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医療系国家試験の流行りタクソノミー

こんにちは、デンタローボです。
今回は、いま医療系国家試験の中でも流行りのタクソノミーについての記事です。
このタクソノミーは近年の試験や教育ではかなり意識されている考え方なので、わかり易く解説していきます。

この記事をオススメする人

・タクソノミーについて知りたい人
・医療系の国家試験に挑む人

この記事の結論

近年はタクソノミーの高い問題を多く試験に取り入れることで、臨床での思考能力を見ようとしている。タクソノミーの高い問題への対策が今後の国家試験対策のポイントである。

タクソノミーとは?

タクソノミー(taxonomy、評価領域分類) 教育目標毎に問題の解答に要する知的能力のレベルを分類したもので、一般に認知領域ではI・II・III型に分類される。I型は単純な知識の想起によって解答でき る問題であり、II型は与えられた情報を理解・解釈してその結果に基づいて解答す る問題であり、III型は設問文の状況を理解・解釈した上で、各選択肢の持つ意味を 解釈して具体的な問題解決を求める問題である。
厚生労働省HP 平成30年版歯科医師国家試験出題基準 より引用

これは、歯科医師の国家試験の出題基準の中の一文です。
ここでも説明されているように、タクソノミーとは、ある問題を解く時に、解答する側(受験生)が何回自分の頭で考えることが必要かを1~3段階で分類したものです。
タクソノミーの段階が上がるほど思考が必要となります。(簡単にいうと頭を使わないと解けないので難易度が上がります。)

そして、このタクソノミーに関しての出題基準への記載は、歯科医師国家試験だけではなく、医師国家試験、看護師国家試験にも記載されています。
これはもう医療分野の国家試験の流行といえそうですね。

タクソノミーⅠ型(単純想起型)

<設問→想起→解答>の流れで解ける問題

歯科医師国家試験 113A-13 

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この問題みたいに、単純に『これは何ですか?』と聞かれる問題が、タクソノミーⅠ型に含まれます。以前の必修問題は、ほとんどこの形式でした。

タクソノミーⅡ型(解釈型)

<設問→解釈・理解→診断→解答>の流れで解ける問題

歯科医師国家試験 113A-48

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この問題みたいに、問題文と写真から情報を集めて、理解して解答を出す問題が、タクソノミーⅡ型に含まれます。
情報から解答を出すまでに頭を使って考えなければいけないので、Ⅰ型よりは難しくなります。
臨床問題や一般問題の一部に多く出題されています。

タクソノミーⅢ型(問題解決型)

A.<設問→解釈・理解→判断>
B.<選択肢→解釈・理解→問題解決方針>→AとBを合わせて思考して解答をする

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この問題みたいに、まず設問と写真から心臓にペースメーカーが入っている事を判断する。(1回目の思考)
選択肢を見て、電流が流れるもの(ペースメーカー禁忌のもの)を判断する。
(2回目の思考)
この2つを合わせて解答を出す問題がタクソノミーⅢ型に含まれます。この形式は臨床問題の中では1番理想的といわれてます。

歯科医師国家試験では、現状そこまで多くは出題されていません。
というより、作る方も難しいので実際のところはこれを狙って作っているけど結果Ⅱ型になってしまっている問題やひねりすぎて採点対象外になってしまうモノが多い印象です。

近年の歯科医師国家試験が難化している原因は、このタクソノミーⅡ型の問題が増加していることにあると思います。
つまり、暗記は大切ですが、記号的な丸暗記をしていては正答を導けないように変化してきています。
この流れは今後どんどん加速すると思うので、トレンドを掴んで、タクソノミーⅡ型を制するものが国家試験を制するようになっていくと予想されます。

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