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What does mean India to you?

「あなたにとってインドってなに?」

ぽーんと飛んできた質問が、ここしばらく頭の片隅
いや結構真ん中に近いところを漂っています。

漠然と惹かれた国
唯一自分で興味をもった国
いまの生活が始まるきっかけになった国
ということは人生を変えた国?

なにか綺麗な言葉でまとめる必要もないなら
事実として、初めて訪れた日本以外の国
そして初めての海外がインドで良かったと思える国

とか、色んなことを考え始めると
「俺にとってインドは〜」なんて語り出しが出来るほど
まだまだインドのこと知らないじゃん!に至り。

「インドに行ったら価値観が変わる」
よくある言葉だけど、自分にとってのインドはここに当てはまらなくて、
言葉を揃えて言い換えるとすれば
「インドに行って自分の価値観がはっきりした」
という言い方がしっくり来る。かなりのしっくり。

インド、その自然は美しくも苛烈。
人間は心暖かくもまた強烈。
インド・・・それは人間の森。
木に触れないで森を抜けることができないように
人に出会わずにインドを旅することはできない。

地球の歩き方 インド 「はじめに または おわりに」の言葉より

この文章を読んだとき、きっと「人間の森」を客観的に見てしまうと思う。
自分は今から人間の森に進入するんだ、と。

インドに立ち入ってまず思い知らされたことは
人間の森に立ち入った瞬間、自分自身も森の中の1本の木でしかない。
ということだった。

もちろん特有の文化の外にいる、海外旅行者という立場はあれど
そのバイアスすら霞んでしまう程の大洪水に飲まれる。

大半の人のインドに対するイメージは”カオス”という一言で
片付けられてしまうし、まったく間違ってない、カオス!
でもそこには確かに活気がある。
常人なら1日でオーバードーズ待ったなしの活気。と瘴気。

インド人は嘘をつく。これもよくある言葉。
確かに仕事をしていても毎日嘘をつかれる。
嘘をつかせないのが仕事のひとつになってる(むしろ大半を占めてる)くらい平気で嘘をつく。
行間を読むだとか、常識だとか、そういう感覚は存在しない。
ちょっと油断するとありえない角度から足をすくわれる。

真偽は不明だけど、気になる話を聞いたことがある。

例えばインドへ旅行に行ったとき、自分が乗るべき電車が
何番ホームから出発するかわからなかったとする。
近くにいた気の良さそうな現地民に切符を見せて尋ねる。

「この電車に乗りたいんだけど、何番に行けばいい?」
現地のおじさんはニコニコと即答する。
「2番!そこで待ってればOK!」
言われたとおりの場所で電車を待つ。
自分がのるはずだった電車は反対側のホームに到着した。

「ちくしょう!あいつ嘘吐きやがって!」

もちろん怒って当然。でもおじさんは嘘をついた訳では無い。
これにはインド人の価値観が背景にあるらしい。

インドではなにか人に尋ねられたときに
「知らない」「わからない」と答えることが悪とされているらしい。
なんでもいいから相手の求めてる答えを渡してあげることこそが、美徳。
とんでもないありがた迷惑である。

―深い森を歩く人がいるとしよう。
その人が、木々のざわめきを、小鳥の語らいを心楽しく聞き
周りの自然に溶け込んだように自由に歩き回れば、
そこで幸福な1日を過ごすことだろう。
だがその人が、たとえば毒蛇に出会うことばかりを恐れ、
歩きながらも不安と憎しみの気持ちをまわりにふりまけば、
それが蛇を刺激して呼び寄せる結果になり、
まさに恐れていたように毒蛇に噛まれることになる―

インドのことわざ

仕事をしていても心の底からうんざりすることもある。
むしろうんざりベースで、上出来なんて滅多に思わない。
でもどうしても嫌いになれないのは、そこに悪意が無いからなのかもしれない。
と、書きながら悪意があるとしか思えないような対応を思い出す。
でもどうしても憎みきれない、まんまとやられてる。
いや、でもやっぱり文字にして許すわけにはいかないな、ジレンマ。

「インドに行って自分の価値観がはっきりした」

具体的にこれがこうでこう思う、という感覚ではなく
こう生きているからこう思える、でもなく。
はっきりしたことはまだ言えそうにないけど、
人と人との距離や、底にある考え方、人懐こさ、優しさ。これが自分にとっての正解だったらいいなと思える。

どうしても嘘つき詐欺師汚いカオス!ばかりが
フォーカスされがちな国だけど、どこにも負けない美的感覚もあり。
ここにしかない、五感が飲み込まれる感覚にいつまでも襲われていたい。フリークだ。

インドをハリーポッターシリーズに例えたら(?)
俺はまだ賢者の石すら読み終わってなくて。
でも絶対にこの先も面白いしどんどん夢中になるって確信してるし、
きっと最後まで読むのをやめないと思う。

インドで体感できるすべてが魅力的で、心地が良くて、
否が応でも感情的にさせてくれる場所。
こうありたいと心のどこかで目指している生き方を見せてくれる。

いまはこれくらいの理由でインドを好きでいる。



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