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寝かしつけラジオ

 育児の分担は家庭によってそれぞれだろうけど、自分は寝かしつけを担当している。新生児期に「授乳してそのまま寝落ちするのは良くない」みたいな話(理由は忘れた)を聞いてから、寝かしつけを担当することになって約3年経った。

 寝かしつけは1日の育児の最後の関門。これが終われば束の間ののんびりタイムが待っている。週末なら寝かしつけ後にDAZNでセレッソの試合を観る。寝かしつけで一緒に寝落ちしてしまうと、この時間が無くなってしまうので寝落ちする訳にはいかない。

 日中の遊びや食事と違って他の家庭の寝かしつけの様子を観る機会はなかなか無いので、寝かしつけは各家庭でガラパゴス化が進んでいるような気がする。音楽をかける or 静寂にする、真っ暗にする or 少しだけ明かりをつける、胸をトントンする or 手を握る…など。我が家では静寂にして真っ暗な中手を握って寝かしつける。完全に眠りにつく前に手を離すのはNGだ。

 疲れた1日の最後に布団に入って30分〜1時間眠らずに横になるというのはなかなか難しい。早く寝てほしいという焦りが出たり、気づいたら一緒に寝てしまっているということもある。そこで取り入れたのがラジオ。イヤホンを片耳にだけ差してラジオを聴く。スマホの明かりがあると子供が寝てくれないので、画面は真っ暗にしてラジオを聴く。これを始めてから「早く寝てくれないかな〜」と焦ることも減り、寝落ちすることはほとんどなくなった。


 親の運転する車の中や受験勉強のお供など、テレビやインターネットが当たり前の同世代でもラジオに触れる機会があった人も多い。
 ただ自分はこれまであまりラジオに触れる機会はあまりなかった。そんな自分が社会人になって子供が生まれてからラジオの魅力を知った。寝かしつけしながら聴くラジオはもはや無くてはならない存在だし、きっとこの先子供が成長して寝かしつけしなくなっても、思い出として残るはずだ。今回は寝かしつけしながら聴いているお気に入りのラジオ3番組を紹介する。


1.「まいにちスペイン語」

 NHKラジオの語学講座。コロナ禍の影響でスペインへの新婚旅行に行きそびれたのをきっかけにスペイン語を勉強し始めた。勉強と言ってもラジオの聴き流しがメインだが、それでも聴き取れる単語は少しずつ増えてきた。

 スペイン語には英語と音が似ているものもある。例えば、薬局は英語で"pharmacy(ファーマシー)"で、スペイン語では"farmacia(ファルマシア)"だ。これだけだとよくありそうな話だが、より興味深いことがある。
 朝食は英語で"breakfast"。"break"が「壊す」という意味で"fast"が「断食」という意味だ。「(夕食から朝食までの間の)断食を壊すもの」というのが"breakfast"の語源だ。一方でスペイン語の朝食は"desayuno"で、"des"が否定の接頭語で"ayuno"が「断食」という意味だ。音は全く異なるが「朝食=断食を壊すもの」という概念が英語とスペイン語で共通している。これまでスペイン語を勉強していて最も面白いと感じた点である。

 いつか行く予定のスペイン旅行に向けて、語学学習だけでなくスペインサッカー(ラリーガ)も見始めた。お気に入りのチームはセビージャだ。ここ最近は低迷しているが、3強を脅かす存在へと復活することを期待している。夢は現地でセビージャの試合を観戦した後、バルに入ってセビジスタ(セビージャのファン)とスペイン語でサッカー談義することだ。


2.「東京03の好きにさせるかッ!」

 人気コントトリオの東京03がゲストとコント&テーマに沿ったトークをする番組。ゲストはお笑い芸人、タレント、俳優、声優、アイドルなどさまざまなジャンルの方がいらっしゃる。

 この番組に出会うまで、コントはテレビのネタ番組でたまに観る程度だった。漫才と比べると奇抜な格好や特徴的なキャラクターなどで笑いを取る印象が強く、どちらかというと漫才の方が好きというのが正直なところだったが、この番組でコント師の実力を知ることになる。ラジオなので入ってくる情報はセリフだけ。舞台設定も登場人物の容姿も想像するしかない。この番組では、会社で実際にありそうな話から無人島に漂流した話まで、ありとあらゆる設定でのコントが披露される。そのどれもが情景が目に浮かぶようなコントとなっている。流石としか言いようがない。

 寝かしつけしながら聴くラジオなので静かにすることが大原則にも関わらず、笑いを堪えきれないこともある。コントのネタはゲストがコント師ならゲストが書くこともあれば、他のコント師が書くこともある。ネタを書いてくれているコント師の他のネタも見てみたい。


3.それゆけ!メッセンジャー

 東京03のラジオが緻密な作品を楽しむラジオだとすれば、このラジオは芸人の素の面白さを楽しむラジオ。お笑いコンビメッセンジャーの2人を中心としたトークがめちゃくちゃ面白い。どこまで台本として準備されているかは分からないけど、オープニングで黒田さんが話し始めた話題から次々と話題がテンポよく展開していく。

 少し話が逸れるけど英会話に通う会社の後輩が「講師とフリートークすることがあるけど、英語力云々の前に会話したいことが見つからないので困る」みたいな話をしていた。めちゃくちゃよくわかる。そこまで親しくない人が相手だと、話題を広げることが難しかったりする。相手のどんな話でも広げる力やどんな相手でも広げやすい話題を選ぶ力、それらはよく言う「コミュニケーション能力」に含まれるんだろうけど、社会人には必須のスキルだ。
 このラジオ番組を聴いていると、芸人はそのようなスキルがめちゃくちゃ高いんじゃないかと思う。話題を次々と展開させていくスキルを見習いたい。


 「まいにちスペイン語」と「東京03の好きにさせるかッ!」はNHKラジオなので、「らじる★らじる」というアプリで放送から1週間は聴き逃し配信で聴くことが出来る。「それゆけ!メッセンジャー」はMBSラジオなので、「radiko」というアプリで放送から1週間聴くことが出来る。
 ラジオ番組で、寝かしつけの時間が楽しいものになりますように!

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