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バーチャルで生きる #1 後編 ~銀鮭さん~。「現実の代替としてのVRではなく、自分たちはその先にいるんだぞ」

こんにちは、バーチャルゲームライターのでんこです。

「バーチャルで生きる」はバーチャル世界の住人の皆さんにお話を聞いて、バーチャルでの生活スタイルや、その楽しさなどについて聞いて、バーチャル世界の魅力を見つけていくインタビュー企画連載です。

今回はに引き続きNeosVRを中心にclusterやVRChatなどプラットフォームを越えて活動されている銀鮭さんのインタビューをお届けします。

↑前編はこちら。

銀鮭さんはNeosVRでイベントをの主催や初心者案内、直近では大規模イベントのNeosFesta3でも運営チームのメンバーとして活躍されています。

「NeosFesta3」はNeosVRで現在開催中で、8月31日にいよいよ完成を迎えようとしている、未来のクリエイターフェスティバルというお祭りです。

アイテムからワールドまでなんでも入稿可能なノンジャンルの展示会で、クリエイターの皆さんの制作物が多く展示されているイベントです。

前編では初心者案内やイベントを積極的に手掛ける理由が語られましたが、実は銀鮭さんはNeosFesta3のスタッフでもあります。銀鮭さんが担当されている作業の内容を聞いてみると、大変で責任が大きく、初心者案内や普段のイベントとはまた違った大変さがあることがわかりました。

そこに貢献する理由を聞いてみると、NeosVRの未来、そしてソーシャルVRの未来を見ている銀鮭さんだからこそのお話を伺うことができました。

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銀鮭さん近影。以前ご案内してもらった5日間でゲームを作るプロジェクトで作成されたゲームワールドです。

■ NeosFesta3でもスタッフとしてバリバリ活動

ーー今開催中のイベントNeosFesta3でも運営チームのメンバーとして関わっているとお伺いしました。

銀鮭さん:私はRiskチームと、Eventチームを担当しています。

まずRiskチームとしての作業内容を先に紹介しますと、利用規約の作成ですね。

NeosFesta3はなんでも入稿出来ます。アバター、アイテム、リアルの写真、ハードウェア、ワールドそのもの。だからと言って法律に引っかかるモノや、NeosVRの操作を困難にするモノを通すわけにはいきません。

NeosVRで何が出来るか、どういうリスクがあるかは普段から遊んでる我々にしか分かりません。そこを文章化して弁護士さんに渡し、上がってきた草案をチェックして再度共有ってのを繰り返してました。

利用規約を作ってもらうお礼としてブースを代理で制作するという話しになったので、Visualチームと相談してイメージを煮詰める作業とかもありましたね。

ちなみにリスクの洗い出しから文章化、草案の校正、Visualチームへの共有等は全部NeosVR内で行っています。こういうときNeosVRはとても便利で、普通のビデオ会議だとここまで出来なかったんじゃないかなぁと思っています。

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フォトコンテストのWeb掲載用の文章を校正してもらっている図

あとはブースのチェックですね。

ここ是非見てもらいたいんですけど、ブースチェックもNeosVRの中でやってるんですよ。こういう感じでツールがあります。

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ブースチェック時に使用するツール。

NeosFesta3は開催期間中も入稿可能でブースサイズに制限がありません。
ワールドそのものがブースとして入稿される事も多くて、どうやって確認するかは課題でした。

このツールによって、NeosVR内で複数人同時に確認出来るようになりました。問題があったときは早めに連絡出来るのでとても助かっています。

最終判断はあくまで代表者ですが、チェック自体は他チームも行っているのでいろんな視点から確認しています。

ーーではEventチームの役割を教えて下さい。

銀鮭さん:Eventチームとしては、企画から管理ですね。

自らが回しているイベントもあれば、別に実行部隊がいるモノもあります。私が担当しているのはEmptyClub、完成式典、フォトコンテスト、スタンプラリーですね。

Webのイベントページや、フォトコンテストの収集スクリプトの作成などもやっています。Webについては忙しくて、途中で他の方にかわってもらいましたが。

イベント出演者への連絡やサポート、ポスターや動画、景品の発注等結構やる事は多いんですが、とてもやりがいのある作業だと思ってます。

ーーNeosFesta3もいよいよ佳境ですが、印象的な出来事はありましたか?

銀鮭さん:開催期間中にバーチャルライツ様の後援が決まった事ですね。
イベント開催中に理事長のSUKANEKIさんが遊びに来てくれたんですが、その場で後援して下さることが決まりました。

前日譚として、バーチャルライツ様主催のVR写真大賞というのがありまして、NeosVRで撮影した私の写真が入賞したんです。

応募作品がVRChatで展示されるということで見に行ったのですが、SUKANEKIさんが偶然いらっしゃって。いろいろお話してフレンドになったんです。

数週間後、いつも通りNeosVRに入ったらSUKANEKIさんがいて。
挨拶しにJoinしたら盛り上がって、後援して下さることがその場で決まりました。自分たちの活動を実際に見て、理解を示してくれたのは本当に嬉しかったですね。

ちなみにその時に案内したのは「日本橋川法律事務所」です。

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NeosFesta3で展示されている「日本橋川法律事務所」のブース

これもまた前日譚なのですが、clusterで「VR空間と法律」というイベントを弁護士さんと一緒にやったことがありまして、このブースではそのときの動画を見れるようにしています。

バーチャルライツ様に信頼してもらえたというのはかなり嬉しかったですね
VRChatでの出会いやclusterでのイベントが、世界を超えて次の大きなムーブメントに繋がっていく。

Riskチームは嫌われる事覚悟でいろいろ言わなきゃいけないのでシンドイ時もあるんですが、頑張ってきて良かったなと思った瞬間ですね

■ 「現実の代替としてのVRではなく、自分たちはその先にいるんだぞ」という思い

ーー大変なこともすごく多いと思いですよね……。それでもNeosFesta3に貢献する理由、その魅力を教えて下さい。
 
銀鮭さん:自分達で未来を作り上げているという感覚でしょうか。

VR空間だから言葉も民族も国も関係ない。全世界から様々なモノが入稿される。アバターから写真、動画、世界そのものまでなんでも展示出来てしまう。これは多分、今までのどんなイベントにもなかった特徴だと思うんです。

「現実の代替としてのVRではなく、自分たちはその先にいるんだぞ」っていう自負はあります。本当に忙しいんですけど、だからこそ楽しくて仕方ないんです。

ーー次に向けて動き出したいこと、この先にやってみたいことがあれば教えて下さい。

銀鮭さん:GAMEJAMをNeosVRでもやりたいと思ってます。

clusterのGAMEJAMとか凄い盛り上がりじゃないですか。私自身も「ClusterGAMEJAM 2020 in WINTER」に参加しましたし、いろいろ遊んでみたんですけど正直悔しかったんです。

NeosVRのゲームももちろん凄いです。 カジノやゲームセンター、MurderXとか曲射、スノーボード。どれも本当に楽しくてめっちゃ遊んでます。

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ただ勢いというかなんというか。NeosVRの方が出来る事が多いはずなのに、全然clusterも負けてない。

限られた制限の中で、発想を生かして面白いゲームを作っている。なんでだろうと考えたときに、やっぱり母数の多さかなと思いました。

NeosVRは数人の凄い人しかゲームを作っていない。初心者が集団作業に入りにくいんですよね。もっと勢いだけで、初心者が参加しても許される。
そういうイベントやりたいですね

「Cluster GAMEJAM 2021 in SUMMER」にはNeosVRの知り合いを集めて参加したのですが、とても楽しかったです。

https://cluster.mu/w/31ff663d-4ffe-4150-ab10-809478fba0c1

ーーNeosVR版のGameJamは実施できるともの凄く盛り上がりそうですね! では最後にアピールしたいこと、伝えたいことがあれば教えて下さい。

銀鮭さん:NeosVRはクリエイターしか楽しめないと良く言われますが、それは過去の話だと思ってます。

NeosFesta3だけではなく数多くのアイテムやワールドがあり、毎日様々なイベントが開かれています。自宅と旅行先みたいな感じで、イベントのときだけ来てくれる方もだいぶ増えてきました。前に挫折した方も、また来て欲しいなと思ってます。

NeosVRに定住しなくても全く問題ありません。自分にあった、居心地の良い場所で生きるのが一番です。でも、まずはいろんなVRSNSを知って欲しい。

そうする事で普段遊んでいるプラットフォームの楽しさを再発見出来ますし、もっと合う世界があるかもしれない。たまにでよいので、別の世界の事を思い出してくれたら嬉しいなと。

ーー熱いお話を聞かせていただいてありがとうございました!

ーーー

銀鮭さんはNeosFesta3に、NeosVRに未来を感じている。自分たちがその未来を作っているーーだからNeosFesta3に貢献するのだと話してくれました。

一方でもちろんNeosVRを盛り上げたい、でも自分の居心地がいい場所で過ごすのが1番だと話します。VRSNS全体の未来を見ている銀鮭さんだからこそ言える発言なのかなと私は思いました。

最後になりましたが、とても素敵な話が聞けたインタビューで楽しかったです。他にも色々お話を伺いたいので自薦・他薦問わずインタビューイも募集しています。なんらかの形で連絡ください~。

それではまた次回お会いしましょう、じゃーね。

バーチャルゲームライター:でんこ

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