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技術士二次試験対策『高層ビルの設計』

こんにちはー!電TAROです。
本日のキーワード情報をあげさせて頂きます!
キーワード集作成のご参考にして頂ければ幸いです。
YouTubeでも技術士二次試験に関する情報を挙げていますので宜しければご訪問下さい!


【高層ビルの設計】に関する情報まとめ

 本日は、技術士二次試験問題Ⅱ-2において出題される施工管理・設計に関するキーワード情報です!

【概 要】

 高層ビルを電気設備設計をする上際には、通常の建物とは違った特徴があることから、注意すべき点がある。その特徴や工夫点は、技術士二次試験でも問われる内容となるため抑えておく必要がある。

【高層ビルの特徴】

《大気状態による対策》

 風の強さは地上70m付近で最大風速となり,170m,250m付近で再び強い風速となる。このように高層ビルでは、強い強風を受けることからそれを想定した設備配置や金具の選定等が必要となる。また,超高層ビルは都市上空の大気汚染の影響をそのまま受けることになる。そのため、表面の塗装等の考慮も必要である。こうした通常の状態で,各種「電気設備の工事方法」に対する備えが必要となる。さらに,建築物に雲が通る場合もあるため,雷害を受ける頻度も高くなる。接地を考慮した十分な対策を行う必要がある。

《熱負荷量》

 高層ビルは、昼・夜間の輻ふく射しゃ熱による直接的影響や冷暖房負荷量の増加もあることから,電気需要の増加に対する省エネ対策も検討する必要がある。

《光の影響》

 高層ビルは,周辺の影響を受けず太陽光や天空光が直射するため,その影響が大きい。室内に入れる輝度バランスの考慮も必要がある。

《災害の被害拡大》

 高層ビルは,地震や洪水、台風等の災害において、通常の建物と比較し避難の難しさから人命保護や建物及び施設物の保護について考慮が必要であり、総合的な統制システムの構築および避難所に関する事項を検討する。

【高層ビル設計における対策】

《受変電設備の分散》

 高層ビルは,垂直的に高く,水平的にも大きくなる。そのため,電力負荷は大きなる傾向がある。これは受変電システムの規模と幹線に大きな影響を及ぼし,電圧降下も大きなる。また、直射光の影響と直撃雷の被害も増加する。こうした超高層ビルがもつ特徴から「電気室」の施設位置が重要となる。通常は負荷の中心性によって,大規模な電力負荷が存在する設備階に「中間電気室」を設置し、ここから、負荷パターンに合わせてサブステーションを設置する。

《発電機の設置》

 大型ビルでは「消防法」及び「建築法」に基づいて,災難及び火災に備えた非常発電システムを構成する必要がある。超高層ビルの場合には,非常時の備えのほかに,コージェネレーションシステムによるピークカット運転非常用エネルギーの確保が検討できる。

《幹線ケーブル》

 高層ビルに施設される幹線は,種類が多様化し、大型化している。負荷も大きいため、電圧降下に対して考慮し、ケーブル種別を選定する。また、火災に対する対策として、耐火ケーブルを採用する等の工夫も必要である。

《照 明》

 高層ビルの高層部は,外部から光を失うことなくそのまま受けるため,外側と内側の照度差が発生する。これに対して内側の照度を高める「PSALI照明方式」か,外部の光を抑制し,照明制御を行う。また、建屋側にて彩光調整をすることも有効である。

《情報通信》

 高層ビルでは,ビルにおいて欠かせない「音声・映像・データ」について伝達し,管理することも重要である。ICT技術を活用したスマート化にいても検討し、その際は、セキュリティー面においても十分検討する。通信方法としては、LPWAなどの無線技術においても適応できないか検討することも必要である。

《防 災》

 高層ビルは,災害が発生した場合,人命に対する「避難システム」と建物及び施設物保護のための「耐震設備」「防火区画」「消防設備」などが大変重要で,またこれらを総合的に指揮・統制する「防災センター」の施設が重要である。特に高層ビルにおいては、各設備の防災連動についても考慮し、住民の避難がスムーズに出来るように設計する。高層ビルの耐震防火区画の事項は「建築法令」で,電気・機械・消防設備は「消防法令」で定めている。

《避雷及び接地》

 高層ビルは、雷雲による落雷が発生する機会が多い。したがって,建築物に落雷が多数発生し、建築物の上部だけでなく側面部の落雷(側雷)まで考慮した最上の保護等級で設計する必要がある。多数の落雷は建築物の建物内部のサージに弱い精密機器に影響を与えるため,できれば落雷を受けないようにサージアブソーバの設置や適切なSPDの回路の設計を検討する。

《受電方式の検討》

 ビルの高層化により,負荷分布が垂直方向に増加する。受変電設備も従来のように地下に設け400V、200Vの低圧幹線で供給する方式では地下変電設備および幹線容量の増加,低圧側短絡容量の増大,負荷端の電圧降下などの面で不利となり、災害時の被害も大きくなる。そのため、受変電設備を中間階から分散し最上階に設けるのが有利である。特に信頼性を向上させるにはスポットネットワーク方式を検討する。

【コメント】

 施工管理・設計に関する問題は、問題Ⅱ-2で出題されます。電気電子部門で受験予定の方は、高層ビルに関するパターンは十分出題される可能性があるため、ぜひ抑えておいて下さい。

参考・引用資料⇒
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/31/3/31_195/_pdf/-char/jahttps://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1968/10/1968_10_05.pdf

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