見出し画像

ロッキーマウンテン国立公園

ロックダウンでどこもいけないのでこれまでつけてた日記と写真を整理する日々です。今回はコロラド州にある高い山々とロッキーマウンテン国立公園についてご紹介していこうと思います。

コロラド州は14er(フォーティナー)と呼ばれる14000フィート(≒4200m)超の山が50以上あり、気軽に富士山より高いところにいけます。研究室の同僚たちは毎週末夏はハイキング、冬はスキーに繰り出し、どこそこの山は野宿しやすい、夏休みは1週間山を歩き続けるぜ、といった話で盛り上がっていますが、こちらはアメリカに来るまでアウトドアと無縁の生活をしていた身、子連れでキャンプはあまりにハードルが高い。コロラドには子連れでも車で気軽に行ける山がいくつもあるので、インドア派や子連れでも行ける山々をいくつかご紹介したいと思います。

パイクスピーク

パイクスピークはデンバーの南、コロラドスプリングスから大体1時間ほど行ったところにあります。標高4301mと高いのですが、山頂まで車と登山電車で登ることができます。登山電車は開業1890年と古く、コグ(歯車)鉄道という名前の通り2本のレールの間に設置されたラックレールに車両側の歯車を噛み合わせて勾配を上る、ラック式鉄道という種類の山岳鉄道だそうです(Wikipediaより)。「世界一高い登山鉄道」と言われ、頂上までの道のり約14キロメートルを1時間15分ほどかけて登って行くそうで、かなり急こう配を無理やり上るのでスリルがあって楽しいみたいですが、あいにく2018年から2021年5月まで大規模な修理中です。いまは自家用車や車のツアーでも山頂まで行くことができます。途中からは森林限界(Tree line)より上を走るので、火星のような景色の中を運転することができます。ただしガードレールなんてものはほとんどないので、落ちたら間違いなくぺしゃんこになる崖の上を走り続けるので、高所恐怖症で観覧車にも乗れない僕たち夫婦は冷や汗をかきっぱなしで運転していました。山頂では気圧のせいか生焼けのドーナッツが名物で売ってたりと観光を楽しむことができます。また、コロラドスプリングスにはガーデンオブゴッドという小規模なアーチズ国立公園のような場所もあったり、さらに南に行くと温泉もあるので観光がいろいろ楽しい場所です。

画像6

コグ鉄道の駅。閉鎖されていて誰もいませんでした。2021年5月に順調に復活することを願っています。

画像6

助手席からの写真。こうしてみるとそれほどでもありませんがガードレールがないのは本当にこわい!

画像7

山頂の駅。5月末ですが雪が残ってます。

マウントエバンス

マウントエバンスはデンバーの西、I-70からちょっと行ったところにある標高4350mの山です。こちらは電車は通っていないので、山頂までは自動車で行くことになります。パイクスピークと違って山頂にお土産物屋などはなく、観光地化はされていませんが、よりロッキー山脈に近いので山頂からの景色はパイクスピークよりきれいで、国立公園の年間パス(アメリカざビューティフル)が使えます。山頂でマウンテンゴートの一家と会えるのと、山道がパイクスピークよりは怖くない、というのも利点でしょうか。

画像8

酸素が薄いため山頂はちょっと歩いただけで頭痛がしてくるのですが(娘はちょっと走ったあと頭痛でダウンしてました)、毎年6月には山頂まで登る高低差1500m以上の狂気のハーフマラソンが開催されます。元陸上部の日本人がパルスオキシメーターを持参してレースに参加して完走したのですが、最低酸素飽和度60%まで低下したと笑っていました(正常は97%で90%切るとすごい苦しい)。

ロッキーマウンテン国立公園

ロッキーマウンテン国立公園はデンバーの北西、約2時間(ボウルダ―からは1時間ほど)に位置する国立公園で、とにかく山、山、山を楽しむ国立公園です。公園の東の入り口にエステスパークという町があり、コテージやホテルがいくつもあります。また、半年前から予約でいっぱいですが公園内にキャンプグラウンドもありますが、デンバーからなら日帰りでも一通り楽しむことができます。アメリカの国立公園で来場者数第3位(2015年)と非常に人気の公園ですが、なぜか日本ではほとんどなじみがない公園です。

画像9

ボウルダ―から車で向かうとエステスパークの玄関口にエステス湖がお出迎えしてくれます。とてもきれいな湖で、鹿が泳いで渡っているのを見つけたり、街の中をエルクの群れがお散歩しているのをみかけたりしました。湖からみえる高台に瀟洒な白い木造のホテルが建っています。映画「シャイニング」の舞台にもなったお化けホテルで、お化けツアーができ、すべての部屋にシャイニングのDVDが置いてあるようです笑。一度家族で泊まってみましたが、その時はお化けに会えませんでしたが暗い廊下でいかにも「出そう」なホテルでした。

ロッキーマウンテン国立公園の入り口は東に2か所、Beaver MeadowsとFall River visitor centerがあります。どちらも土産物屋が充実していてトイレ休憩にも最適ですが、Beaver Meadowsのほうが大きくてきれいです。学校が夏休みになる5月末から9月はじめがハイシーズンですが、8月になると午後に雷雨が降りやすいので、6、7月に行かれることをお勧めします。冬もソリやクロスカントリースキー、スノーシューズなど楽しいことがいっぱいですが、夏が一番お手軽ですね。

トレイルリッジロード

ロッキーマウンテンを東西に貫く48マイルの道路で、正式名称は34号線。富士山ぐらい高いところ(12183 feet=3713m)を通り、continental divide(大陸分水嶺)を横断します。パイクスピークなどと違って山を登るのではなく尾根を通るのであまり怖くない道路ですが、ヒョウに降られたり夏でもすぐ氷点下近くまで下がるので服装は気を付けたほうがいいです。最高点付近にVisitor centerがあり、お土産屋さんやトイレ、ハンバーガーやチリコンカンなどが食べられます。 また、ここから15分ほど歩くと西側の山がよく見える場所があるので少し歩いてみることをお勧めします。

画像9

左下に見えるのがビジターセンターの駐車場です。標高が高いせいか空の青が深いです。山の上にみえる白いものは氷河(glacier)です。

ビジターセンターから20分弱進むときれいな湖があり、そこに小さな看板が。大陸分水嶺の看板です。看板はちっちゃいですが「これより西は大西洋、東は太平洋に流れる」という文章が壮大でロマンがあふれます。

画像10

トレイルリッジロードの途中にいくつかビューポイントがあります。10月以降はビジターセンターの手前で閉鎖されますが、レインボーカーブ(下の写真のところ)までは入れました。また、トレイルリッジロードの入り口側にヒドゥンバレーという谷があり、冬はクロスカントリースキーやソリが楽しめます。特にソリはロッキーマウンテン国立公園ではここしかできません。

画像11

レインボーカーブ。きれいなパノラマが広がりますが、広大すぎてうまく写真がとれない笑

画像9

hidden valley。ソリはレンタルとかないので持参しないといけませんが、近くに暖かいトイレはあります。

ベアレイク~ニンフレイク~ドリームレイク~エメラルドレイク

おそらくロッキーマウンテン国立公園で一番人気のトレイル。朝いちばんに行かないと駐車場が満杯で停めることができません。シャトルバスがエステスパークやビジターセンターからでていますので、ハイシーズン時はそちらを利用したほうが無難です。

ベアレイクは駐車場から5分も歩けば到着する湖ですが、ハレットピークとロングスピークの景色が一望できます。冬は湖面が凍結して反対側まで歩くこともできます。

画像10

目の前に見えるのがハレットピークです。

湖を右手に山道を進んでいきます。だいたい1kmぐらいでニンフレイクにつきます。蓮がいっぱい浮かんでいるので、湖の妖精が出そう、ということでついた名前でしょうか。ニンフレイクを通り過ぎるとだんだん傾斜がきつくなっていきますが、山から見える景色も素晴らしく、休みながら登っていけばドリームレイクに到着します。ここは魚が釣れるようでいついっても釣りをしている人を見かけます(許可制です)。

画像11

ニンフレイク。ハスがいっぱいです。大きさは三四郎池ぐらいでそれほど大きくない印象でした。

画像12

ドリームレイクから流れる川。ここに行く少し手前にもきれいな滝や橋があり、美しい道です。

大体3㎞ぐらいで目的地のエメラルドレイクに到着します。最後の上り坂が結構長くて辛いですが、エルクや鹿がこのあたりに住んでいるので運が良ければみれるかもしれませんし、リスもいっぱいいます。

画像13

エメラルドレイクの奥にはいくことができず、ハレットピークを登る場合は別のルートから進むようです。往復6㎞程度ですが標高が高いので無理は禁物ですが、この国立公園の中では簡単にもかかわらず景色が美しいため人気があるようです。

以上、三歳児を連れても登れるコロラドの山をまとめました。坂道が多いので車は4WDのほうが馬力が出ますがセダンも普通に走ってますし、歩きやすい靴と防寒具、それと水をしっかり用意すればそれほど心配ないと思います。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?