義歯調整の勘所3

どうも勤務歯科医師のかずぴんです

義歯の痛みに対する私の考え方、対応

について書いてみます。

いつも義歯をみるときは、義歯における変化を常に考えます。義歯の人工歯が最も早く変化しうる要素であるので、まずそこから考え始めます。

新製直後の義歯でない場合は特に、人工歯の形態変化、つまり咬耗を痛みの発現の起点と考えます。

従来でしたら、義歯内面の潰瘍を確認し、床の内面調整で終えていたのですが、咬耗が痛みの原因になり得ると考え始めてからは、少し変わりました。

まず、患者は多くの場合左右どちらかを習慣的な咀嚼に使用していることが多いです。で、習慣的に高頻度で使用する部位は咬耗が特異的に進行します。

義歯においても同様です。義歯に使用する硬質レジン歯などは、むしろ早く咬耗すると考えていた方がよいかと思います。

習慣性咀嚼側の義歯咬耗が進行し咀嚼効率が低下し、普段の食物粉砕に要する力が増大した結果、おおきな咬合力を義歯に伝えなくてはならない状況となり、結果、床内面の粘膜に痛みを発現する。とは考えられないでしょうか。わたしは、いつも、義歯の痛みに対しては、内面調整を行うことはもちろん、当該部位の人工歯の使用状況を確認し、咬耗が認められれば咬耗の修理を行います。

人工歯を削るんではなく、咬合をあげるんです。だって、咬耗してますから。

「入れ歯の切れ味がおちてきて、無理に噛んでいるからはぐき痛くなるんですよ。入れ歯の歯もよく切れるように治しますね」

と言っています

多くの場合受け入れてもらえるようです。

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