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第2回 「70歳を超えても現役AV監督であり続ける」

Interview /村西とおる×デポルターレクラブ竹下雄真(全4回)

Deportare Club
2019.12.6

村西とおる プロフィール

前科7犯借金50億、米国司法当局から懲役370年を求刑された、「アダルトビデオの帝王」と呼ばれた男。 1948年9月9日生まれ。福島県出身。高校卒業後、上京し、英会話教材のセールスマン、テレビゲームリース業で成功をおさめた後、裏本制作販売に転じ、北大神田書店グループの会長に就任、「裏本の帝王」と呼ばれた。 その後、黎明期のアダルト・ビデオ業界に参入。「顔面シャワー」、「駅弁」、「ハメ撮り」と いった革新的なスタイルをAVに取り入れる。多くの人気AV女優を世に送り出し、1980年代のAV黄金期を築き上げた。これまでに3000本のAVを制作。2018年8月、『全裸監督(The naked director)』が Netflixオリジナルシリーズとしてドラマ化。全世界190カ国に配信。2019年11月、ドキュメンタリー映画 『M/村西とおる狂熱の日々 完全版』が公開。

人類がかつてあいまみえたことがないような映像を作りたい


竹下:

いまは「人生100年時代」と言われていて、健康に対する考え方も一昔前と大きく変化してきました。
監督は今年71歳を迎えられながら、ますますお元気で活躍していらっしゃいますが、「健康」というものをどのように考えていらっしゃいますか。

村西:
人生、健康でなければ何も始まりません。健康であるためには、おしみなくエネルギー、お金、知識などすべて総動員しなければならないと考えています。
特にこの現代における情報化社会は、人間の可能性や気力、体力などを、限界まで駆使しないと生き残れない社会であり、人類の歴史のなかで、これだけ心身ともに消耗する時代はこれまでにありません。
そこに「欲望」の可能性があるわけですが、そうした時代において、フィットネスジムなどを使って体力をつけ、体を鍛え、いかに健康を保ち、自分自身を次のステージへ運んでいくか、ということがとても大切になってくると思います。

竹下:
監督が70歳を過ぎても現役でご活躍されている秘訣とはなんでしょうか。

村西:
私はね、こういう人生を歩んできて、最近ではNetflixのオリジナルドラマなどで多少注目を集めるようになりましたが、「昭和最後の愚か者」でございます。お恥ずかしい限りですよ。
ドラマや映画でどれだけ評判を集めても、家に帰れば針のムシロ。うちの女房なんか、「アナタは一体何様のつもりなの? 前科7犯、アメリカで懲役370年も求刑された、一体アナタのどこが素晴らしいの」と言います。
「いや、私みたいな愚か者にもお声をかけてくださる方がいらっしゃるのだから、出かけなければ」と言うと、「出かけないでちょうだい。アナタみたいな人でなしは家で静かに寝ていてちょうだい、また外で何をしでかすかわからないんだから」などと言われます。

竹下:
いやいや(笑)

村西:
「アナタはどう思っているか知らないけれど、親類縁者、家族の間では、アナタは恥ずかしい男なのよ」
「いや、私みたいな男でもまだ可能性があるはずなんだ」
「アナタ、一体、いくつだと思っているの」
「まだ71歳だよ」
「『まだ』じゃないわよ、『もう71歳』じゃないの」
もうね、いつもいつもこういう会話が女房ドノとの間で続きますよ。
でもね、そこで私自身は『まだ71歳』という認識でいます。年齢を重ねても頑張ることができるのは、やっぱり目的を持つからで、きっと社長もそうでしょうけれど、世間の人たちが「村西とおると同じ時代に生きていてよかったな」「この男を生かしておいてよかったな」と思ってくれるようなものを、みなさまにお見せしたい。そう思いますよ。

竹下:
そういう目標があるから、71歳になっても頑張れるのですね。

村西:
人類がかつてあいまみえたことがないような映像を、みなさまにお見せすること。
これが私の目的であり、生き甲斐なんです。自分のお金儲けのためにビジネスを始めるのは当然ですよ。でもね、それだけじゃお金が入ってこなくなる。やっぱり他人に認められ、必要とされて初めて、ビジネスが成り立つんですよ。

竹下:
監督は初めてDVDによるアダルト向け作品を発売するなど、画期的なことを成し遂げていらっしゃいますが、それも「人類がかつてあいまみえたことがないような映像を作る」という目的のためだったのですね。
ビジネスをする上では、やはり目標を持つことが大事だというのは僕自身も実感していて、僕らデポルターレクラブも「人類の『心身の健康』を進化させる」をミッションに掲げています。
僕も大学院時代、目標指向性を研究していたのですが、トレーニングでも、目標を持って行う人とそうじゃない人とでは、結果の表れ方が違うんです。
それは人生において重要なファクターだと思いますね。

村西:
トレーニングを指導する時は、きっと最初に目標を立ててもらうんでしょう? 達成可能な目標を立てることが、まずはトレーニングのファーストステップになるんですね。

竹下:
おっしゃる通りで、まずは「いつまでに、どのような体になっていたいか」ということを、具体的に考えてもらいます。たとえば、同窓会でみんなに「きれいだね」って言われたい、とか。
特に簡単なのは、結婚式を控えている人や、階級制のあるボクシングのようなスポーツ選手で、ほぼ100%目標を達成するんです。でも、そうじゃない人はほとんど結果が出ない。まして知人や友人に勧められ、あまり乗り気じゃないのにジムへ入会した人は、間違いなく結果が出ない。
明確な目標がある人は、必ず結果を出すんですよね。

村西:
まず自分自身の想像力の欠落した部分を補わなければいけないということなんでしょうね。
成功例を目にすることができれば、「私もこうなりたい」「この人が教えてくれるならやってみよう」という気持ちが芽生えるでしょう。
人間も60歳を過ぎた頃から、孫の面倒を見たり、庭いじりをしたりする人が増えますが、60歳になってもなお、「もう一度、新しい人生を築こう」という挑戦を始めるのもいいことだと思います。

竹下:
これから2025年問題と言われるように、どんどん後期高齢者が増えるなかで、元気な人が少なくなれば、国自体が落ち込んでしまいます。そのなかで、監督のようなエネルギッシュな方にお話をお聞きしたくて、今日はお越しいただきました。

現在、71歳。年齢は武器である

村西:
自分自身は71歳ですけれどね、これはハンデとは思わない。むしろ私自身、年齢は武器だと思っているんです。
だって71歳でこんなうすらバカみたいなことをやっている人はいないでしょう?
年齢というのはね、みんなハンデと思っちゃダメですよ。
60歳になって還暦を迎えても、「これで人生一区切りつきました」と考えるのではなくて、ここを新たなスタートと考えて、「人類で誰もやったことがないことをやる」、そんな挑戦意欲を持つことが大事だと思うんです。
年齢というのはね、ある種の、新しい武器を持つことなんです。

竹下:
村西監督は、自分のモチベーションをあげるためには何が必要だと思われますか。

村西:
それは“福沢先生”ですね。
モチベーションをあげるために必要なもののひとつが、ギャラです。
私はね、福島県の工業高校を卒業後、上京して2年間程の水商売を経て、英会話教材や百科事典の営業マンをしていたんです。
ある時、全国1位の営業成績をとりました。その時に私の武器になったのは、私の信用力をどれだけ担保するかってことだったんです。

竹下:
どうやって担保されたんですか?

村西:
簡単です、これまでご契約いただいたお客様の契約書をいつも持ち歩いていたんですよ。昔は今ほど個人情報に関する規制が厳しくありませんでしたからね。
セールストークをしている時にサッとその契約書を取り出して、「これは守秘義務ではございますけれど」と言って、今まで私がご契約いただいた方の資料を簡単にお見せいたします。
「この方は東京大学ご卒業で●●の企業にお勤めで、こちらの方は京都大学ご卒業で○○のお仕事をされていらっしゃって……」と、100枚くらいお見せするんですよ。
場合によってはお電話をお借りして、「ご本人にお電話してみましょうか」とおかけします。
「もしもし、鈴木さんですか。村西でございます。ただいまご紹介したい方がいらっしゃいまして、その方が毎日15分ずつ英語の勉強をしたところで、本当に英語で啖呵をきれるくらい力がつくのかって、疑問に思っていらっしゃるんですよ。いかがでしょう、ご自身の体験を一言お話しいただけませんか」と。

竹下:
今なら携帯電話があるから簡単でしょうが、当時は大変だったでしょうね。

村西:
そうですね、当時は公衆電話などを使いながら、お話しさせていただきました。私は心から「この方のためになる」と思っておりましたから。
お電話をその方に替わると「えっ、そうですか、わかりました」って途端におっしゃるんですね。そして、「じゃあ、やってみようかな」となる。
しょっちゅう、エリートのお客様にお電話するわけにいきませんから、大抵、近場の寿司屋の親父に電話させていただいていました。

竹下:

村西:
いや、事実をちょっと語ってもらうだけなんですけどね、そうやって証明することが大切です、社長。
そもそも営業は、その人のためになり、その人の人生を豊かにするものを売るのが仕事。
社長のように、トレーニングを指導するという仕事も同じだと思いますが、「いま、始めれば半年後や2年後にはこうなりますよ」っていう安心をお伝えすることで、誰でもやる気になるものです。

竹下:
おっしゃる通りで、僕らも広告は一切していなくて、基本的にはクチコミだけで会員様を募集してきました。それはやはり、その方自体が媒体になっていただくことが大事だと思うから。
元気でなかった人が元気になったり、健康でなかった人が生き生きとアクティブになったり、その様子を見て、周りの人が「自分もやってみたい」と思える。そうやってトレーニングを始めることが大切で、その場所は僕らのジムでなくても構わないと思っています。

村西:
いや、素晴らしい。「僕らのジムじゃなくても」って言えるのは本当に素晴らしいですね。「みなさまのお力になれれば」というお立場ですよ。素晴らしいですね。

竹下:
ありがとうございます(笑)

(つづきます)

2019.12.13

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CONTENTS
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第2章 超人化計画1 運動でミトコンドリアの量を増やす
第3章 超人化計画2 解毒でミトコンドリアの質を上げる
第4章 超人化計画3 食事でミトコンドリアの質を強化する
第5章 Q&A超人をめざす人のために
対談 超人たちをつくってきた二人清宮克幸×竹下雄真

村西とおる氏登壇付き、ホラ貝上映イベント開催決定!のお知らせ

『M/村西とおる狂熱の日々 完全版』

日時 2019年12月10日(火)20:00回

会場 池袋シネマ・ロサ

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