マリーゴールドイメージ

「あいみょん/ マリーゴールド」の売れ方は時代の鏡。ヒットチャート研究考察 第3回


こんにちは!
理系バンドDENSHI JISIONのベースを担当しているミナミ  アヤナと申します。
メンバーが交代でヒットチャートの楽曲を研究・考察するこの企画。
第3回目はわたくしが担当いたします!

《過去の記事はこちらから》
「 ALXD/[Alexandros]」はロングヒットの秘密はタイアップ6回。ヒットチャート研究考察 第2回
「米津玄師/Lemon」は喉を乾かせる天才。 ヒットチャート研究考察 第1回


■ 「あいみょん/ マリーゴールド」



■ あいみょんとは?

2016年にシングル「生きていたんだよな」にてメジャーデビュー。
独特な歌詞の世界観と美しい歌声が話題の、今注目の女性シンガーソングライターです。2018年には第69回NHK紅白歌合戦にも出演。「君はロックを聞かない」「愛を伝えたいだとか」など、様々なヒット曲を生み出しています。

今回はあいみょんの「マリーゴールド」を通して、ストリーミング配信についてお話しいたします。


■ ストリーミング配信とは?

ストリーミング配信サービスとは、定額の料金を支払ってスマートフォンやパソコンなどで音楽が聴き放題になるサービス。音楽定額サービス、ストリーミングサービス、ストリーミングなどと呼ばれています。

ここ数年で定着しつつある新しい音楽の聴き方、ストリーミング配信。
この記事を読んでいる音楽好きの皆さんであれば、誰もが1度は利用したことのあるサービスではないでしょうか。

Apple Musicに始まり、Spotify、Line Music、Amazon Music Unlimitedなど…
様々なストリーミング定額サービスが近年普及してきています。
(ちなみに筆者はApple Musicをよく利用しています。)

ストリーミング配信が登場するまでの音楽業界では、アーティストが世の中に自分たちの曲を届ける方法といえば、CDを買ってもらったり、iTunesでダウンロードして買ったり、アーティストの公式YouTubeで聞いてもらったり…など。
ダウンロードやYouTubeというのは比較的歴史が浅いサービスなので、
やはりCDという媒体こそがこれまでの音楽業界の主流ではありました。

そんな中新しく登場したサービスが、今回テーマになるストリーミング配信です。


■ アメリカの音楽業界に見るストリーミング配信

日本でストリーミング配信が普及してきたのはここ数年の話ですが、実はアメリカではずっと前から、音楽業界の主流としてストリーミング配信が確立しています。

ここで、アメリカの音楽業界を代表する業界団体の全米レコード協会(RIAA)が発表したレポートのグラフを一緒にみていきましょう。

※ News and Notes on 2017 RIAA Revenue Statisticより引用

これはアメリカの2017年の音楽市場の売上を割合にしたグラフです。

ストリーミング配信は65%と、アメリカの音楽市場で
売上の約2/3を占めていることがわかりますね。
続いて、CDの売上(グラフでのフィジカルが該当)が17%、
ダウンロードが15%と、ストリーミング配信が圧倒的に強いのが一目瞭然です。

ストリーミング配信の前年度売上は全体の51.4%→65%まで拡大。
それに対し、

CDの売上は全体の21.8%→17%、
ダウンロード配信の売上は全体の24.1%→15%

と、低下傾向にあります。
少し難しい話になってしまいましたが、簡単に言うと、それくらい、アメリカでは

ストリーミング配信が「人気」で「市場のほとんどを占めている」サービスである

ということですね。


■ これからは間違いなくストリーミング配信が主流に

先ほどのデータでストリーミング配信が音楽業界にとっていかに強いサービスなのか、おわかりいただけたかと思います。
CDやダウンロード再生の売上が低迷している今の時代において、アーティストがCDをリリースしたり、iTunesでダウンロード出来るようにするだけでは、もはやアーティストにとってそれは効果的なプロモーションとは言えないんですね。

もちろんCDリリースやダウンロード配信が悪いと言っているわけではありません。ただ、これだけCDやダウンロード再生の売上が低迷化しているとなると、
それらのコンテンツはどうしても埋もれてく可能性があります。

アーティストがこうした時代の流れに対応していくためには、ストリーミング配信への攻略が不可欠です。

ヒットアーティストのあの曲が聴きたいから、CDを買う、ダウンロード配信で曲を買う、の時代ではなく、ストリーミング配信におけるプレイリストやサブスクリプションの中からヒットアーティストを作る、ブレイクさせることに注力していくことが今後の音楽業界に置いて非常に重要なのではないでしょうか。



■ そうして生まれたストリーミング女王、あいみょんというアーティスト


ここでようやく、あいみょんのマリーゴールドの売上を一緒にみていきましょう。
※Billboard Japan チャート・インサイト(2019年2/18付)より引用

チャート構成比から見てわかるとおり、ストリーミング再生が売上全体の2/3を占めています。


こちらは、発売してからの売り上げをグラフにしたものです。
青い線がストリーミング再生数を、紫の線がダウンロード数を、黄色い線がCD売り上げ数を指しています。


また、あいみょんはマリーゴールドのほかにも様々なヒット曲を連発しています。Billboard Japan チャート・インサイト(2019年2/18付)よると、HIT 20のうち、

5位  マリーゴールド     
8位  今夜このまま     
14位 君はロックを聴かない

など、マリーゴールド以外にも様々なヒット曲を連発しチャートを独走状態です。
そして、それらのヒット曲のどれもが、売上の半分以上をストリーミング再生が占めています。




■ まとめ 〜あいみょんの売れ方は時代の鏡〜

今回のデータから見てわかる通り、次世代のアーティストにとって、
ストリーミング配信の攻略こそがヒットアーティストへの道のりの第一歩
といっても決して過言ではないでしょう。

あいみょんの売れ方は、まさにこれからの新しい時代を映す鏡。


我々DENSHI JISIONもストリーミング配信に注目し、
日々研究を重ねていきたいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回更新はDr.モエコです。是非お楽しみにしていてください。



この記事を書いた人のバンド      → DENSHI JISION
この記事を書いた人のアカウントTwitter  → ミナミ  アヤナ

《DENSHI JISIONの最新リリースのストリーミング再生はこちらから》




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