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教育×哲学

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教育哲学・教育思想に関する記事です。能力主義・学歴主義批判や脱学校論、政治哲学など。 優生思想批判などの応用倫理学も扱います。 好きな思想家は、イリッチ、アリエス、フーコー、…
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2021年9月の記事一覧

消費という労働〜生徒のシャドウ・ワークで飯を食う教師〜

以前、このnoteで教員の仕事は学校が存在することで過度に生産されるという話をした。要するに…

「大学で学ばない自由」を認めてほしい〜教育格差を問い直す〜

私の家族、親戚には大卒者がいない。仲が良くて賢いおじいちゃんは中卒だし、親戚も親も高卒ば…

「大学に入らなければ、今の自分はいなかった」は本当か?

「もし大学に通っていなかったら、今の自分は本当にいなかったのか」という非常に興味深い問題…

リベラリズムとリバタリアニズムにおける「教育」の位置づけ

政治哲学と教育政策の関連について考えたい。上の図における「保守」という表現は、個人の価…

なぜ勉強するのか?に対する説明の種類

なぜ勉強するのか?という生徒らしい問いは、極めて哲学的な問いでもある。これを考えるには、…

知識と知恵の違い〜科学的な学びは本当に正しいのか?〜

知識と知恵の違いは何か「知識よりも知恵を身につける」とはよく言ったものだが、これは知識と…

キリがない「良い教育」論争

良い教育というのは存在しない。そもそも"良い"という価値判断が主観的であるからだ。良い教育は誰かにとって都合の良い教育だとしても、当人にとって悪い教育かも知れない。普遍的な良い教育が存在するのではなく、教育した(された)結果に対して、それを良いと思った人と悪いと思った人がいるに過ぎない。教育を良いものと考える前に、教育という言葉を定義しておかなければならない。広田照幸氏は「教育とは、誰かが意図的に他者の教育を組織化しようとすること」(『ヒューマニティズ 教育学』2009)と定

「障害」と呼んではいけない理由

近年では、発達障害が「増加」しているということが報告されている。我々はこの「障害者が増え…

ゆとり世代は「学力」が高いー脱・脱ゆとり教育ー

学力、なんてものはいかようにも定義し得る。一般にこの学力という言葉は、測定学力の意味で使…

「保守」とは何か?ー教育と絡めてー

保守主義とは何か。保守とは一般的に右派のことを指す。しかし、近代保守主義の祖と言われるエ…