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コンサル価値と位置エネルギー

みなさま、こんにちは。元経営コンサルタントのDEOKOです。このnoteではコンサルティングノウハウについてみなさんにお伝えするのですが、私自身はもうコンサルティングをやめました。クライアントの企業さまには大変無理を言って、担当を外れさせていただきました。でも、またいつか始めるかもしれません。このことについてはまたどこかで。

復習:コンサルティングの価値

さて、前回の記事では、コンサルティングの価値が以下の2つであることをご紹介しました。

①位置エネルギー

②実行力

もちろん、他にもいろいろな説明の仕方があるでしょうし、どういったファームでコンサルティングをしてきたかによっても、答えが違うかもしれません。この2つにしても、コンサルタントが大好きな「MECE」な状態かといえば、そうでは無いように思います。しかし、私が新人コンサルタント(いわゆるアソシエイトとかそういう人たち)を教育する際には、この2つを切り口にコンサルティングスキルを分類し、教えていました。当時、私より新人教育が上手いコンサルタントは、私の職場にはいませんでした。

位置エネルギーとは?

「位置エネルギー」覚えていますでしょうか?中学校か高校の授業で習いましたよね。重さ✕重力加速度✕高さで求められる値でしたね…😏?。重力加速度は、不変の値ですから、重さと高さによって大きくなる性質があると考えればよいです。

実は、コンサルティングの価値の源泉は、この位置エネルギー(もっというと、情報の位置エネルギー)の考え方をもつことで、理解しやすくなります。ここでは、重さと高さを以下のように解釈しましょう。

質量:課題の質

高さ:知見のギャップ

質量:課題の質とは?

質量というのは、物体そのものがもっているポテンシャルだと考えられます。コンサルティングでいえば、物体は「情報」です。情報のポテンシャルということですので、ここでは、「課題の質」と捉え直します。課題の質というのはとても難しいですが、どれだけ必要とされるかということです。コンサルティングをする上で、自分が解決できる課題は誰が、どれくらい必要としていることなのか、をよく考えないといけません。シニア世代にして、フォロワーが10万人を超えるじっちゃま氏は、そのあたりについてこんなツイートをしていました。

ちなみに、対個人ではなく、対法人になれば、基本的には「カネ」の話につながる課題になります。最終的にROEの最大化に繋がらない課題を経営者は無視します。

高さ:知見のギャップとは?

高さは、落ちる物体と、基準になる位置との相対的な距離です。コンサルティングでいえば、コンサルタントと顧客の相対的な知見のギャップ・乖離が高さに相当します。知っているレベルの違いですね。私はよくメンバーに「コンサルティングは知見のアービトラージだ」と話してきました。課題の質が高いほど知見のギャップも生まれやすい関係にはあると思いますが、とにかく、クライアントがやりたいのにやれないこと、そして私はそれがどうあるべきか、どうすべきかを知っているという状態であれば、コンサルティングは高い値決めができる可能性が出てきます。

ちなみに、ギャップがあるか?と確認することも必要ですが、ギャップをつくる、広げるということもコンサルティングにおいて重要なスキルです。これはまた今度解説したいと思います。

稼ぎたければ、位置エネルギーを最大化せよ

まとめになりますが、位置エネルギーを最大化することが、コンサルティングの価値を高める上での基本であり、それが価値の源泉であると考えてください。つまり、課題の質が高く、クライアントと自分の課題解決力に大きな隔たりがあること、それがコンサルティングを始めるみなさんにとって基本中の基本であるということになります。

もし、みなさんのもっているスペシャリティや技術が、例えばあまりに高度過ぎるなどの理由で誰にも求められないのなら、それはコンサルティングで収益を出すことが難しいのかもしれません。

もし、みなさんの着目している課題はとっても困っている人が多いとして、みなさんがもっている知見レベルがクライアントと大差ないのであれば、かなり苦しい、いわばアウトソーシング先程度のポジションにしかつけないでしょう。

最後に少しネガティブなことを書きましたが、コンサルティングは、その道のプロであれば誰でもやれるわけではなく、みなさんの専門性が、世の中の人が困っていること、欲していることにつながっていなければ、なんの価値も生まない、ただの偉そうな人になってしまうのだということを、よく考えておきたいですね。せっかく副業を始めてヘイトを集めていたのでは、何をしているのか分かりません。

みなさんは誰のどんな課題解決を支援して、対価をいただきますか?


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