と特徴は出ていますね。

最後に得点・失点パターン。

藤枝MYFCの得点・失点パターン

ショートパスからの得点が多いですが、最近はセットプレーからも増えているようです。

藤枝MYFCの予想システム・スタメンは?

藤枝MYFCのシステムは、一貫して3-4-2-1。とはいっても5バック気味の守備的な布陣というよりは、両WGには榎本、大曾根のような攻撃的な選手、ドリブラーを配置。トランジションを早く、サイドに展開して、この二人がドリブルで持ち上がるという戦い方を得意にしています。
梶川が怪我で負傷という情報があるので、左トップ下は中川なのか、高卒ルーキーの芹生なのか、静学出身の浅倉なのかはわかりませんが、おそらく下記のようなメンバーになるはずです。

藤枝MYFCの予想スタメン

注目選手はまずは何と言っても、昨季のアウェイ藤枝戦で豪快なミドルを決められた矢村健選手。

矢村健選手

とにかくシュート力が強烈。しばらく無得点が続きましたが、群馬戦で2-1の勝利に貢献する2ゴールをとってからは、「ケチャドバ」状態。前節の甲府戦でも2得点して、5得点とチームトップ。絶好調でアイスタにやってきます。何より右足のシュートには警戒が必要です。

次が、藤枝の心臓となる西矢選手。

藤枝の心臓 西矢選手

前節は累積警告で出場停止だったため、休養も十分。清水は、パスの出どころとして最大限の警戒が必要でしょう。

最後は、北村海チディ選手。

北村海チディ選手

今季は新規加入した内山選手に守護神の座を奪われますが、第9節からポジションを奪取。その後チームは調子を上げました。アフロヘアが特徴で、昨季も清水のシュートをことごとく止めましたし、足元もうまく、最終ラインのビルドアップにも貢献します。

清水の予想システム・スタメンは?

現状清水には以下の主に3つのシステムがあります。

①4-2-3-1: 乾の特徴を活かすために乾をトップ下の真ん中に置く布陣。前線の数が不足しがちなため、両WGがトップの位置に抜ける、守備時にも相手SBを押さえるといった高度な役割が求められる。両SBもWGが上がった際には一人で守り切る力が大事になる
②4-4-2: 乾不在時に北川・カルの2トップ、矢島・ブラガのSMFという布陣で用いていたシステム。2トップは中盤に落ちてゲームの組み立てに参加する役割、SMFにはサイドからゲームを組み立てる役割が求められる
③3-4-2-1: 主に守備固めの際に用いるシステム。3バックとなりビルドアップも安定。両WGに山原・吉田を置くことで、局面によって5バックとなり守備力は高くなる。攻撃はトップ下の2名に委ねられる

この3つのシステムすべてで代わりの利かない選手が2人います。
1人は北川航也選手。①および③で1トップが務まるのは現状北川しかいません。攻撃もそうですが、前線のプレスまで含めると難しいでしょう。また②の2トップも、他のFWとの組み合わせを考えた時にも北川選手の代えは居ないと思っています。
この先、怪我やコンディションなどずっと出続けられるかはわからないため、やはり北川に匹敵するFW陣の台頭が必要でしょう。個人的にはタンキが覚醒し、北川とは異なる1トップの在り方を示してくれることを期待しています。逆にJ2優勝にはタンキの活躍が不可欠ですね。
もう1人はカルリ―ニョス選手。①では左MFとして乾の補佐役、②では2トップの1角として中盤の組み立てもサポート、③ではトップ下として裏抜けから守備までこなす。こんな選手はほとんどいません。よって、今のカルリが抜けている状況は清水にとっては非常に苦しい状況ですね。
あと加えて言えば、中村・宮本の両ボランチも現状は代えの利かない選手。ここは白崎と成岡に期待ですね。

この試合、カルリが出場できないのであれば、①4-2-3-1のシステムはなかなか難しいかもしれません。そして、乾を使うのであれば、②4-4-2ははまりにくいため、選択肢としては③3-4-2-1になりますね。ただ守備の負担は全体的に増えるため、WGには吉田の起用は不可欠かと思います。

H藤枝戦 清水のスタメン予想

サブは、沖・高木・北爪・成岡・松崎・西原・タンキを予想。まず3バックでスタートするため、CBの控えが必要であるため、前々節スタメンの高木をベンチに(先発もあり得ると思います)。そしてより攻撃的に行くオプションとして右WGとして北爪。ボランチは成岡か白崎。攻撃の切り札として、松崎、そしてプロC契約を果した西原の復帰を希望。トップにはタンキを置く形でしょう。カルリが復帰できる場合には、先発をブラガ→カルリに。サブは松崎→ブラガになると思います。
藤枝と完全なミラーになるため、まずは目の前の選手に負けないことが大事。また絶対に失点は許さないという、激しいデュエルにも期待したいところ。あとは恐れずに山原、吉田、そして時には原、宮本が前にあがること。前線に走り込む選手がいないと、相手にとっては非常に守りやすくなるため。ここの運動量に期待したいところです。

最後に

清水にとっては、前半戦を良い流れで折り返すためにも、長崎戦の結果を待たずに、1位というポジションを確保するためにも、必ず勝たなければならない試合です。秋葉監督が言っているように、相手の清水対策を気にすることも必要ではありますが、より重要なのは、清水の良さを出して相手を圧倒すること。相手の対策をさらに上回るクオリティを示すこと。それが相手にとっても一番嫌だと思いますし、その戦い方をこの試合では期待したいです。
昨季の藤枝戦も、これまで清水が勝っている試合も共通するのは、前半の早い時間での先制点。逆にアウェイで良く見られるように、慎重な形で入ってしまい、相手に勢いで来られると受けて立つ形になり、流れが良くならないことがありました。なので立ち上がりからアクセル全開で、相手を飲み込むくらいの勢いで言って欲しいですね。
それでは皆様現地で。

今季初のナイトゲーム

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